セールスマンは見た

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2008.07.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類



「なんで言ってくれなかったの?」

って言われたことありませんか?

誰かを、

「なんで教えてくれなかったの?」

と問いただした事ありませんでしたか?



例えば昔からの友達に、

「じつは去年結婚したんだ。」

と切り出されたら、



なんてことをいいそうですよね。

言われたほうも、

「ごめんね~」なんていってりして、

まあこんなのは、罪の無い「なんで言ってくれなかったの?」ですが、

このあいだ私にかかってきた一本の電話は、それよりも少し重いものでした。




電話の主は友人の「天田克也」君。彼は、

「なんて言うてくれんかったんじゃろ?なんでじゃと思う?」

と私に問いかけてきます。


 天田君は、半年前にBMW(500万円)を新車で購入しました。

自分と家族のためにと奮発した、まだ真新しい真っ赤なBMWが、

信号無視で無保険の軽トラに真横からぶつけられ、




 軽トラのおじいさんは自動車保険に入っておらず、

やむなく天田君は自分の自動車保険(車両保険)で直すことにしましたが、

修理に預けたディーラーマンからこう告げられました。

「修理には300万円ほど掛かります・・・」

そうだろうなと聞いていた彼は、次の聞き慣れない言葉に反応しました。

新車特約

天田君はこう聞き返します。

「・・・ 新車特約 ってなんですか?」

その説明を受けながら、彼はふつふつと怒りがこみ上げるのを覚えます。

見た目は平静を装っていましたが、心の中ではこう叫んでいたのでしょう。

「なんで言うてくれんかったん?」と。



 私と天田君は友達ですが、自動車保険はよその代理店さんと契約していました。

私と知り合う前からの付き合いと聞いています。

だからこの電話はクレームではありません。

同じく保険を生業としている私に、友達として聞いてもらいたいのです。

私はうんうんと頷きながら彼の話を聞きます。

「なんで言うてくれんかったんかな?なんでじゃと思う?」

私は、

「うん。そうじゃな~」

と時々相槌を入れます。


どうしてあげることも出来ない、

「なんで言ってくれなかったの?」

です。

天田君にとっては大きな問題なのです。







「なんで言うてくれんかったん?」

何度もそう繰り返す天田君。

彼のその口惜しい気持ちは良く解ります。

「もしかしたら俺が聞き忘れたのかな?」

と自らを省みる事も決して忘れてはいない彼ですが、

「でもやっぱり。どう考えても聞いていない。」


 いまさらじたばたしてみても、その保険代理店さんを責めてみても、

どうしようもない事だと彼にはそうわかっているはずです。

誰かにその責任を取らせようとしているのではなく、

ただそのやり場のない憤りを誰かに聞いて貰いたいのです。



 そこで、責任問題云々はいったん脇に置いておいて、

保険について詳しい知識を持ち合わせていない天田君に、

この代理店さんがどのようにして、

伝えればよかったを考えて見ることにしましょう。




「新車特約という補償がありますよ。」

と言う情報が、どうして天田君に伝わらなかったのでしょうか?


まず、新しい車を買ったという連絡が、天田君から代理店にされます。

その後、「車検証」のコピーがFAX等で保険代理店に渡ったはずです。


「車検証」をみれば、新車であると言う事はわかりますから、

代理店がこの情報をキャッチしなければ、たとえキャッチしていても、

新車特約 を付加されますか?」と情報提供しなければ、

天田君が潜在的に必要としていた 新車特約 の情報は伝わりません。

200716

 これがまさに今回のケースでしょう。

天田君から代理店へは、「車検証」という情報が示されているのに、

代理店側がキャッチできなかったために起こったエラーです。


天田君を海に浮かぶ氷山に例えると、

明らかに水面に顔を出している「新車」という情報を読み取れなかったのです。



 これはこの保険代理店さんに限らず、どこでも起こりえることです。

もちろん「ウチ」でも起こる可能性があります。

いや、本当は起きているのに気づいていないだけなのかも知れません。



 天田君自身と代理店双方が認識しているはずの「新車」という情報(リスク)を、

代理店側が見逃した為に、保険情報提供が出来なかったため、

「どうして言ってくれなかったの?」

がおこったのです。



 これを防ぐ為に、代理店はお客様の「水面に現れている氷山」に目を凝らし、

船の衝突を防ぐ見張り番よろしく、二重三重のエラー防止の対策をたてて、

「どうして言ってくれなかったの?」

を防ぐしかありません。


「見張り番型」

しかしどんなに有能な見張り番にも完全はありません。




「水面に現れている氷山」とは天田君自身がしっている情報(リスク)です。

であるなら少々の時間と忍耐力は必要ですが、保険の全てを伝える方法はどうでしょうか?



 例えば、保険のパンフレットなどを用いて順番に全てを説明していくのです。

天田君にとって必要であろうとなかろうと、文字通り全てお話しするのです。

代理店が判断する事はかえって良くありません。

そこにエラーが生じる可能性があるからです。



 必要だと思う情報だけをキャッチしてもらえれば、

「どうして言ってくれなかったの?」は起こりえません。


 いかがでしょうか?

保険の全てを伝えるので、「全部説明しました型」です。

書いている私自身あまり気が進みません。

言う方も大変なら、聞くほうも大変だからです。


200716.1

「パンフレットをよくお読みください」というフレーズよく見かけますが、

「いったい誰が読むんだ」って、代理店の私でさえ思います。


ただ、この方法ならば、

「どうして言ってくれなかったの?」は起こりえません。

キャッチしているかどうかはともかく一応すべてお話しているはずですから。



しかし、これはこれでどこか不親切な感じがします。

そもそも、「どうして言ってくれなかったの?」を、

言われない為にどうするかではなかったはずですから。







 「水面に出ている氷山」を注意深く見れば充分かといえば、

タイタニック号の例をあげるまでもなくもちろん違います。

天田君からも代理店からも見えていない、

少なくとも水面上には現れていない危険(リスク)情報が、どんな場合にも必ずあり、

契約者によってその水面下の大きさは様々です。



 天田君は、高額な費用のかかる修理をするか、

それとも他の車を購入するかを、数週間迷っていました。

車で通勤する天田君にはその間の代車の問題も出てきます。


 毎日車がないとやっていけない人かそうでないか。

これによっても必要とする補償は違います。



 水面下に隠れた情報(リスク)を、

インタビューによって、代理店と天田君の両者で認識し、

その情報(リスク)にどう対応するか相談して保険を決める。

この方法が恐らくベストではないかと思います。


 これは、代理店側の人間の能力も問われますし、

ユーザーにも、いろいろと協力してもらう必要があります。



ウチが出来ているか?


もちろん不十分、まだまだです。


今回は知りきれトンボで結論に至っておりませんが、

お客様と保険代理店がどのようなコミュニケーションをとればよいか?

なんだか考えることがいっぱいありそうなテーマです。

長くなってしまったのでこの辺で切り上げますが、

この話は「つづく」です。







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Last updated  2008.07.19 07:20:44 コメント(2) | コメントを書く


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