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Jan 28, 2005
ラッフルズホテル
(1)
テーマ:
詩&物語の或る風景(1219)
カテゴリ:
だから
理恵から電話がかかる。
「いまどこ」
「そのへん」
「そう」
クラブのような音響のなかから、ウオッカの匂いがしてくる。
「あのさ、TERUX読んだけどさ」
「うん」
「わたしのことネタにするのはいいけどさ、ほかの子の話にまぜないでよ」
「混ぜる?」
「うん、、」
「あれさ、ゆきでしょ」
「ちがうよ、マジ りえ だよ、もう一人の理恵さんだよ、ごめんね、編集しとくから、、」
「あのさ、」
「なに」
「小説かいでんなら、小説書けよ、ありゃ日記だぜ」
「げ!」
「それとさ、ジェニファーのCDどうなってんだよ!渋谷のタワー行ったのかよ」
電話が切れた。
3年ぶりに聞いた理恵の声。
彼女は23歳になっているはずだった。
東京は午前5時。
HOIS のLOGをみる
またシスコから
エージェントがアクセスしている。
ここのところ頻繁にこのWEBに関心をよせている。
ある大手ソフト会社のアクセスは、
シリコンバレーの社内から、
むき出しのIPで彼のWEBを見ているが、
東京から、シスコ経由でみていないという確証は持てなかった。
そういったEXECTIVEの気晴らしの、
そのコンテンツは、彼らの東京に残してきた彼女達の、様子を伝えていた。
「大丈夫だよ、彼女達は君達がいなくても、楽しい夜をすごしているし、むしろ、君達のことなど、めったに思い出さないどころか、おなかすいたときにとっさに、つかわれなくなったメアドに”いまどこ?”と打つ程度の問題さ、つまり君達はそういったスポンサーの立場を動かなかったし、彼女たちは職業として、君のまわりに侍っていただけのことさ」
って、Tさんいつ戻ってくるご予定なの?
私早くしないと日本からちょいちょいいなくなっちゃうから( °∇^)
短いメール
これ私の詩?
私のための詩?
きみは光
音もなく
静かに照らして
この闇に
朝がくることを
僕におしえてくれる
決して
あきらめてはいけないと
私がほしいのならば
ほしいといいなさいと
○辺詩
まぶしいね
その一粒がまぶしいね
小さな光
大きな光り
小さいけれどまぶしいね
そんな光に
気づけるあなた
心の静かな人なのね
静かな 小さな 光
気づいてくれる
人なのね
うん あんな素敵な詩 はじめてもらった。
その光の感じが今夜の二人の感じを、
その微妙な恋の微妙なすべてを
その”静かな人”という表現は、
僕の気がついていない僕自身を、捕らえていたと思うよ。
僕は恋をしていることを認めざるを得ない、と
いうか 君が好きになった
僕のことをよく見ていたね
きっと君はすてきな才能を
もって生まれてきたんだね
きみの口癖の まぁ、どうでもいいけどっていうとき
はぐらかさないでっていういみだってこと僕は感じてるから、
きみの声を初めてきいたあの夜から
そして君の姿をはじめてみたあの夜から、
そしてこうして君と過ごしている時間に、
なぜかNYに帰りたくなくなっている自分が、ここにいます。
このメールはいまの素直な気持ちです。
成田から、メールが入る。
「ちょっといってくる」
「どこへ」
「シンガポール」
「そう、いつ帰るの」
そこで、途切れた。
彼女がまた日本からいなくなった。寂しくないと思っていてもバスルームで一人になると涙でコンタクトが見えなくなった。BLOGを読んで彼女はまた僕に彼女ができたと勘違いしている。これは日記じゃないんだ、なんどいえばわかるんだ、というかわりに、
いかないで
と、
いえなかったのはなぜだったのだろう。
あたたかいあなたに触れた夜のうれしさを忘れられないで、
この純愛は片思いのまま、彼女はあの、ホテルにいってしまった。
その名前が思い出せない。
貴之はそのホテルに、彼女でない人と行った過去がある。
彼女はゆっくりとそういった過去をトレースしていく。
彼女の彼への評価は未知数だった。彼は貧しかったし、むしろ彼女はそれを憎んでいた。彼との時間の中で、そういった苦痛に満ちた彼の惨めさが、彼女の何かに触れていた。
彼の家族は、彼がどう貢献するかで、評価した。そういった利用される人間関係に彼は辟易していた。
美しい話はないのか?彼はそう感じていた、閉じたままの心で、むしろそういった自分の多忙さに、いたずらに溺れていった。
忙しさにまぎれてすべて捨ててしまおうと考えていた。
夢を見た。夢を見ている時間はそれを夢だとは感じなかった。
その女は彼に敵意を抱いて、彼の心をかきむしっていた。
顔のない女、後姿。
言葉が彼を苦しめていく、彼女は聞きただす。
「理由がわからないの」
「君の納得のために生きているわけではない」
「なぜなの、どうしてあなたがそんな思いをするの」
「この苦痛は正当なものではいないし、私の心を蝕んでいく」
結局彼女達は、彼のいない時間の中で、いっぱいいっぱいの毎日を意味もなく、繰り返していくだけだ。
