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アルト・アディジェのDOC、生産者はケットマイヤーです。エティケッタにある「刷毛目」は汚れでは無くデザインです。値がはりそうな印刷ですが...汚れにみえてしまうのは...ナゼ?というわけで、サポーリで帰り支度をしてる時、お土産にいただいたワインです。抜栓から数日経過していたワイン。だって手渡された時にはもう開いていたんですから! その日のグラスワイン(白)だったのかな。へへへ、まだ、飲んでます。酸が、出てきました~。というよりも、樽が引っ込んだって事ですね。バリックが効いたシャルドネ。こなれてなくて、ややもっさりとしていて、ピーナッツバターみたいな雰囲気でしたが、昨日ぐらいから、果実が感じられるようになりました。相変わらず、リンゴの酸味というより、パイナップルとか、南のシャルドネですね。これは...変わってる。野暮ったいワケじゃないんです。それどころか、とても洗練されていてグラマラスな大人っぽいシャルドネ。もう少し、寝かせてからの方が、僕の好みに合うかも知れません。そういえば、お店で飲んだボナルダの話を全然していなかった。あっちのワインは、もう、あからさまに果実。もう少し酸味があったら、カツレツでも良かったかなぁ...という感じです、外道30さん。素直な造りで、とても料理に合いますね。
2009.08.13
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ロンバルディアのDOC生産者はレ・フラッチェ。とても良い事がありました。念願の、サポーリ・ディ・ノモトへ行ってまいりました。シェフに会うのは3年ぶりぐらいですね。お元気そうでなによりでした。セラーの中から選んだのが、表題のワインです。ボナルダ、微発泡、オルトレポ・パヴェーゼDOC...僕のワインです(笑)。僕が、勝手に「マエストロ・アッサッジャトーレ」と決めている、シェフのお母様も大好きなワインと聞いて、コレに決めました。夏の定番だそうです。実は、この造り手のリースリングが好きで、前に、その事をブログに書いたんですが、よけいな事に、「イシンバルダという造り手の「ヴィニャ・マルティナ」というリースリング(同じくオルトレポ・パヴェーゼ)は今イチだ」などとも書いたおかげで、「Kaoritaly」&「外道30」(敬称略)にワイン会で会った時に、「COMESTAIさんはヴィニャ・マルティナは嫌いなんですよね~」な~んて(ちくちく)言われてしまい(汗)、「あ~、この店に、レ・フラッチェのリースリングがあれば飲んでもらえるのになぁ」などと思ったものですが...ははは(笑)。なんと! サポーリのセラーには、レ・フラッチェのリースリングがちゃ~んとある!!!! のだ~。すごい店! (外道さん! 何を飲んだんですか?)都内の有名イタリアンでも「オルトレポ・パヴェーゼDOC リースリング レナーノ・ランド/レ・フラッチェ」を置いている店は、そうそう無いだろう...ははは。さて、料理の写真も、がんばって撮りました! (名前は料理を思い出しながら僕が買ってに書いてるので、同名の料理はお店に無いかもしれません)桃のカルパッチォに生ハムを添えて桃のカルパッチォですぜ。これが、ワインに合うんです。桃のほろ苦さがいいですね。シャキシャキなんですよ。これを食べていたらKaoritalyと初めて会った日の食事を思い出しました。都内の某リストランテ。その時は「桃のカペッリーニ」でヴェルディッキォ・ディ・マテリカを飲みました。ほろほろ鳥と野菜たっぷりのフィットチーネサポーリに行ったら野菜を食べようと...プリモでいただきました。写真は手をつけた後です。最初は野菜でパスタが見えないぐらいです。おいしいです。これもワインに合いました。大和豚のグリルしっかりした歯ごたえの香りの良いお肉です。シェフはイベリコには「かなわない」かもと言ってましたが、めちゃめちゃ美味しいですよ~。大麦(たぶん)のサラダが添えられていて、これも美味しかったです。ドルチェの写真...酔っていて撮り忘れていた~。ごめんね~。なにしろ、グラッパをサービスしてもらって、一気に酔いが回ってしまった。お店では、一度、ヴィノ・デッラ・パーチェでお会いして以来のお父様とも再会。妹さんとは初対面でした。(CDの事良く理解できずにすみません!)CDと言えば、お店に入った時、僕が、ブログで紹介した事のあるシチリア音楽のCDが流れていました。とても素敵なお店で、ほんとに、近所にあったら最高なのに...。日曜日のディナーで、お客さんが途切れない様子でしたので、早々に失礼しました。また、ゆっくり出来そうな時に、再訪しますね!ごちそうさまでした。
2009.08.09
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あけましておめでとうございます。年末は、油断していたら、あっっっっっという間に、実家へ帰省しようと新幹線のチケットを予約していた、29日になってしまい、ところが、29日は、JR東日本が「アレ」で、大騒ぎになりましたが、なんとか、東京脱出。その後、年明けて、今度は、かみさんの両親と合流して、軽井沢へ...。一昨日、日曜日に、帰ってまいりました。はぁ。言い訳はこれぐらいにして(笑)、ぎりぎりに投稿しようと思っていた、このテーマ、年を越してしまいました。いろいろ、飲みましたが、毎年、書いている通り、このテーマは、「一番美味しかった」や「評価点の高かった」を決めるもので無く「ヴェロネッリ」で言うところの「イル・ソーレ」を決めるものと思っています。で、一番、印象に残ったイタリアワインと言えば...。昨年の、春頃、ごく一部でブームになったコッリ・ピアチェンティーニです。なにを飲んでも、美味しかったのですが「この一本」というテーマですから「ボナルダ2006」にしましょう。地元消費されるタイプの、微発泡のワインですね。受賞のコメントが届いているようです。「今回のこの栄誉を瓶内に天然酵母が生きている全ての生産者に送ります」だそうです。ありがとうございました。詳しくは、このワインの日記をご覧くださいませ。本年も、よろしくお願いいたします。
2009.01.06
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17日に、いつものメンバーで、持ち込みのワイン会、やりました。残念ながら、Y氏が欠席という事で、いきなり、外来種ワインが並びました(笑)。先発が、ガラトローナ1999に決まったら、あとは中継ぎ、押さえ、ともに、1999のスーパートスカーナが続き、完封しました。Galatorona1999 PetroloCantico1999 La CappellaSolengo1999 ArgianoTenuta di Valgiano1999 Tenuta di Valgianoガラトローナは1本ゆっくり飲むのは初めてです。固いメルローという先入観がありましたが、はたして、グラスに注いだ直後は、果実も香り、開いた印象なのですが、実際、飲んでみると、味気ない感じ。その後も、グラスの中で、す~っと閉じて、やはり、飲み手を寄せ付けない雰囲気がアリアリ。後半、量が減って、ボトル内で空気8液体2ぐらいで放置すると、ようやく旨味がのってきました。もう少し時間が必要かも。<初回のたちあがりに不安を残すも2回以降は実績にものを言わせて無難なピッチングという感じ>カンティコは、僕が持ち込みました。前日の9時頃の抜栓なので、ほぼ24時間前ですが、直後は「うぁ~、失敗かも」と思ったほど、がちがちで樽も強かったのですが、当日の夜は、果実のパワーが溢れてきたのか、全てが、濃く、強い位置でバランスがとれているという状況。すごく美味しいです。果実も太く、タンニンも力強いのですが、バランスが良いので飲み疲れません。これはかなり良いです。カンティコは、1999はもちろん、数本もっていますが、最近は価格もこなれてきているので、是非、買い足しておきたいです。<真っすぐの走り、変化球のキレともに申し分無く、完璧なピッチングという感じ>ソレンゴはカベルネの頑固な側面が出てしまったのか、やや無愛想な雰囲気。ただし、グラスの中で、微妙に移り変わる香りは、4本の中では一番で、ブレンドの妙か、奥行きの深さを感じました。<癖のある多様な球種と老獪なピッチングでピンチをしのいだ感じ>テヌタ ディ ヴァルジャーノは、2006年に、2000のヴィンテージを飲んで、その柔らかなグリセリン質に感銘し、密かに、「お気に入りリスト」へ入れているワイン。実は、1999も、その後に飲んでいて、その時は、美味しいながらも、飲み頃は2000年に比べて、遥かに先だな~、と思ってはいましたが...。なんと言っても、前の3本とは異質のワイン。「おかえりなさい、サンジョヴェーゼがここにあります」という感じです。一本、筋が、通ってますね。この固さはサンジョヴェーゼです。美味しいです。ただし、以前に飲んだヴァルジャーノと、ちょっと違いました。同じような緻密さですが、こちらは、たとえるなら、フランのような、墨汁のような陰湿な濃さを感じました。何が違うんだろう? 1999年はもう1本あります。いつか答えを出してみたいですね。ちなみに、ボルドーファンもうなる凝縮感(笑)なら、今回飲んだ1999です。グローバルな得点水準も高いと思います。でも、僕の好みは、以前に飲んだ方だったりするんですね。困ったもんです。<抑えの切り札が、持ち味を発揮して、パーフェクトなピッチングという感じ>
2008.12.23
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カンパーニャのIGT、生産者はモンテヴェトラーノ。カベルネソーヴィニョン主体のブレンド。いくらなんでも早いだろーと思われるかもしれません。その通りです。実は、下の娘のヴィンテージなので、数本買って、忙しかったので、未整理のまま、一番取り出しやすい位置にあったこのワインを、開けてしまったんです、うちのかみさんが...。僕は、疲れていて、その日は、早々に(子供に絵本を読んであげて添い寝したまま...)寝てしまったんですね。さて、日曜日は、恒例の、かみさんの両親と姉夫婦とその子供を交えてのクリスマス会を我が家でやりました。例によって、僕は料理番なので、台所から参戦です。おおまかなメニュは、「浅葱の酢みそ」「浅葱とドライトマトのピッカンテ」「モッツァレッラ・ブッファラ&ポモドリーノ」「クリスマス型のパスタ2種(シンプル・トマトソース&お豆と野菜いっぱい)」「インサラータ・ヴァルデ(水菜&どじょうインゲン&さやえんどう&ブロッコリ)カリカリに焼いたレンコンとまいたけと共に」「牡蠣と鱸のパン粉焼き」「刺身(まぐろ、鱸、ヒラメ)お醤油またはオリーブオイルをお好みで」「鴨(マグレカナール)アッロスト、慈姑(くわい)と一緒に」「蕪とフォアグラのころころ焼き」「クリスマスケーキ・子供たちの大胆デコレーション」子供と同じ物を食べて、大人も、満足したいので、難しいです。子供たちは、とにかく、パスタがあれば良いという大前提(モッツァレッラとまぐろの刺身も射程圏)でしたが、予想通り、手づかみでばりばりいける「鱸のパン粉焼き」やサラダのトッピング用の「レンコンのカリカリ焼き」、意外なところでは「鴨」にまで食指をのばしてくれたので、大成功かな。