おいでおいでふうふ

おいでおいでふうふ

Jan 23, 2008
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テーマ: 子供の病気(2175)
カテゴリ: やけど、完治まで
この療法については、今後よく勉強をしてから
後日に詳しく自分なりに理解したものを書き込みたいと思っている。

一傷に限らず、医療界の内外を
大きく揺るがす手法であることは確かだと素人目にも思う。
しかし、やってみてはじめて良さが分かる。とにかく痛みが付きまとわない。
消毒という異物刺激で、せっかくできてきた皮膚細胞を消滅させる方法など
単純に考えたらおかしい。
よくちまたで言われること、
悪性腫瘍などの治療時、放射線療法などでがん細胞を叩くことは治療の大前提だが

何のためにする治療なのかわからない。

創傷治療に関し、消毒以外に他に違う方法はないものかと考えてくれた研究者たち、
最初はどんなにか異端児扱いをされたことだろう。
パイオニアは信念と志しを持って、自分の目指す方向を突き進む。
でも、「患者を触るときには手をきちんと洗ってからにすべきだ」という
現代にあってはごく当たり前の操作ですら
圧倒的に否定された時代があって
その提唱者は排斥され、狂気の末に亡くなってしまったというから
世の中の常識というものを覆すのはどんなに大変なことかは、容易に想像できる。
わけても医学界はどうやらその傾向が強いらしく、
依然「白い巨塔」に見られるような序列社会があって

どんなに明らかに進歩したものであっても、変化を受け入れることは困難を極める。
上の人間の鶴の一言で、それ以外の人間の提案は却下され
その結果は絶対に覆らない。
また、担当医師が日替わりの大病院では、
誰か一人が良心的にであったとしても、新しい方法を採用してしまっては

患者に混乱を与えるだけ。
とにかく足並みが乱れることは許されない。
だから、自分のしたいように医療をしたい医師は、
どうしても開業医のような個人に傾く傾向があるということだろう。

世の中、何か大きな体調の心配のあるときは、いきなり大病院に行きたくなるのが心情だし
設備の整った、エキスパートなイメージの「教授」に診てもらえそうな
大学病院にかかるのがベストと思いがちだが
教授はもっぱら研究に熱心で、臨床にはほとんど関わらないドクターだって多い。
腕のいいかかりつけ医をもつこと、そのほうがどれだけ自分の体にとって
安心で実益があるか分からない。
これは昔『ぼくが医者をやめた理由』の著者、永井明氏が言っていたことだ。

さて、タイトルの浸潤療法が医学常識にならないわけ、だが
医学界のこういった事情の他にも

『医療材料の会社や製薬会社との兼ね合い』
『世間の常識との戦い』

があるのではないかと思う。

一素人がつれづれに考えるには限度があるし十分稚拙になるのはわかっている。
が、浸潤療法が一般的な療法になったら、
ガーゼや消毒薬の会社が収益難になるのは目に見えている。
医療界とそれらの会社との間にどんな関係がもたれているのかわからないが
全国の創傷治療のために、一日どれだけのガーゼと消毒薬が使われているか
その量は想像以上だと思う。
医療材料などの会社を巻き込んで、浸潤療法をすすめるためには、
その会社が十分にもうかるような、ガーゼと消毒薬に代わるものを製品化しなくては
なかなか進まないだろう。到底受け入れられないだろう。
確かにそのような会社にお勤めの方のことを考えれば、急激な変化は
それらの方々が、生活を維持できなくなることにさえ関わるだろう。
だが、何とか各方面から知恵を絞って、この問題を解決できないものだろうか。
ちょうど、寝たきりの方などの褥創にあっては、
やはり一昔前は創部をドライヤーで乾かすのが医療常識だったが
専用の被覆材が開発されて、医療材料の企業が逆に収益に繋がると考えたのかわからないが
それが処置法変革のハードルを乗り越えさせたのかはわからないが
いまでは完全に、褥創は乾かしてはいけないということが常識になっている。
褥創だけなら、ある一つの領域に限ったことと言えなくもないだろう。
でも創処置全体に範囲をひろげると、術後経過観察をする外科界全体などを確実に巻き込んで
相当大きな話になってしまう。
それ以上に、「清潔と不潔」の概念を揺るがす問題と考えられなくもないなら
もう収集もつかないほどである。
これはとても、おいそれと動きだせるものではないだろうと素人でも分かる。

そして、もう一つの面、世間の常識との戦いというものがある。
テレビ番組などのメディアで科学的な検証が行われ、
へえ、そんな方法が理にかなってるんだ、そのほうがメリットが大きいんだと感心し
一時的に話題になったり興味を持つ人が増えたとしても
実際自分が負傷した時に「消毒はしないでください」と言える患者がどれだけいるか。
怪しまれるか一笑に付されるだけだろうし
なによりテレビでやっていたからそうしてみようと思える人など、そうそういないだろう。
そういう私ももちろんそうだった。
「傷は水でよく流して、汚れはきっちり取って
ラップでぐるぐる巻きにするのがいいんだって」
テレビでやってたよと人から聞いたことはあったが、
自分が負傷した場合、間違いなく従来の方法で消毒もきっちりやってもらうのが当然で
創感染はあってはならないし、だから消毒しなくてはという気持ちばかりで
そんな方法を願い出るなどとんでもないことありえないこと
自分には無関係だと思っていた。
そんな、日の浅い処置法なんて信用できるもんか、と。

でも、娘にやけどを負わせ、創処置が大きな大きな現実問題になったとき
私はその方法に頼らざるを得なかった。
藁にもすがる思いで検索をし、運良く、本当に運良くこの治療法に出会えて
メリットだらけのこの治療法で、娘の傷の完治を待つことになった。
(もちろんつきつめればメリットだけの魔法の治療法ではないのか知らないが、
本当に理にかなってるし、少なくとも消毒法とは比較できないほどの有用性があるし
臨床例もいくらでもあるらしい)
もっと以前から知っていれば、ERで消毒をされてしまっても
翌日にでもすぐに浸潤療法を行っているクリニックにかかることもできたろう。
それでも、受傷後2日後に、比較的自宅から近い場所に
この治療法を採用しているクリニックを見つけられたのはやはり運が良かったのだと思う。

ちなみに傷を乾燥させて治すというのは、実は
日本にどす黒く横たわる迷信チックな治療法らしい。
お国柄それぞれだからというにはあまりに負の影響の大きい日本の常識、
私もまったく全世界の普遍的常識だと思っていた。

それを知ることができた私はいいが、今日もまたどこかで不慮のやけどで
子どもたちが負傷しているかもしれない、
毎日のガーゼ交換でいらぬ激痛を味わい、その親は気が狂わんばかりに苦しみ
でも病院に任せるしかないからとひたすら耐えているかもしれない。
同じ思いをした人間として、いたたまれない。
各方面のいろいろな問題も孕むだろうが、どうか少しでも早い時期に
この手法が創処置の常識となって欲しいと思う。





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Last updated  Jan 24, 2008 05:34:30 AM
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