「基準が問題なのよ」
「そう、誰の?」
「私のものよ」
「僕はきみにコントロールされているわけではない」
私は彼女に用事がなくなっていることに愕然とした。彼女との時間の中で、別な自分の存在の幻想を見ていた。
「あなたは私の幻想のなかで、あなたがなしえなかった、そういった共有を私に重ねて、在りし日の不甲斐なさの補填を担保しようとしてるのよ」
「僕が君の身体に溺れなかったことで、そういった大脳生理学的な癒しを求めていたわけではないよ、たくさんの娼婦達は職業的にそれをはたしたし、むしろ筋肉痛をほぐすような物理的な関係は明確な基準の上で成り立っているから、あるいは職業的に私の恋人のような関係を繰り広げた彼女達は、私のそういった、”親戚の叔父さんのような位置で、淡い恋心の練習をしてくれていただけなのだれろうか」
「あなたは心と身体がばらばらなのよ、タイムレコーダーも狂ってるし、いま大切なものが分らなくなっているのよ」
深夜のBEDで、夢から覚める。夜はまだ淀んでいる。
「どうでもいいが、私は彼女達に用事がなくなっているのさ」
横に眠る女を見る、髪に隠れてだれかわからない。
私はどこにいてどこに行くというのか?
携帯が鳴る。しらない電話番号だった。
「もしもし」
「もしもし、てるちゃん?だれかわかる?」
「ちょっと待って、音楽おとすから」
BGMを消した。思い出せない。
しかしそのニュアンスの含まれた声だった。
「誰?」
「わかんないの?」
「裕未ちゃん」
「やっとわかった」
失望のニュアンスがつたわる。
「僕の電話だれに聞いたの?」
「美香さん、いま近くにいる」
「恋愛対象にならないんでしょう」
「うち、まだ、子供だから」
「そか」
「映像立ち上がる?」
「いまやってるみたい」
「こちらの画像見える?」
「うん」
「どう?」
「なにが?」
「わたし」
「親戚のおじさんに似てる」
「そか、、そのおじさん好き?」
しばらく間があって、
「考えたことない」といった。
VOIPの先端技術も、彼女の世代からすればSFでなくありふれた日常だった。
「私、子供なの」
「え、14歳のまま?」
「わかんない」
それはこちらの台詞だった。
「きのうラチられた」
「だれに?」
「幼馴染、とその一味」
「そか」
「海岸に海をみてきた」
「グループ交際か」
「そんなんではないけど、彼はカラオケ嫌いだから、ボーリングにいくの」
ボーリング?なにをボーリングするのだろうと、少し考えた。
「ねえ、それ自慢話?」
「え?」
「きみ綺麗だからミスユニバースにでれば?」
「あ、バーテンのバイトしてたときミス京都がきてた」
「へえ、でも僕は綺麗な人慣れてるから」
「へえ、じゃお友達の綺麗な子紹介してあげない」
「うん、いいよ、必要ない」
「それ、どういう意味?、私がすきってこと?」
すごいシュートが入ってきた、彼女は合気道をやっている。
「まだわかんないよ、知りあったばかりだから」
「うちら、しりあったん?」
「それもよくわからないな」
「どうして、その部屋暗いの?」
「100Wしか照明がないんだよ、部屋見たいの?」
「いかない」
「そう」
「メアドは?」
「ボーだから、そのままいくよ」
この小娘は私の以前使っていた、携帯会社を覚えている。
「いまは、家族が使ってるよ」
彼はCHATに自分の携帯のメアドを書いた。
すぐにカラメはついた。
「あしたの試験がんばってね」
「うん」
彼女は携帯を見ながら”ウレシイってかいてある!”といった。
VOIPが切れて、映像回線が切断されると、彼女の残像が部屋に感じた。彼は彼女のRECORDINGを再生した。
「考えたことない」
彼女の躊躇ったことばはこれしかなかった。彼女の母親は貴之より若かったから、彼女は母親を紹介することを避けていた。
不意に西麻布の交差点を歩きながら、
「貴之さんいくつなの?」と聞かれて、
「いくつに見える?」
「33歳くらい?」
「、、」
貴之は不用意にその日、本当の年齢を言った瞬間の、彼女の伏せた目線の意味を、計りかねていた。
その瞬間から彼女は彼を諦める準備を覚悟した。しかし彼もその表情からこの恋が実らない恋だということを悟った。
「しかし、実るということはどういうことなのか、、」
彼にはよくわからなかった。
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Last updated Jan 28, 2005 10:18:58 PM
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Re:22万アクセス(05/26)
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Re:まもなく218888だね(04/23)
いつもありがとう 218891 2008-04-27…
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