もっと野菜も食べようね~。大人だけなら、浅葱と牡蠣のパスタにしたり、そのかわり前菜にもっと、魚や野菜をを増やしたり出来るんですが...。あ、今、書いていて思いだした! プロシュットを切るのを忘れてた! 目の前で、切り立てを食べてもらうのが恒例なんですが...。まずは、泡です。ブリュット・デッラ・カーザという感じですね。3年続けて、チェレットのブリュット・ベルラルディーナです。現行のヴィンテージは1997。旨いです。扱う店が、ここ1年で増えましたね~。おかげで、最近では、2000円台で手に入ったりします。まとめ買いしてます。このまま安定供給を望みます。さて、問題のモンテヴェトラーノです。18日の夜に抜栓、19日の朝に「開けたよ」と言われて、まず試飲した時は「やや渋くて、余韻に果実を感じる、異常に濃厚なミネラルウォーター(笑)という感じ」でした。やれやれ。20日朝には「濃さ」に味わいが出て来て、ようやく「凝縮感」という単語が頭をよぎり、果実も、余韻にわずかに...だったのが、アタックや、中盤にも顔を出しますが、最大の特徴と言える「少量ブレンドされたアリアニコによる黒い果実やスパイス」はどこにもありません。21日朝(いつも朝から飲んでるみたいですが...まあそうかも(笑))美味しい! あいかわらず「開いた」とは言えず「黒い果実やスパイス」は言われてみれば...という感じですが、カベルネソーヴィニョンの旨味やメルローの甘さなどが、途方も無い凝縮感とともに、「味わえる段階」に達しました! パチパチパチ!それにしても、このワインを「南伊のサッシカイア」だの「◯年連続トレビッキェリ」だの「パーカーポイント◯点」だの「イタリア主要ガイド誌で全て最高評価』なんていう謳い文句で買って、飲む直前に抜栓した人たちは「イタリアワインなんて美味しく無い! 二度と飲まない!」って思うだろうなぁ~。小売りで、安くても、8000円するワインです。8000円の価値は、おそらく、2014年ぐらいに明らかになるような気がします。今、2000~2001年ぐらいを飲んだら、そろそろ良さそう。本当に。一言に「凝縮感があるワイン」と言っても、甘く、濃く、年輪を重ねて行くワインは、若くても、それなりに、楽しめるかもしれませんが、歳とともに、贅肉をそぎ落とし、ソリッドでストイックなボディの中にエレガントを身につけていく「マイフェアレディ」は、やはり大切に扱われなければならないと実感します。21日夕、フォアグラと絶妙なマリアージュ。でも早熟感は拭えませんでした。
2008.12.22
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カンパーニャのIGT、生産者はフィオーレ・ロマーノ。ヴィヴァーチェは「活発な」「元気な」「活き々とした」というような意味ですが、エティケッタに書いてあったら「微発泡」している(フリッツァンテよりは弱い)と思ってください。ロンバルディアやエミーリィアあたりのバルベーラでも、この「ヴィヴァーチェ」という表記がよく見られます。ところで、ファランギーナの泡と言えば、話題になった、「J.セロス」と「フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ」のスプマンテを思い出しますが、むこうが(多分)100%輸出用(もしくはローマやミラノなどの都市部で消費)と考えると、こちらは、地元消費用の泡という事になるでしょう。実際、楽天でも、売ってるのは僕が買った店だけみたいだし...。どっちが、好みかと聞かれたら...間違いなくこっちです。第一に、値段が安い(笑)。とは言っても、安いヴィノ・フリッツァンテが、入手可能になった(本当に増えましたね)近頃では、税込み2079円は安く無いかも知れませんね。ただし、1000円程度のビール代わりにゴクゴクと飲めるフリッツェンテやプロセッッコなどと比べて、酸の出方や「ポンペイアーノ」という名前(あの遺跡で有名なポンペイのワインです)からも想像出来るような、火山性土壌(ヴェズヴィオ火山ですね)由来のクリスピーなミネラルなど、値段だけでなく、味わいも「ひとつクラスが上」なんだと実感出来ます。エミーリィアのマルヴァジアのフリッツァンテなんかと同じように、このワインも、泡用のグラスではなくて、普通の白ワイン用のグラスで飲みます。うちでは、ヴィノムのモンラッシェを使ってます。もっとも、最近は、なんでもこのグラスで飲んでますが...(笑)。
2008.12.18
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先日のビアンコに次いで、ロッソです。また、間が開いてしまいました。やれやれ。イチバン手前は、相変わらず飲んでます、ラグレインです。「ベルガー・ガイ2002」、生産者は、イニャツ・ニードリスト。濃いワインです。トレンティーノのロッソにありがちな青臭さは微塵も無く、熟した果実が、とても美味です。やや過熟な印象は、猛暑の2002年ゆえでしょうか。濃いワインと言いましたが、酒質が、あくまでもクリーンで、透き通った墨汁(おいおい)のように美しく、深く、シリアス。その奥が「今年の1本」候補のロッソ、「マリポーザ2006」、生産者はパーネヴィーノ。2004年はスキストス、2005年はペルダコデューラ名乗っていたワイン。それら過去のヴィンテージは、いつも、タイミングが悪くて、入手できず、今回、ようやく飲めました。いつもすぐに、完売になっちゃうんですよね。でも、その理由は明らかになりました。美味しいです。この生産者も(もういちいち説明する必要も無いですが)超の付く自然派ですが、彼らのワインを「美味しい」と感じる時の、ある意味共通したイメージに、「中身がしっかり詰まっている(凝縮感があり複雑)のに酒質が滑らかでクリーン」というのがあります。このマリポーザがまさにその通りのワインで、美味しいエキスがたっぷりなのに、非常に口腔に滑らかに、ゆるゆると優しく暖かいのです。次は、2002年設立の新進気鋭の生産者、カッシーナ・ロエーラの「ラ・ロエーラ2005」バルベーラ・ダスティDOCです。彼らのバルベーラの中で(日本で売っていた中で)一番安い(と言っても2800円)のワイン。これは、美味しいバルベーラです。飲んだ後、早速、買い足して、ついでに、彼らが作るバルベーラの中で、一番高いのも買いました。とても楽しみです。その奥は、「ロエロ2005」、生産者は、マッテオ・コッレッジャ。マッテオが若くして他界した後、日本では、そのワインさえも、見かける事が、無かったワケですが、正規の、輸入元が決まったようで、これでようやく、コッレッジャのワインを、再び、楽しむ事が出来る...幸せです。コッレッジャと言えばまず「ロエロ」でしょう。より、エレガントに寄った印象。とても美しいネッビオーロ。最後は「ペルラート デル ボスコ2000」。生産者は、ご存知、トゥア・リタ。う~ん、いい感じに「まったり」「ゆるゆる」になってました。今日は、カステルヌォボ・ベラルデンガのキァンティを飲んでます。「フェルシナ」ですね。2006。これも良い感じです。近頃は、2000円以下で、美味しいキァンティってのが、難しくなってきました。これは2000円以下です。旨いです。
2008.11.28
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前回の投稿が8/13でしたので、3ヶ月ぶりですね。やれやれ。最近、飲んで美味しかった、まずは、ビアンコからです。手前から、まずは、おなじみラ・ビアンカーラの「イ・マシェリ2006」。旨いです。我が家の「陰のテイスター」である、かみさんが、ひとくち飲んで、ぐいっと、エティケッタに目を向けて一言...「これは、いつもの、この、ワインより、すごく、美味しいね」もちろん彼女は、2006ヴィンテージが、アンジョリーノ・マウレにとって、どんなに素晴らしい年だったかを知りません。しかも、彼女が、このエティケッタを見て、まず、頭に思い浮かべる味覚は「サッサイア」です。ということは、「「イ・マシェリ2006」はいつものサッサイアと比べて、すごく美味しい」という事になりますね。はぁ。ちなみに、24時間前抜栓でした。その奥は、かみさんが嫌いな「フィアーノ」です。僕は大好き。かみさんは、より、堅牢なボディでタイトな味わいの「グレコ」が好きです。このマストロベラルディーノの「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」は千円台前半の価格からは想像出来ない、上品な酸とミネラルのボリュームを持っています。そのミネラルが、かみさんにとっては鬼門のようで。その上質な<とろろ昆布>のようなミネラルは、発酵アミノ酸由来のやや動物的な油分や昆布の青臭さや塩辛さなんですが...美味しそうでしょ?その奥が「今年の一本」の候補になりそうな「ビアンコ」。ラツィオの新進気鋭のカンティナ、ラ・コステのヴィノ・ダ・タヴォラ。これは、旨いです。マッサ・ヴェッキァのビアンコを彷彿とさせます。まあ、値段も、それに近いですが...。プロカニコ90%、残り10%はマルヴァジア、グレコ、ヴェルデッロ、アンソニカなど...畑も醸造も「超自然派」の生産者。次は、僕の、大好きな「マルヴァジーア」です。これは、マルヴァジーア・イストリアーナ100%で、生産者はジダリッチ。旨いです。彼は、数少ない「ヴィドフスカ」の生産者でもあります。「ヴィドフスカ」は一緒に買って、まだ飲んでません。楽しみです。その奥は、コッタネラの「バルバッツァレ・ビアンコ」。うちの定番。2000円以下のインツォリアでは、相変わらず、一番のワイン。エトナの生産者。最後は、オッフィダDOCの「パッセリーナ2006」。生産者はレ・カニエッテ。この造り手は、以前に、ファレリオ ディ コッリ アスコラーニDOC、を飲んで、ブログにも書いてますね。2005年の9月です。「樽をつかってないらしい...にもかかわらず、オイリーで濃厚な印象も...ただ、すっきりした酸味で、飲みやすいです」と書いてます。このパッセリーナも、なんと、同じ印象。ははぁ。なんか、いいかげんだなぁ(笑)。この造り手のフラッグシップな赤も売っているので買おうかと思ったら...高い。 やれやれ。次回、最近、飲んで美味しかったロッソ篇は、いつになるのか! お楽しみに。
2008.11.20
