ワンクール完結で延長無しのテレビドラマは、スケジュールのタイトさはもとより世界観の構築や何やら、たいへんプレッシャーが多いものと思う。
一年4クールが当たり前だった時代を振り返ってみれば、世界観の説明や構築は 1クール目初頭の4話くらい
を使い、各 登場人物の座りが良くなる
のなんて 1クールも終盤
に差し掛かった頃ということが珍しくはなかった。
ところが、ワンクール完結作品には話数が11本しかない。
40分×11回。
映画と比べれば5倍の時間があるが、11回を丸々使って延々とひとつのエピソードを見せる形式を除けば、これは忙しい。
とくに 数字(視聴率)
や 反響
と 相談
して 後半の脚本
を書いていくような場合は、特段に 忙しい
だろう。
「絶対零度2」
は 集団劇
であるから、一場面に多数の人物が登場する。
刑事ドラマであるからしてミーティング場面に至っては、セット内がまさに足の踏み場もないほどの人数だ。
当然のことながら、画面上ではこれら登場人物が互いに被ってしまうことなく、全員の顔が見え、かつ、 必然的な位置関係
で映っていなければならない。
配置
を決めるだけでも 大仕事
なのだ。
「絶対零度2」
お約束のミーティング場面における各役柄の 立ち位置
が 定まった
のは、実は 4話
。
あれだけの人数をさばくのには、演出部もさぞかし苦労したことだろう。
因みに、1、2話、3、4話は所謂 『2話持ち』
で、それぞれ 同じ演出家
が続けて登板している。
それでも、ようやくミーティング場面におけるレギュラーメンバの立ち位置が 確定
したのが 4話
だから、最初の3話はある意味、実験的ともいえる。
尾行捜査場面や情報収集場面などでの実験性も見てとれるわけで、11話しかないのに3話を使って実験をした、と思うと 根性の据わった現場
づくりだ。
1から3話でも筋書き上は十分な二枚目っぷりを見せた 瀧河信次郎サン
の 真の二枚目描写
は 4話から始まった
、と云ってよい。
俳優の 写し方
、という点では最初に確信を持ったのは 演出部
という解釈が妥当だが、 撮影部
という見方もある。
もちろん、 桐谷健太くん
本人からの提案も考えられる。
何しろ 能動的
で、自分という 素材
を徹底的に解剖してしまうタイプの俳優だからだ。
要は互いに観察期間があった、ということだろう。
芝居
は 俳優が料理
するものだが、 俳優を料理
するのは 演出家
、 作品を料理
するのは プロデューサー
の仕事だ。
序盤は各々の手法を探り合っていたに違いない。
そして、4話で 確信を持った カメラワークが基礎となり、 「絶対零度2」 の 撮り方 というやつが 確立 した。
確実に 4話目で確立 された 瀧河信次郎サンの撮り方 は、演出家の別を問わず、その後は 最終回まで周到 されている。
二枚目!瀧河信次郎サンの作り方page8_END 2011.11.01
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