僕の好きなアーティストで「ジョヴァノッティ」という、とてもファンキーなイタリア人ラッパーの曲に「Stella Cometa=ステッラ・コメータ」というのがあります。さびの歌詞で ~Io re magio tu Stella cometa~ (=イオ・レ・マジォ トゥ・ステッラ・コメータ)と繰り返されるのですが、これは、宗教絵画の主題としてもよく取り上げられる「Adorazione dei Mngi=アドラツィオーネ・デイ・マジ」、日本語では東方三博士の礼拝と訳される、聖書の物語からの引用です。ユダヤ王の命を受けた東方の三博士が「星に導かれて」幼児イエスのもとへたどり着くというくだりで、ジョバノッティの歌では、愛する女をその「星」に、自分を「東方の博士」にたとえて、自分を導いておくれ....なんたらかんたら....というラブソングです。で、うちの娘の幼稚園は、母体が教会(プロテスタント)なので、このあたり、かなり熱心で、クリスマスには、必ず、イエス降誕の劇をやります。昨年、娘は、この「ステッラ・コメータ」をやりました。頭に星着けて踊ったワケですね(微笑み)。来年は、マリアをやったらどうかと「バカ父」は思うわけですが、本人は、受胎告知する天使がいいらしいです。 話が大きくそれましたが、コメータです。カンパーニャのアヴェッリーノに特徴的な品種「フィアーノ」を使って、ステンレスタンクで仕上げてます。想像通りとてもミネラリーで、ステンレスと思えないほど複雑で奥深い味わい。でも、やっぱり、思い出すのは、フィアーノというより、カリカンテとかインツォリアだなぁ。酸の質でしょうか。カンパーニャの僕のイメージはレモンなんです。かなりクリアーで、上品に出来ていても、南国のフルーツなんですね。逆に、良くできたシチリアの方が、とても美しく冷ややかな酸を感じたりします。このコメータもそうです。 何度も飲むうちに「シチリアのフィアーノ」とういうイメージは涌いてきそうですが、現状は「美味しいシチリアの白ワイン」で、品種は? という感じで、フィアーノを使った必然性は、導き出されて来ない気がします。はたして、彼らは、幼児イエスにたどり着けるのでしょうか?