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トスカーナのIGT、生産者はモンテヴェルティネ。ラッダ・イン・キァンティにありますが、畑は、標高の高い北側斜面で、僕の好きな、ヴァル・ディ・ペーザに面しています。最近、このブログは <サンジョヴェーゼと言えば「ヴァル・ディ・ペーザ」>になってきました(笑)。ご存知、レ・ペルゴーレ・トルテの造り手ですね。ヴァル・ディ・ペーザらしい、冷涼で美しい酸が特徴的なエレガントな造り。キァンティと名乗らない事には、ワケがある味わいです。もちろん、キァンティと名乗っていても、美味しいものは美味しいと思いますが(笑)。正規輸入元の直販で、イタリアフェアか何かで、3800円でしたので、2000年、2002年(3600円)と買いました。2002年は、まだ飲んでいません。最近、飲んだワインでは、一番でした。サンジョベーゼのエレガンスがここにあります。緻密で、繊細で、ミネラリーという酒質は当然のごとく「固さ」を内包しているワケで、その「固さ」自体を楽しめないと、サンジョヴェーゼを美味しいとは感じられません。また、その独特の「固さ」が無ければ、良質なサンジョヴェーゼとも言えない訳ですが...。サンジョヴェーゼ100%のレ・ペルゴーレ・トルテに比べたら、カナイオーロとコロリーノがブレンドされているこのワインは、とても飲みやすく仕上がっています。しかも2000年は、比較的、柔らかい年と言えますから、今、ほんとうに美味しくなってます。おすすめです。先月は、忙しくて、史上初、飲むワインの量が減った...気がします。ふだん、食事の時はたいてい飲みますが、ワインだと、眠くなるので、仕事の能率が悪くならないように、ビールにしたせいです。年のせいだな。数年前<スペンサーが、午後に「張り込み」もしくは「重要な局面」がある場合、眠くなるので、ランチにビールを飲まなくなった>時はショックを受けました(笑)が、今度は、自分が、そうなろうとは...。そいえば、久しぶりの更新ですね。いろいろと飲んでいるのですが...最近印象に残ったワインを紹介します。ラグレインをよく飲みます。美味しいです。ドロミテの空の青さや、土や、牧草の香りを思い出します。最近の、お気に入りは、この2本。ラグレイン2000「ホフスタッテル」(写真左)は、濃さを感じるラグレイン。ただし、繊細で、ストイック。多分、ボルドーっぽい(笑)インテリジェンス。これで2800円(税抜き)。この生産者の畑名入りのラインは、少々高いですが、飲む価値のあるワインばかり。唯一の欠点は、あんまりイタリアワインっぽく無い(笑)ところかな。なので、このぐらいの価格帯の方が、飲みやすいし、僕の好み。もう一本は、スキアーヴァとのブレンドのサンタ・マッダレーナ・クラッシコ。濃いラグレイン「タベール」が有名ですが、このフック・アン・バッハ2005は、クリーンで、軽快、だけれども大樽の熟成による奥深さも兼ね備えていて、料理にもあうし、一本筋も通っているしで、本当に良くできたワイン。これで1480円(税抜き)。このブログに、たまにコメントをいただく「照屋リピダル」さんにすすめられて飲んだのが、このワインに「はまった」きっかけですね。ありがとうございます。ビアンコだと、この2本が良かったです。マルヴァジアには、たくさん種類かありますが、微発泡に仕上げたエミリア・ロマーニャの「ディ・カンディア種」と、このフリウリの「デル・カルソ(イストリアーナ)種」が、よりアロマティックで、僕の好みです。ニコリーニのマルヴァジア2004(写真左)はそれに加え、潔く、冷ややかな酸と、膨大なミネラルを感じる素晴らしいワイン。美味しいので、複数本追加で購入しました。「ラ・リヴォルタ」のフィアーノは、南のビアンコにありがちな、大柄な、べったりとした感じは無く、ミネラリーで冷涼な酸を持つ、とてもクリーンなワイン。この造り手のワインは、何を飲んでも美味しいです。ただ、ホフスタッテルの所でも書きましたが、低価格帯の方が、より葡萄の個性や良い意味での田舎臭さが感じられて、飲んでいて、心地よいです。ビアンコは、他では、シチリアのインツォリアをよく飲みます。安くて美味しいものが多いですね。
2008.08.13
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イタリアのスポーツ紙「Tutto Sport」の1面の大見出し。「オランダよ! 正直にやってくれ!」という感じでしょうね。今朝の、日刊スポーツに載ってました。あ、ユーロ2008の、予選C組の話です。イタリアは次のフランス戦で勝ったとしても、オランダがルーマニアに負けたら、予選通過出来ないのです。オランダは1位通過が決定済みですから、無理をしないでしょうね。もちろん、メンバーも落として来るでしょう。いずれにしろ、オランダに頼るしか無いイタリアの各紙面では「credo」「onesto」「correttezza」と言った、オランダの良心に訴えかける言葉が踊っています(笑)。 ラ・ガッゼッタでも、ドナドーニのコメント「Van Basten e` una garanzia=ファンバステンは、信頼できる人間だ」を、大きく扱ってます。いずれにしろ、フランスに勝たないといけません。ルーマニア戦で、途中出場だった、カッサーノが良さそうです。闘志が前に出てタイプの方ががこういう状況で期待が持てます。17日は「壮絶な試合」になりそうですね。楽しみです(笑)。
2008.06.14
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最近は、気合いの入った、ボトルが並ぶ事の多い、持ち込み会。今回のメンバーは、もともと集まっていた3人だけだったので「軽く」飲みました。僕は、表題のワインを持ち込みました。アブルッツォのDOC、生産者はモンティ(アントーニオ・エ・エリオ)です。エノロゴを、リッカルド・コタレッラがやっているモンテプルチャノ。最近、見かけないので、正規の輸入元が無いのかも知れません。ここのベースのモンテプルチャノ(黒と赤のエティケッタのやつです)は1000円程度で値段なりですが、なかなか良いワインです。こっちの、ピニョットはバリック熟成。1000円って事は無いですが、調べてびっくり、2860円で買ってました。ただ、同じ頃、もう1本を、4350円で買ってますから、平均して3605円(笑)。なんと言っても、濃いですね、色が。味わいも「濃い」ですが、コタレッラが敬遠されるような、強すぎる抽出によるザラザラした質感は無いです。タンニンも果実も「ふくよか」ですが「滑らか」です。2000年がちょうど良い塩梅に飲み頃になっていて、当日の昼の抜栓も功を奏した感じです。ふんわりと熟成の証が香ります。しめった木や土。インクや木炭。よく熟れた果実の甘い香りも。バリックも柔らかくとけ込んでいます。価格からは想像できないほど上品。なかなか美味しいです。僕の、最近の趣向からすると、やや外角の高めに外れているカットボールといった印象ですが、踏み込んで、「曲がりっぱな」を右方向へもって行きました。見逃せばボール球です。コタレッラと言うと、外来種を使ったワインをイメージします。「モンテプルチャノなんて珍しい」というのが、このワインを買った理由でした。こういうワインが、美味しかったりするので、イタリアって面白いと思います。2番とか6番あたりに、定着した、クセのある、良いバッターがいるチームみたいな感じですね。さて、今回、飲んだワインです。Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Riserva Billa Bucci 2003 / BucciTerra di Lavoro 2001 / Galardi実は、今回、僕がコタレッラのワインを選んだ理由はコレ。テッラ・ディ・ラヴォロとの、コタレッラ飲み比べ。あまり意味が無いですが(笑)。1本目は、僕の好きな造り手、ブッチの、高い方のヴェルディッキォです。僕は、ここの、安い方のファンです。2003を飲んだ印象をブログに書いた記憶があります。ヴェルディッキォには大きく2つのDOCがあります。このブッチのグループ、アンコーナを中心とした、アドリア海寄りの「ディ・イェズィ=di Jesi」と内陸部の「ディ・マテリカ=di Materica」です。ヴェルディッキオ自体は、ミネラル豊富で、ハーブや白胡椒のニュアンスもあり、とてもクリスプな感じ。そして地形が示すとおり、「ディ・イェズィ」は「トロリ」と温かなコクを、「ディ・マテリカ」は「キリリ」と冷ややかな酸を持ち合わせています。実は、年々、この「トロリ」がどうも苦手になって来ているのですが、ブッチのヴェルディッキォは「ディ・イェズィ」地区でありながら冷ややかな酸を持ち合わせていて、この「トロリ」も「トロッ」という感じでキレが良いんですね。それが、僕が、ここの安いヴェルディッキォを気に入っている理由です。で、このヴィッラ・ブッチは高いだけあって、へヴィ級ですが、やはり冷ややかな酸がとても良い感じ。アンティ・パストの「イイダコのトマト煮込み&セロリのピュレ」と共に飲むと、口の中にこのジューシーな酸がジュワっと溢れ出てくるんですね~。旨いです。やはり、このマリアージュを気に入っていた、Y氏も、同じヴェルディッキォ・リゼルヴァの「ミルムに似た感じ?」と表現されていましたが「ラ・モナチェスカ」が造る「ミルム」と言うのがまさに「ディ・マテリカ」であり「キリリ」で「冷ややか」で「酸」で「トロッ」で「キレ」なんですね。それにしても抜栓仕立ての「すえた」ような怪しげな香りは何だったのでしょう。そして、テッラ・ディ・ラヴォロです。僕は1999を1度飲んだ事があります。コタレッラのワイン(ボルドー的、強い凝縮感、太い果実)をイメージしていたら、とても上品で、ストイック、しかも葡萄に正直に造られていて、驚いたものでした。ある意味、拍子抜けしたのですが、この2001は、良くも悪くも、コタレッラ的。2本目に飲んだ、ピニョット同様、色が、濃いです。抜栓後すぐは、確かに、膨大な質量を持つ何かが存在するようなのですが、それが、一瞬で目の前を通り過ぎてしまうので、その何かを捉えきれない。目を凝らすと、赤い果実が見えてきます。そして、時間と共に、タバコや木炭や濃い色合いの果実など、複雑さも出てきました。ただ、一瞬でスルリと通り過ぎてしまうのは、相変わらずのようで、こうして見るとバランスは凄く良いけど、構造自体は中庸で、余韻も短め。ただ、時間による変化の振れ幅が大きいので、良くなるのはもっと、熟成が進んでからという事でしょうか。将来性に期待します。今回は、ヴェルディッキォに、モンテプルチャノに、アリアニコとピエディロッソのブレンドにと、品種に変化がありました。最近はトスカーナとピエモンテに偏向しすぎていたので、こういうのも良いですね。また、やりましょう。
2008.06.10
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今日は、かみさんが、子供達をつれて出かけたので、昼はひとりご飯です。残り物のサルシッチャとブロッコリのスパゲッティ。パスタはディチェコのスパゲッティニです。いよいよ梅雨ですね。ムシムシしますが、午後になって、気温が下がったのか、少し、過ごしやすくなりました。こんな日は、ソアヴェに限ります。イタリア好きで良かったなぁ...と、思います。もちろん、フランス好きにも、スペイン好きにも、何でも好きにも、蒸し暑い季節に「うってつけ」のワインはあるのでしょう(笑)。でも、イタリア人を始めた頃に、この「ソアヴェ」って言う(地名です)語感は、なんと涼しげでカッコイイんだろうって思ったものです。名は体を表すワイン。ヴェネトのDOC、生産者はピエロパンです。ピエロパンは、僕が思う、ソアヴェの中のソアヴェです。昔っから、ソアヴェと言えばピエロパンでした。最近は、いろいろ出てますが、やっぱり旨いなぁ、ピエロパン(笑)。2006は、ミネラリーで、固めで、いつになくクールに仕上がってます。限りなくアックア・ミネラーレに近いです(サッサイアやイ・マシェリにはかないませんが...苦笑)。2006年のビアンコは、なかなか良いですね。ピエロパンも、カルヴァリーノを何本か買っておこうと思います。
2008.06.08
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フリウリのDOC、生産者はジローラモ・ドリゴ。ちなみにこのワインの正式名称は「コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ タッツェレンゲ ディ ブットゥリォ ヴィニェト ロンク ディ イゥリ 1998」となります。長いです。「タッツェレンゲ」というのが葡萄の名前。フリウリの中でも、地域的にはブットゥリォとチヴィダーレに特徴的な品種です。ヴァルポリチェッラやアマローネになる「ヴェロネーゼ」が有名な「コルヴィナ」と同じ系列になります。フリウリの方言で「ターチェ-レンゲ(ta`ce-lenghe)」が名前の由来。イタリア語にすると「タッリィア-リングァ(taglia-lingua)」となって、すなわち「舌切り」という意味。舌が切れるほど、タンニンが強烈という事らしいです。(この話しはエスプレッソ誌の「イ・ヴィニ・ディタリア」の品種の頁で読んだと記憶していたので、日記を書くにあたって、再読しようと思ったのですが、記事が見あたらない!! いったい何で読んだのだっけ?)10年経って、舌をきるほどのタンニンは見られません。それどころか、繊細でシルキー。味わいそのものは、補助品種的な雰囲気がぷんぷんで、カベルネ・フランのような墨汁チックな、アルフォルノした野菜のような、そして、正露丸のような...香り。そして、かなり酸っぱいです。乾いた酸では無く、ジューシーな酸。2日目の今日になって、暗い色合いの果実も出てきました。不思議な印象のワインです。乾いた、ソリッドなボディは、とてもシンプルで、その上に、湿り気を帯びた、やや屈折したテクスチャが、バランス良く乗っかってる感じ。例えるなら、クールでソリッドなテレキャスターの音が導き出す緊張感と、「クリッシー・ハインド」の艶のあるハスキーなヴォーカルが、絶妙に絡まりあって、音が「かたまり」で耳に(もしくは直接身体の中心部分に)飛び込んで来る感じに似ているかもしれません。ねえ、ちゃんと聞いてる! 音も液体も重要なのは「どう感じるべきなのか」じゃなくって「どう感じたのか」ってことなのよ!と「彼女」なら言いそうです。
2008.06.03
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シチリアのIGT、生産者はプラネタです。リッチでオイリーで濃厚なシャルドネ。でも、意外とミネラル豊富で、果実の出しゃばりすぎない、フルボディなワインなんですよ。シャルドネは、好んで飲みませんが、このワインは大好きです。北部の、標高の高い、酸がクリアーなワインを「旨いなぁ」と好むようになっても、このシャルドネだけは別です。きっと、今みたいに4000円も5000円もしない頃からずっと飲んでいるからだと思います。だって「小さな苗木の頃から毎日飛び越している木なら、大木になっても、ヒョイっと飛び越せる」なんていう寓話がありませんでしたっけ(笑)。ちょうど、そんな感じ。そして2003年は、麦茶のようなミネラル感で、余計な南国フルーツなどは出てきません。思ったより熟成が進んでいますが、酸がしっかりしていてダレる事もありませんでした。週末に、浅間山の麓の家へ出かけてきました。かみさんの祖父が残したものなんですが、最近、義父が立て替えを行って、かなり立派な、過ごしやすい家になりました。今回は、落成式って事ですね。軽井沢から少し外れた、静かな所です。土曜日は、ご存知のように、冬に逆戻りしたような冷たい雨が一日降り続けましたが、日曜日は、とても気持ちのよい一日になりました。ミネラル豊富なシャルドネにぴったりの。でも、残念ながら、雨の夜の晩餐の「白身の刺身」とともに、全部飲んでしまった後でした(笑)。ビアンコを2本持って行くべきだったね。
2008.06.01
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相変わらず、奇数月の、仕事の入り具合は、ろくに息継ぎもせずに、クロールで、一気に泳ぎきるような塩梅で、足がつりそうです。なんとか溺れずにゴールして、一昨日は、持ち込みワイン会で盛り上がりました。僕は表題のワインで参加しました。ピエモンテのヴィノ・ダ・タヴォラ、生産者はブライダ(ジャコモ・ボローニャ)。1986年は、ヴィノ・ダ・タヴォラだったのですね。ご存知、モダン・バルベーラの代名詞のようなワイン。少し前に、楽天ブログ同士でリンクしていただいてるmurata0728さんに、同じ生産者、ブライダの、畑違いのバルベーラ「ビゴッタ1990」を飲ませていただきました。素晴らしく、熟成感のある、ビターチョコレート&柑橘系のジャム、強めのアルコールなど、ブライダらしい「濃い甘」系バルベーラでしたが...。今回のウッチェッローネ1986は、見事に、予想を裏切る「キレイな酸」が特徴的な、しとやかなバルベーラ。状態が素晴らしい。そして、なんとも良い香り。トリュフ、ミントなどのハーブ、カカオなどでしょうか...。「熟成香」などと、ひとからげには出来ない深淵で個性的な香りでした。液体は、煮詰まった感じも、抜け落ちた感じも無く、若々しいワインのようにエキス分に満ちていて、それでいて、するりと喉を通ります。そして、最初に書いた通り、たっぷりとした、上質な酸が余韻を満たしてくれます。ブライダのバルベーラは、酸が穏やか(物足りないほど)で、かつバリックで輪郭をつけたが故にビターな甘さが特徴的と思っていたのですが、まったく違う方向へ熟成していました。良い意味で、という事ですね。久しぶりに、とても良く出来た、熟成バルベーラを味わいました。さて、手前味噌が、長くなりましたが、今回のみなさんのワインはこんな感じです。Brunello di Montalcino 1996 / Siro PacentiAnfiteatro 1990 / Vecchie terre di MontefiliChianti Classico Vigneto Bertinga 1990 / Castello di AmaBricco dell'Uccellone 1986 / BraidaBarolo Riserva Bricco Boschis Vigna S.Giuseppe 1990 / Cavallotto今回も、イタリアワイン史上に燦然と光り輝くワインばかりです。押し出されるように、シロ・パチェンティから。理由は単純で、味見をしてみたら、これが、一番、円かったって事です。ウッチェッローネも、既に、美味しくのめる状態だったのですが「せっかくだから、セコンドにとって置きましょう」という提案があり、ブルネッロからです。たぶん1996は、飲んだ事があります。そのときは、ガチガチで、飲めたものではなく、それ以来、家のセラーのパチェンティは封印してあります。さて、1996なら、もう飲み頃だろうと思いました。そして、果実が前面に出ていて、パワフルで濃厚なロッソのイメージから、もっと「コッテリ」しているのかと思いました。ところが、このブルネッロは、円くなっているとは言え、ソリッドで、シリアス。たとえるなら、質の良いピアノトリオみたいに、心地よいグルーブ感があって、飲み飽きない、でも、一本筋が通っている。しびれました。アンフィテアトロは、事前抜栓が功を奏して、深い凝縮感ながら、香りも、味わいも開いていて、とても良い感じ。余韻に、収斂性の強いタンニンが頬をしめつけます。まるで、2001年あたりを飲んでいる気がします、若く、力強い。アマのベルティンガは、アンフィテアトロと比較すると、きちんと酸や果実の要素が生きていて、あぁ、「キァンティなんだ」と感じます。グレーヴェとガイオーレの差かもしれませんね。ガイオーレはちゃんと酸っぱいです。ただ、本来の姿では無い印象。固いです。望遠鏡を逆さに見ているような塩梅で、どうも、スケール感に狂いがあります。もっと時間をかけて飲みたかったですね。ちょっと残念。ブリッコ・ボスキスのリゼルヴァは、もう、文句のつけようの無い素晴らしさ。とてもバランスが良く、味わいに「ぶれ」がないので、始まりから終わりに至るまで、隙がありません。なんと言うのかな...とても複雑で、さまざまな要素が絡み合っているのだけれど、そのどれもが、最後まで、しっかり感じられる...うまく説明出来ないですね。あと、カヴァッロットを飲むと、いつも感じるんですが、香りと、その時間とともに移り行く様がとても良いんです。いつもの事ながら、1990年というのは、本当に「すごい年だったのだなぁ」と、思いますね。今回は、上で書いた順に飲みましたが、すべて飲みきるのでなく、後半は、全部のボトルをとっかえひっかえ飲んでましたね。「あ、パチェンティ良くなってますよ」とか言いながら。それにしても、今回のは、みんな状態が良かったですね。そんなわけで、次回は「バッド・ヴィンテージ大会」に決まりました。2002、1992、1987、などなど。非常に楽しみです。
2008.05.28
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トスカーナのIGT、生産者はポデレ・ラ・カッペラ。新ヴィンテージの2005年は、インポーターの情報によれば、カンティコとコルベッツォーロは瓶詰めされなかったとのこと。ということは、そのサンジョヴェーゼとメルローが、このワインに使われたという事でしょうか。ラ・カッペラのあるサン・ドナートは、有名な(フィレンツェを横断する)アルノ川の、支流であるペーザ川を抱えるヴァル・ディ・ペーザの源近くにあります。少し前の日記に書いた「コルツァーノ・エ・パテルノ」の他「ポッジョ・ピアーノ」や「バディア・ア・パッシニャノ(アンティノリ)」などもヴァル・ディ・ペーザ。このモンテルーポに端を発し、サン・カッシャーノを経て、最後は、ラッダ・イン・キァンティへ溯るこのラインは、僕の好きなキァンティ・ラインだったりします。さて、2005年のポッジョ・カンポローネです。まず、バリックの甘い香り。まあ、これは、1、2年もすれば、すっかり、とけ込みますし、際立ったものではありません。固いです。ゴム動力の模型飛行機のプロペラを巻ききったような、指を押し戻すような凝縮感があります。14%vol.という表示以上に強く感じるアルコール。そして、ヴァル・ディ・ペーザのサンジョヴェーゼに特徴的な酸は例年以上に存在を主張しています。時間とともに現われる果実はプルーンやブルーベリー等の暗い色調を感じます。今日、宅配便で届いたものをむりやり飲んでます(笑)が、ただならぬ、気配です。上記の通り、とてもバランスが悪く、固いですが、言葉で表現する以上に、液体が「いかがわしい」感じなんです(笑)。ひょっとしたら、史上最強のポッジョ・カンポローネかもしれない...? 最近飲んだ、2000年が、めちゃめちゃ旨くなってたんですよね~。これもあと5年待ちたいけど、自分で買って5年待つしかないですからね~このクラスのワインは...。いつもラ・カッペラのワインを買うお店で、税込みで2180円...このレベルのワインでは、この価格は信じられないです。ガイオーレで、このレベルのワインを造ったら、2980円とれます。リカソリ男爵の「家紋」とか入れたら3980円でもオッケーですね(笑)。そして2005年のポテンシャルは、そのクラスを遥かに超える気がするんですが...どうしよう! 箱で買おうか...5年後に、泣くか、笑うか...。
2008.05.02
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ゴールデンウィークの前倒しで、忙しいです。昔は、こんなにひどく無かった気がします。最近は、年末進行並み。まあ、GWに「かたぎの会社」が、きっちり休みを取るようになったせいでしょうね。しわ寄せは、必ず、弱い立場の「現場」に来ます。日曜日は、少し手が空いたので、子供と遊びました。ダイニングの窓からの眺めで、「借景」している、おとなりの某損保会社の社宅の(まったく手入れされていない空き地のような)お庭のタンポポが真っ盛り! ちょっと「いただいて来よう!」と、娘たちを連れて「関係者以外立ち入り禁止」のお庭へレッツ・ゴー(良い子のみんなは真似をしないでね)とばかりに、家を出たら、その手前の駐車場でも、黄色いお花が、とってもきれい! 「駐車場内で遊ばない!」の立て札をさらりとかわして(良い子のみんなは真似をしないでね)二人は、小さな籠がいっぱいになるまで、お花を摘みました。「かたばみ」の種類だと思いますが、名前はわかりません。上の娘が、アクセントに摘んで来た「ぺんぺん草」もかなりいい感じです。ジャムやオリーブの空き瓶に飾りました。新学期になって、大好きなお友達と組が別々になったお姉ちゃんは、ちょっと気持ちの揺れ幅が大きくなってます。この子は、人間関係で悩む子になりそうだなぁ(笑)。がんばれ~。かみさんも、苦労して決めた、しかも、家からかなり遠くの幼稚園の、期待と想像からのギャップにかなり落胆しています。細かい事情はさておき、大規模な改築工事を予定していたならば、その工事時期に重なる入園児募集においては、その説明があってしかるべきであり、昨年から、突如、始まった「改築工事(というか園舎の立て替えです!)にご協力ください」の大キャンペーンによる事情説明は、実際、先の春休みから始まった工事から受ける影響を目の当たりにすると、あまりにおそまつで、思慮に乏しいものであったと、思わざるを得ません。かみさんとしては、工事の影響で、いろいろと活動が縮小されてしまう中で、何か出来ないかと模索しているようですが、事なかれ的に「面倒は御免」と決めてかかる園は、ある意味、しかたのない部分もあると思いますが、一緒に行動に移してほしい「自分と同じ立場にあると思っていたお母さんたち」の反応がイマイチであったのがショックだったようです。特に、母親たちでつくる「会」を取り仕切る立場にある人たちの「空気を読むのに精一杯」な態度には、すっかり、あきれていました。かみさんもがんばってます~。そんな日々、脱力系担当の妹ちゃんも、がんばってます。かなり癒されます。自分の名前を『ハァニャ」と言えるようになりました。「ノンタン」にかわって「メイシー」が大好き。なぜか「ミッフィーたいっ!」と言いますが「メイシーが見たい!」の意味です。「赤~」とか「重い~」とか「葉っぱ~」とか「奇麗~」とか、言う事が漢字で表記出来る単語に変わってきました(笑)。相変わらずのお転婆で、このあいだも、椅子からころげ落ちてました。ごめんね。痛かったね。春になって、暖かくなって、野草が花を咲かせているので、娘たちがそれを摘もうとする。どうも、あたりまえの事のようですが、実際は、先ほど書いたように「あまり大っぴらには出来ない」のが、現在の、都会の流儀みたいです(ここは東京の23区内と言っても田舎の方です...)。そして、かみさんの「娘のために出来る何か」は、野の花を摘むほどにもうまく行かないようです。
2008.04.22
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トスカーナのDOCG、生産者はコルツァーノ・エ・パテルノ。11290715さんが「今まで、イマイチだと思っていたけど、2004年は、旨い」というような趣旨の事をブログで書いていた(と思う)キァンティ。僕も、同様に「イマイチだと思っている」ので飲んでみました。あ、ほんとだ、美味しくなってる。コルツァーノ・エ・パテルノがあるサン・カシャーノ・ヴァル・ディ・ペーザと言えば、ポッジョピアーノ、ポッジョ・アル・ソーレ、そして安旨キァンティの代名詞、レ・コルティ。イメージは高い凝縮感、良質な酸、低価格で高品質、夏の暑さに強い...とかかな。ポッジョピアーノの2004は、僕の、同ヴィンテージのベスト・キァンティ(今のところ)なので、なんとなく、納得。でも、タイプは違いますね。もっと、柔らかで、エレガント。ポストモダン系です。フィレンツェの南、ヴァル・ディ・ペーザよりもう少し、キァンティ・クラッシコ地区の核心部分へ足を踏み入れたあたりがグレーヴェ・イン・キァンティ。フォントディ、ランポッラ、クエルチャベッラ、ポッジョ・スカレッティ(イル・カルボナイオーネ)、そして、このノッツォレがあります。同時期に飲んだキァンティでは、こっちの方が良かったです。しかも1680円と、かなり安く買えました。スロベニアン・オークの大樽熟成。うちの近所のワインショップのオーナー(もちろんフレンチ系)が、このキァンティが好きなので、毎ヴィンテージ飲んでますが、2004は秀逸です。グレーヴェのイメージは、酸はやや低調、強い土のニュアンス、甘い香り、インクっぽさなど、モンタルチーノとの類似点が多い気がします。酸を強く意識させられる、レンテンナノ系が好みの人には、物足りないかもしれませんが、フォントディの2004の日記でも書いた通り、2004のグレーヴェは、とてもジューシーな酸を持っている気がします。加えて、上に書いたように、ミネラリーで、とても密な凝縮感。美味しいです。フォントディよりも、2004に関しては、上かもしれません。
2008.04.18
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暖かくなりましたね。こうなると、やっぱり「泡もの」が飲みたくなりますね。1500円以上出せば「作ったっぽく無い」ナチュラルで美味しいものも手に入りますが、1000円程度だと難しいですね。とは言え、その値段なりに美味しければいいんですが...。そうなるとプロセッコになっちゃいます。この「バルビノット」は1280円で買ったのですが、きちんと1280円なりの美味しさがありました。なかなかどうして、泡は滑らかだし、フレッシュでフルーティーですが、フルーツの部分に「クドさ」がなくて、程よい酸味もあって、きっちりブリュット。この時期美味しい貝類に合いそうです。今日は、ホタルイカを一緒にいただきました。今回は、料理の画像がメインなので「イタ専~」に投稿しようっと。楽天でも売ってます。ホタルイカじゃなくてプロセッコですが。バルビノット・プロセッコ・スプマンテ・IGTプロセッコ・ディ・コッリ・トレヴィジャーニ
2008.04.17
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久しぶりに、集まりました。今回も、すごいね。飲んだのはこんな感じ。Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Riserva Salmariano 2004 / Marotti CampiBarolo Vigna Le Coste 1990 / Mauro SebasteTzingana 1995 / MonteBernardiNebbiolo delle Langhe 1979 / GajaBrunello di Montalcino 1995 / SalicuttiAmarone 1991 / Romano dal Forno1本目のヴェルディッキォは、お店のセラーから。初めて飲む、生産者。日欧商事のバイオーダー品だそうで、どうりで小売りでは見かけないワイン。遅摘み&バリックで、濃厚&甘めのヴェルディッキォですが、らしいミネラル感も余韻に感じられて「悪く無い」印象。ただ、個人的には、ヴェルディッキォは樽を使わない方が...。2本目が、いきなりバローロで、しかも1990。これが今回の、僕のワイン。マウロ・セバステ。大樽で仕込む伝統派。この「レ・コステ」という畑名のバローロは、今は造ってないみたいですね。「レ・コステ」と言えば「ジュゼッペ・リナルディ」と「ジャコモ・グリマルディ」が思い当たります。バローロ地区の畑です。素晴らしい香り。香りだけで十分かな。液体はアルコール高めで、酸のボリュームもたっぷり。まだまだタンニンが主張しますが、バローロ地区らしくシルキーで繊細です。とても美味しいバローロでした。3本目はトスカーナのボルドーブレンド。たぶんメルロー+カベルネ+フランでしょうか。でも、セパージュなんて、どこ吹く風という感じのトスカーナワイン。飲んだ瞬間に「あぁ、トスカーナだなぁ」と...。時間とともに、サンジョヴェーゼではありえない愛想の良さや、陽気な果実が...。それにしても、恐るべし! キァンティの土地と水と空気。4本目はサンテミリオンのネッビオーロ。冗談じゃなくて(いや冗談か)、サンテミリオンのワインショップで買ったというガヤ。ヴィノ・ダ・タヴォラです。熟成したネッビオーロらしい生肉っぽさや獣臭、液体は出汁系。だったのですが、時間とともに、酸も顔を出し、ワインらしくなってきました。さすがです。これが美味しいからネッビオーロは凄いです。5本目はサリクッティのファースト・ヴィンテージ。少し前に、このブログでサリクッティの悪口を書いたら(笑)、この「1995は美味しいよ」と言われたヴィンテージ。これが、一番、楽しみでした。あっと驚く骨太なブルネッロ。僕が飲んでるのは1998以降のブルネッロかロッソですが、まず、イメージするのは、そのモダンさ、造りのキレイさなどです。サリクッティは、当初は、とても無骨な造りだったのでしょうか。もう一つ、不思議な事は「あんまりモンタルチーノっぽく無い」こと。言葉にすると、かえって誤解を招きそうですが、僕のモンタルチーノのイメージは、「酸っぱく無い」「甘い香り」「強い土のニュアンス」「乾燥もしくは熟した黒系果実」「スパイス」「インクっぽさ」などですが、このブルネッロは、酸が強めで、発酵茶葉や、肉っぽいニュアンスがあって、ブラインドだとバローロと間違いそうな感じです。どうも、不満を述べているみたいに聞こえるかもしれませんが、ワインとしては、すごく美味しいです。ここから軌道修正して、エレガンスへ向かったことが残念なくらい美味しいです。そして、果実が豊満な1997年を想像すると、「甘い香り」「乾燥もしくは熟した黒系果実」「スパイス」はもっと充実して来るでしょうし、強い凝縮感が生む「インクっぽさ」、そして「強い土のニュアンス」はもともとありますから、これは、実に、旨そうなブルネッロが想像出来ますが...いかがでしょう。6本目は、なんと、アマローネ。何年ぶりかなぁ。ヨードチンキとまで評した、あの、薬草っぽい甘苦さから、思いっきり敬遠しているアマローネ。でも、ダル・フォルノなら美味しいかも! クインタレッリは勘弁してって感じですが...あ、美味しい。苦く無いですね~。それにしても、すごい凝縮感! 舌に甘く感じるほどの凝縮感(あたりまえか)。これが、羊に合います(笑)。これなら、アマローネ大丈夫どころか、積極的に飲みたいかもしれない...でも、ダル・フォルノは高くて買えないなぁ。Yさんありがとうございます!酔うと、最近、愚痴っぽくなるCOMESTAIです。今回も、酔っぱらって、退屈な話をたらたらしてしまったような気がするなぁ。ごめんなさい。というわけで、よく飲みました。それにしても、毎回、凄いワインが並びますねぇ。今回も、どれも、本当に、美味しかったです。また次回! お会いしましょう。
2008.04.15
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マルケのDOC、生産者はデ・アンジェリス。アッピのお店が自家輸入しているワインです。赤も白もなかなか美味しいです。そして、直売なので、安いです。ロッソ・ピチェーノの2004年ヴィンテージのスーペリオーレが1300円というのは、はっきり言って、リラの時代の価格です。過不足がなく中庸のボディ。コーネロとの違いは、サンジョヴェーゼがブレンドされる事で生まれるこの中庸さではないでしょうか。コーネロも10%程度はブレンドは許されますが、やはり、モンテプルチャノが持つ、刹那的で、いきあたりばったりな果実に翻弄される、ロードムービー的な浮遊感が、抗しがたい魅力として存在するのです。そして、それなりの完成度というか、造り手のスキルが必要な気がします。2000円以下なら、ピチェーノの方が、無難です。安定した生活。地に足の着いた暮らし。美味しいロッソ・ピチェーノには、あなたを待っている家族の住む家のような「温かみ」みたいなものが、潜んでいます。そして、食卓にはピッツァがありました。タコとブロッコリとタマネギです。モッツァレッラは国産のを使ってます。安いってだけで、深い意味はありません(笑)。すごく美味しいカンパーニャのモッツァレッラが、通関の見通しがたたず、キャンセルされました。同じく、アッピのお店で売ってるやつです。残念~。
2008.04.13
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それにしても、ワインは難しいです。実は、先日「楽天ブログつながり」の「ごるべら」さんから、知り合いのお店で使うのに、なにか美味しいイタリアワインを紹介してほしいとの依頼を受けて、そのお店に、ワインを持ってお邪魔してきました。どうせならという事で、いつものワイン会「蟲の会」のメンバーも一緒にという事になったのですが...なかなか思うようにワインを集められませんねぇ。持ち込んだワインは以下の通り、Sicilia Bianco Insolia 2006 (IGT)/ Valle dell'AcateSoave Superiore Monte Ceriani 2005 (DOCG)/ Sant'AntonioMontepulciano d'Aburuzzo Jorio 2005 (DOC)/Umani RonchiTorre di Ciardo 2001 (IGT)/ TorrigianiAglianico del Vulture Basilisco 2003 (DOC)/ BasiliscoL'Insieme 1997 (VDT)/ Mauro Molino「お店で出せる物を試してみる」がテーマだったので、低価格で、安定供給されるワインを集める予定でしたが、まあ、人数も集まるし、せっかくだから、リンシエーメなんかも開けたワケです。ちなみに、今回は、みなさん、ご存じのワインも多いので、全部ブラインドで飲みました。それから安定供給という事で、今回はリンクを貼りました。一応、みんな、楽天で買えますね。1本目は小売りで1000円程度。やはりシチリアのインソリアは安くて美味しいものが多いです。1800円ぐらい出せば、エトナ周辺で、コッタネーラとか、もっと美味しい物もありますが、この、ヴァッレ・デッラ・アカーテは1000円前後では、目立って美味しいです。2本目は、ご存じ、安旨ソアヴェ。この下のベースのソアヴェで十分という気もしますが、まあ、樽を使ったこっちの方が、一般受けしそうですし、これも、小売りで1800円ぐらい?。ビアンコでは、他に、「コンティ・ゼッカのマルヴァジーア・ビアンカ」や「リブランディのチロ・ビアンコ」や「セッラ・エ・モスカのヴェルメンティノ・ラ・カラ」や「コッタネーラのバルバッツァレ・ビアンコ」などを候補に入れました。3本目は、ヨーリオ。「神の雫」ですっかり有名になりましたが、これは、僕も大好きなモンテプルチャノ。1480円ってところでしょうか。4本目はトスカーナのサンジョヴ・ブレンド。このワインの安定供給は無理ですが、イメージしたのは「カステッロ・ディ・フォンテルトリのポッジオ・アッラ・バディオラ」です。2000円ぐらいで、樽の効いたサンジョヴェーゼ+メルローですね。悪くない凝縮感、滑らかなタンニン。メルローの飲み易さ。5本目は、実は、ピンチヒッターなんです。用意していた「ダンジェロのサクラビィーテ」が開けてみたらブショネで、バジリカータのアリアニコで、飲めそうなのは、このバジリスコだけでした。これは、予想通りの美味しさでしたが、値段的には、お店で出せませんし、安定供給も難しいです。ロッソでは、他に、「リブランディのチロ・ロッソ」や「ガロフォリのロッソ・コーネロ・ピアンカルダ」や「コッタネーラのバルバッツァレ・ロッソ」などを候補に入れました。こんな感じなら、日欧商事、モトックス、モンテ物産の大手3社のワインで、生産者も大きいですから、安定供給と、ついでに、価格も安定しているかなぁという感じなんですが...。白は「インソリア」と「ガルガーネガ」赤は「モンテプルチャノ」と「サンジョヴェーゼ」と「アリアニコ」と、まんべんなく、イタリアを感じさせる品種でまとめてみました、が、並べて、飲んでみると、あまりパッとしないんですよね~。まあ、ソアヴェとリンシエメのボトルがイマイチだったのもあるのですが...、なんとなく、参加したみなさんも「美味しかったなぁ~」という感じでは無かったような気がします。いつも、好いワイン飲んでるもんねぇ...みんな(笑)。でも、いろいろ、勉強になりました。家で、自分の料理で飲んでもらうと、また、違うんだけどなぁ...と思ったりもしますね。
2008.04.12
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エミリア・ロマーニャのDOC生産者は、イル・ヴェイ。1129さん、murata0728さん、と僕の3人の間で、今、流行っている生産者です(笑)。奥に写っているのは、同じく、コッリ・ピアチェンティニDOCで、グットゥリーニォ2006です。ボナルダは、一昨日、グットゥリーニォは、今、飲んでます。昼から(笑)。ただの酔っ払いですね。両方とも、微発泡しています。ボナルダの方が、還元臭が強く(と言っても、ほとんど気にならない程度。先日飲んだ、ピノ・グリージョよりもっと弱いです)より、土地のニュアンスを強く感じました。香りや、味わいがより複雑。グットゥリーニォは、清潔感のある果実の香りとあじわい。雑味がなくクリーンで、バルベーラの影響を強く感じます。とてもキレイな造り。ボナルダの方が、ミネラルを汲み上げ土地を体現するピノ・ネロやネッビオーロに近く、バルベーラは、やはり自己主張が強いということでしょうか。僕の、好みでは、断然、ボナルダに軍配があがりますが、評価誌や、資格を持っているワイン屋の店長さんや、普段フランスワインが多い方は、グットゥリーニォを推すんじゃないかな。「正解を求める」とグットゥリーニォです。まあ、なんだかんだ言って、2本ともとても美味しい。もっと買い足そうと思います。2003年版のエスプレッソ誌の「ヴィニ・ディタリア」のコッリ・ピアチェンティニ・グットゥリーニォの項を見ると、<生産される、実に90%が、「ヴィヴァチェ」と「フリッツァンテ」(微発泡ワインの名称)>と書かれています。この2本は、微発泡していましたが、この生産者の場合は、ボトル詰めのタイミングによって、発泡したり、しなかったりだそうです。日本では、コッリ・ピアチェンティニDOCは、あまり見かけませんし、この「イタリア微発泡ワイン」自体、ほとんど売っていませんからね。ミラノに代表される、ポー川流域の町のスーパーマーケットで売られているワインの主力商品は、オルトレポ・パヴェーゼDOCなどと並んで、これらのコッリ・ピアチェンティニDOCだったりします。そして<90%が微発泡>の記述が示す通り、微発泡があたりまえです。その地域の家庭の味に合わせて、消費者の選択した結果なのでしょうね。「地酒」なんて、大げさな事じゃなく、ただ「このあたりじゃ、みんなコレを飲んでるんだ」って事でしょうね。
2008.04.11
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ピエモンテのDOC、生産者はジョバンニ・カノニカです。アルコール度数表示が14.5%とあり、ヴィナイオータのワインという先入観と、過度の期待から、バローロ系の、有機溶媒系の、濃密で、力強く、揮発酸にあふれるバルベーラを想像して飲んだら、柔らかく、果実の豊かさにあふれた、健やかで、飲みやすい液体でした。そういえば、2000年のバローロも、素直な、自然な味わいだったよね。ちなみに、この事は、期待はずれなどではなく、むしろその逆で、美味しさに、身もだえるほど、液体が、総身に、染み渡りました。旨いです。僕の好みも変わって来ているのでしょうが、その変化は、今まで好きだった味わいに違和感があって、別の味わいを求めているのとは違って、味わう楽しみに幅が出て来たという感じでしょうか。いままでは、とにかくゴールに向かって、スペースに飛び出して、ディフェンダーの裏をへ飛び出して、ピンポイントで、パスを求めていた自分が、足下で、ボールをもらって、密集へ、飛び込んで「タメ」を作って、時間差で、飛び込んで来る2列目、3列目へ、ラストパスを供給出来るようになり、もちろん、自分からも積極的に撃っていく気迫にも変化は無い...という感じ。そのかわりに、もらうパスの質の高さへの欲求は高くなっている。そうなったら、もう一つ上のチーム、もしくは、リーグへの移籍が必要ですね。2日目は、より複雑なミネラルが感じられましたが、正直な話、一日目の、直球ど真ん中なバルベーラの魅力のほうが、上回りました。「バルベーラは時間がかかる」と考えだしてから、早く飲みきった方が美味しかったと感じたのも、初めての経験。価格的にも、カーゼ・コリーニの2003ヴィンテージの高騰ぶりと比較すると、本当に良心的。唯一の欠点は、数が少ない事ですね。僕は、もう一本、確保しましたが、もう市場には無いワインでしょうね。こんな、料理に合わせました。ジャガイモとレンコンをピーラーで薄くスライス。重ねて、重ねて、上から、アル・ボロニェーゼのパスタで使った残りのひき肉のソース(タマネギ、人参、シイタケと炒めて赤ワインで煮込み、トマトソースを加える)をかけてオーブンで焼きます。
2008.04.01
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エミリオ・ロマーニャのDOC、生産者はイル・ヴェイ。果皮の赤みを帯びて、ピンク色の液体のピノ・グリージョ。ボトル詰めのタイミングによっては微発泡している事もあるらしい。これは微発泡していないボトル。ちょっと残念(笑)。やや還元臭が感じられますが、まあ気にならない程度。白い花の香り。白桃の香り。熟成したアミノ酸の香り(プロシュットとかアンチョビとか?)塩気、ザクロ、柴漬け、梅酢.,.柔らかな酸味とタンニン。時間をかけると、どんどん変化します。旨いですよ~これ。ビアンコの「コッリ・ピアチェンティニ オルトルーゴ DOC」は、まあ、普通のビアンコ。自然派。酸が強い。ミネラリー。ふ~ん。という感じでしたが、このピノ・グリージョはいいです。3本追加しました(笑)。同様のピンクのピノ・グリージョでは、フリウリの生産者で「ロンコ・セヴェロ」のピノ・グリージョをとても気に入っていて、何本かキープしてます。洗練された旨さでは「ロンコ・セヴェロ」ですが、こっちのイル・ヴェイのワインは、料理との相性がとても良さそう。いわゆる「料理の付け入るスキのあるワイン」ですね。ちなみに、合わせたのは、これです。ミラノのサラーメです。旨い。めちゃめちゃ合います。でも、食卓に出した瞬間に、子供たちに、ほとんど食べられてしまったので、お父さんは2、3枚しか食べられませんでした(笑)。まだ飲んでいませんが、同じ生産者の、グットゥリーニォDOCと、ボナルダDOCも楽しみです。ところで、これもヴィナイオータのワイン。やられっぱなしですね。
2008.03.31
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お姉ちゃんの、かねてからの希望で、東京タワーへ、ついでに、季節も良いので、増上寺のお花見もしてきました。「おでんくん」などで見聞きしていたと思っていましたが、お姉ちゃんの東京タワーイメージは、どちらかと言えばモノクロで、「マドレーヌ」の絵本で見た「エッフェル塔」だったようで、「赤い塔」が目の前に現れた時は、なんとなく、がっかりしているみたいでした。僕は、たぶん、小学生以来なので、30年ぶり...というかそれ以上ですね。ところで、新しい東京タワーの完成と地デジへの完全移行の後は、この、現在の「東京タワー」は取り壊しになるって本当ですか? タワーの印象に比べたら、増上寺の桜は、たいそう、気に入った様子でした。桜は、やっぱり、和の景観と相性がいいですね。瓦の大屋根を背景にした、まだ、八分ていどでしたが、春めいた空気を呼吸しながら、桜をめでるひとときは、気持ちがふんわりと和む思いでした。展望台は、混んでいました。春休みの土曜日ですもんね。それに、今は、「東京タワーブームなのかな?』 若いカップルも多いです。高いところから、景観を楽しむには、知っている建物や施設が無いと、つまらないですよね。大人は、まあ、それなりに、楽しめたのですが、お姉ちゃんは、ここでも、消化不良気味。でも、250メートルの特別展望台まで上って、テレビタイプの望遠鏡で、シンデレラ城をとらえた時には、親子でガッツッポーズがでました。ははは。本人は、イッツァ・スモール・ワールドは、小さいから、見えないよねぇ、なんて言ってましたが...。可愛いね。
2008.03.29
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マルケのDOC、生産者はチウ チウです。ペコリーノ、パッセリーノ、トレッビアーノのブレンド。マルケの白と言うとヴェルディッキォが有名ですが、ファレリオ・デイ・コッリ・アスコラーニDOCを生み出すゾーンは、それより南の、アブルツォと境を接するアスコリ・ピチェーノを中心としたテリトリオになります。それゆえ、品種もペコリーノやトレッビアーノなど一般的にアブルッツォ産として知られる葡萄が使われていますね。抜栓したて、特に温度が低い場合は、エグミが強く感じられ、しかもアルコール臭がしちゃったりなんかして(広川太一郎さんのご冥福をお祈りします)ありがちな、安い白ワインかと思いましたが、時間が経って果実が出て来ると、キチンとバランスがとれて、柔和ながら、爽やかで、気持ちのよい酸の伸びも良く、食事をしながらだと、スイスイと飲めてしまいます。品種の特質か、土地がらなのかは不明ですが、ペコリーノはクリーミーでまろやかなワインが出来る印象があります。なかなか美味しいので、普段のみに、追加で注文しました。今日は、かみさんが、子供たちをつれて義父母のところへ遊びに行っているで、静かです。これで、仕事がなければもっと良いんですが...。ファレリオに合わせて、珍しく、タンパク質多めのパスタを食べました。と言っても、タコ、エビ、ホタテのひも、なんですが...。くだいたレンコン、分葱、ブラックオリーブ、カッペリが入ってます。
2008.03.09
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トスカーナのDOC、生産者はポデレ・サン・ジュゼッペ。というワケで、一昨日から、モンタルチーノ飲んでます。ロッソながら結構なお値段なんです。サルビオーニのロッソと同じぐらい。でも、美味しいです。「ブルネッロだよ」と言って出されたら「これは、良いブルネッロだね~」と言いかねない。みっちりと凝縮されてますが、チョコレートが温かみで溶けるように、口の中ですぐに固さがほぐれていきます。濃いんだけど、シリアスで、緊張感があるんだけど、ちゃんと親しみやすさや分かり易さを兼ね備えている。ものすごく頭の良い人のテキストって、読んでいて頭がフリーズしそうなくらい、高度なOSを使った複雑な言語で書かれていると感じるんですが、そんな「超人のお言葉」でも「対話集」のようなものだと、ス~っと頭に入ってきます。文語と口語の違いですかね。そんな感じです。タンニンは「細やか」というよりは「和やか」系、「キレイ」な酸というよりは「日向ぼっこ」みたいな酸なので、たぶん、評価誌では高得点は望めないかもしれませんが、液体の質と全体のほのぼのとしたバランスが僕好みです。なのに、濃くて、味わい深い。なんだか、ルカ・ダットーマのワインを思い出します。「ラ・カッペラ」とかね。実際、このカンティナも葡萄栽培はアグリコルトゥラ・ビオロジカだったりします。今の季節だと、チーズがたっぷりのアスパラのリゾットなんかに合いそうです。
2008.03.07
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ここ数日は、春らしい陽気になって来ましたね。なんだか、慌ただしくて、更新出来ませんが、ワインは、いろいろと、飲んでます。玄関先のローズマリーの花が咲いてます。春ですね。ローズマリーと言うと、モンタルチーノを思い出します。ちょうど3月ごろに、訪れたような...ローズマリーがあちこちで、満開でした。懐かしいので、タイトルのバックグラウンドの画像をモンタルチーノに変えました。ロッカを背景に従えたローズマリーです。
2008.03.05
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23日、土曜日は、恒例のヴィノ・デッラ・パーチェのワイン会でした。Kumacyujiさん、Fujikomaruさん、フェイさん、ノラキチの妻さん、ごるべらさん、そしてCOMESTAIの6名です。今回は、前回の「アルターレ大会」に気を良くしたメンバーが「ラリージが飲みたいなぁ」な~んて事で、内藤さんにお願いしたリスト。ずらりとモダンバルベーラが並びました。泡とビアンコは、ネッビオーロ大会の時と同じです。泡のヴィンテージが1996→1997に変わりました。この2本は、内藤さんのお気に入りですね。写真は左から右、上から下の順です。1本目。ピエモンテ・スプマンテ・ブリュット ラ・ベルナルディーナ1997。生産者はチェレット。これは、去年の我が家の、クリスマスパーティで飲んだ泡と同じです。まあ、エレガントや品位はフランチャコルタに譲るとして、リッチで濃厚なシャルドネ。僕もお気に入りの1本です。2本目。ランゲ・ビアンコ2003。生産者はG.D.ヴァイラ。バローロ造り手ですが、僕にとっては、バルベーラやドルチェットの名手。リースリング100%。前回、パーチェで飲んだのが、2006年の10月。その時の印象と比べると、グッと石油香が増した気がするのですが、それ以上に、果実の豊かさや酸(本当にキレイな酸!)が充実した印象で、安定感が増して、とても美味しい。3本目。バルベラ・ダルバ・スーペリオーレ ラ・ロジーナ2005。生産者はエルバルーナ。これは初めて飲んだバルベーラ。「ずらりとモダン・バルベーラが...」なんて書きましたが、これは、7.5hlの大樽で醸されるので、モダンとは言えないね。しかも、戦前からあるカンティナらしい。青いブルーベーリーやミントの爽快感、時間とともに赤い果実、若く、健やかなバルベーラ。豊かなミネラルに将来性も感じます。ラ・モッラの生産者。という事は、同じラ・モッラの「ラリージ」を意識しての選択か!?4本目。バルベーラ・ダスティ トレ・ヴィニェ 2001。生産者はヴィエッティ。ヴィエッティは、トレ・ヴィニェ(3つの畑)という名前で、バルベーラ・ダスティとバルベーラ・ダルバ、両方のDOCで、ワインをリリースしています。彼らのベースのバルベーラ。バルベーラ・ダルバを大樽で仕込んでいるのに対して、このバルベーラ・ダスティは小樽を使っています。僕の2001年の印象通り、やや固めの体躯、煮詰めたような凝縮感。アスティ地区のバルベーラは酸が柔らかとは言いますが、これでは、ちょっと物足りないかなぁ。果実の豊かさや酸の旨さではなく、あくまで凝縮感で飲ませる印象。強く感じる鉄分や樽が、やや気になります。5本目。バルベーラ・ダスティ アイ・スーマ2001。生産者はブライダ。ご存知、モダン・バルベーラの代名詞です。こちらは、うって変わって柔らかい印象。僕は「ビゴッタ」「ウッチェッローネ」などと比べても、早くから美味しく飲めると思っているんですが...。柑橘系のジャムや腐葉土、チョコレートなどの「ブライダ香」がたまりません(笑)。粘度のある液体は旨味のとけ込んだアルコールでテラテラしてますが、すいすい飲めちゃいます。6本目。ランゲ・ロッソ ラリージ2000。生産者は、E.アルターレ。旨い。透明感のある高貴な液体。ふくよかではあるが、きめ細かく、キュっと目の詰まった果実。上品な酸。滑るようなタンニン。最初に飲んだエルバルーナとは、年のはなれた双子のように、似ているけれどあり得ない存在でしょうか。それぐらい、エルバルーナのバルベーラは、ラ・モッラのエレガントを「自分のモノ」にしている印象がありました。7本目。ピエモンテ・ブラケット2004。生産者はピエロ・ガッティ。微発泡の優しい液体。柔らかな甘さ。ブラケット・ダックイDOCGはいくつか飲んだ事がありますが、コレは美味しいです。アックイ・テルメに近い、サント・ステーファノ・ベルボの生産者。ピエモンテ・ブラケットDOCという規格もあるのですね。今回のバルベーラは、全て、ワイン単体で十分楽しめる、素晴らしいワインばかりでした。見方を変えると、酸が低めでどちらかというと凝縮感で飲ませるタイプ。しかし、やはりバルベーラは料理と共に飲みたいワイン。内藤さんは「みなさん料理が運ばれるとワインの減りが早いですね」と言ってましたが、今回の「減り」の真犯人は「料理」だったと思います。いつもに増して、今回のマリアージュは、それは、素晴らしかったと思います。モルタデッラとスプマンテ、オイルをたっぷり使ってカリッと焼いた穴子とリースリング、エスカルゴの土臭さにミネラルや鉄分が豊富なバルベーラ、煮込んだ鹿肉に遅摘みで濃厚なアイ・スーマ、焼いたレアな馬肉にエレガントなラリージ、お米を使ったドルチェにブラケット...いや~美味しかったです。ワインは、というか、バルベーラに関しては、僕の趣向のベクトルが、もう少し酸っぱくて、どこか洗練されていない面を持っているものに向いている事に、改めて気づかされました。「ワインは、どこか隙がある方が魅力的だ。料理のつけいる隙が」。これも、内藤さんの言葉だったと思います。人間も同じですね。どこか、欠陥があるぐらいが、魅力的!すてきな時間を、共有することの出来たみなさん。ありがとうございました。また、飲みましょう。
2008.02.23
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ロンバルディアのDOC、生産者はレ・フラッチェ。先日、夕ご飯の日記で写真だけ登場したオルトレポ・パヴェーゼです。クロアティーナ、バルベーラ、ピノ・ネロのブレンド。木製の樽は「一切使わず」(裏書きに<non e` stato passato in tipo di botte>とあり、使ってないことを強調しています)葡萄の本来の香りと味わいを大切にしたとの事です。美味しいです。成功してます。まず、大樽でじっくり熟成したような複雑さが出ています。バルバカルロの登場ですっかり有名(!)になった葡萄品種クロアティーナがとても明快に中心に鎮座しています。次に、ピノ・ネロが良いんです。冷涼な酸と複雑な香りと味わい。僕の苦手な、薬草っぽい、青臭いニュアンスは皆無。バルベーラが、それを、中和させているのでしょうか。そして、ストラクチャを形成するクロアティーナとの良い触媒としも、バルベーラは、作用している気がします。4年ぐらい前に、この作り手の「レナーノ」というリースリングを飲んで、とても美味しかった記憶があります。値段は1000円程度なのですが、とても透明感があり、果実とミネラルのバランスの良いビアンコでした。今は、売ってませんね~。このテリトリオでは、意外にもリースリングが比較的多く栽培されていて、日本でも、「イシンバルダ」の「ヴィニャ・マルティナ」など(これはちょっとイマイチな印象)が売られていますね。オルトレポ・パヴェーゼDOCは、ミラノ辺りでは、もっとも、飲まれていると思われる、とても大きなDOCなので、日本にももっと入って来れば良いのになぁと、いつも思います。
2008.02.21
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久しぶりに更新。なんだか食べ物ブログっぽくなってますねぇ。え~、たまには夕ご飯をアップしようと...。作りながら撮ってましたので、荒っぽいですが...ヤリイカが安かったのでまずはカルパッチヨです。これは美味しそうに撮るのが難しいなぁ。で、「げそ」はアル・フォルノですね。これは、定番です。子供たちが大好き。 今日、届いたので、プロシュットも。フードスライサーがあるので、ブロックで買ってます。当然、切りたてです。はっきり言って「アホ」です。でも、美味しいよ。山盛りで食べられる幸せ(笑)。 ワインはこんな感じ。プロシュットを切ったので、オルトレポ・パヴェーゼも開けました。意外に、真ん中の、マルケのビアンコが美味しい。これは、買い足そう。
2008.02.20
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ピエモンテのDOC、生産者はブルーノ・ジャコーザ。やっぱり美味しい。年明けから、バルベーラを、いろいろと飲みましたが...一番です。値段も一番ですが(笑)。若いヴィンテージ、しかも暑かった2003年らしい芳醇な果実、でありながら、過熟な暑苦しさは皆無。冷涼な酸と心地よい濃さ...この濃さって、煮詰めたような凝縮感と違う、さらりとしているのに、密度感があって...マッサヴェッキアのワインにも同じような質感がありますね。香りとか、味わい以前に、液体が気持ちいい感じです。ブルーベリーやミントが香りの中心。かすかにカカオやチョコレート...。そして大樽のニュアンス。マスカレッロのバルベーラなどにも感じられますが、ジャコーザのそれは、おふくろの味です。ピエモンテの伝統的な造り手で、僕が最初に洗礼を受けたのが、このブルーノ・ジャコーザなんですね。だから、もちろん気持ちの問題です(笑)。イタリアワインしか飲まない「きっかけ」を作ってくれた生産者の一人。このバルベーラは、「ファッレット・ディ・セッラルンガ・ダルバ=Falletto di Serralunga d'Alba」という畑名のついたボトルです。バローロDOCGの畑ですが、セッラルンガ・ダルバらしい、パワーやタンニンの強烈さは、濃いミネラルからは想像出来ますが、液体自体は、柔和で愛想が良く、豊満で、カスティリォーネのようです。畑名の無いバルベーラは、もう少し安くて、最近は、飲んでませんが、ここまでのポテンシャルは感じたことが無いです。少し奮発しても、こっちを飲む事をおすすめします。同じ値段の、並のバローロより、ファンタジーを感じること間違い無しです。
2008.02.12
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今日も、仕事です。かみさんは娘のバレエの稽古へ。下の娘も連れていったので、昼は僕ひとりで。菜の花のリングィネです。昨日のファルファッレにも使いましたが、バラ肉は「塩をして」1週間ぐらいのやつです。あ~、真空パックマシン欲しいなぁ(笑)。熟成させた方が旨いよね、やっぱり。ワインは、トスカーナのキァンティ地区のサンジョヴェーゼ(IGT)飲んでます。若々しくて(2005)旨いよぉ。
2008.02.11
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今日は、少し、暖かいです。雪がみるみる溶けています。昼ご飯です。左はトマトソース、右はブラックオリーブ、レンコン、豚バラ肉。子供が喜ぶので、ファルファッレです。ワインは、こんな感じです。ビアンコは「ヴェルディッキォ・デイ・カステッリ・ディ・イエズィ・クラッシコ・スーペリオーレ2003」。マルケのDOC、生産者はブッチ。ミネラリーですが、青草やハーブがクドく無いヴェルディッキォ。やっぱり、このぐらいの方が良いなぁ。近頃人気の生産者の、濃いヴェルディッキォに、ちょっと閉口気味のCOMESTAIです。ロッソは「ピアン・ディ・ノヴァ2005」。トスカーナのIGT、生産者はイル・ボッロ。以前に、2003を飲んで、ブログにも書いてます。それほど悪く無いと書いた記憶がありますが、やっぱり美味しいです。シラーとサンジョヴェーゼだったと思います。ビアンコはオークションで格安で落札、ロッソは他に欲しい物があって買った、お得なワインセットに入っていたワイン。単体で上代だったら、絶対に買わないかもしれませんが...かなり楽しめました。
2008.02.10
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ピエモンテのDOC、生産者はブライダです。お気に入りリンクを戴いているmurata0728さんから、ビゴッタの1990を飲みませんか? というお誘いを戴き、いつもの四谷三丁目「La Vita」へ持ち込んで、飲んできました。僕が、持ち込んだのは、ヴィエッティのバルバレスコ1994です。ビゴッタは「さすが1990年」という趣の果実が未だに芳醇さを失っていません。柑橘系のジャムや、チョコレートなど、熟したバルベーラの魅力がいっぱいの一本。柔らかな酸は、アスティ地区の賜物とはいえ、このぐらい、果実が立派だと、やや物足りない気もしますが、良い意味でアルコールのボリュームを感じる(果実の厚みの成せる技か)事が出来るせいか、ぼやけた印象はありません。ヴィエッティが畑名「マッセリア」の表示の無いバルバレスコを造っていたとは知りませんでした。僕には相性の良い1994年ですが、ワインとしては、ピークを過ぎた印象でした。ただし「これでも美味しいからネッビオーロは難しい」とはmurata0728さんのお言葉。しかり、単体で、しかも、バルバレスコだよとワイン好きに進めたら、とても、不満の残る一本かもしれませんが、食事とともに、のんびり、しみじみ味わうと、程よく柔らかな酸や、痩せても枯れても、キレイなタンニン&バランスよいボディや時間とともに移り変わる香りなど、悪い要素は、どこにも無いです。ビゴッタもそうですが、イタリアワインは、基本的に、「この規定のワインは◯◯な味わいや香りを持っていなければ点数が低い」という、オリンピッック種目で言うと「シンクロナイズドスイミング」や「フィギアスケート」などのような減点法的基準で醸造されたり味わわれたりしていない分、飲む側の脳は、かなり寛容に、ワインの演技を受け止めているような気がしてなりません。したがって「ワインの良いところを見つけてあげる」というmurata0728さんのおっしゃる通り、実は、重要なのは「飲み手の心づもり」だったりもするのですが...。昨日の2本の場合、始めから「偉大なもの」を求めたりしていませんし、ある意味では「予想通りの美味しいワイン」だった...ということになります。ビゴッタは18年、バルバレスコは14年。この「こころを癒す味わい」は、計算したって、出せる物ではないのですから...。というわけで、murata0728さんと飲む、ビゴッタ1990は、バルベーラ好きには、たまらない一本でした。ありがとうございました。また、機会があれば、飲みましょうね。
2008.02.09
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シチリアのIGT、生産者はプラネタ。僕の好きなアーティストで「ジョヴァノッティ」という、とてもファンキーなイタリア人ラッパーの曲に「Stella Cometa=ステッラ・コメータ」というのがあります。さびの歌詞で ~Io re magio tu Stella cometa~ (=イオ・レ・マジォ トゥ・ステッラ・コメータ)と繰り返されるのですが、これは、宗教絵画の主題としてもよく取り上げられる「Adorazione dei Mngi=アドラツィオーネ・デイ・マジ」、日本語では東方三博士の礼拝と訳される、聖書の物語からの引用です。ユダヤ王の命を受けた東方の三博士が「星に導かれて」幼児イエスのもとへたどり着くというくだりで、ジョバノッティの歌では、愛する女をその「星」に、自分を「東方の博士」にたとえて、自分を導いておくれ....なんたらかんたら....というラブソングです。で、うちの娘の幼稚園は、母体が教会(プロテスタント)なので、このあたり、かなり熱心で、クリスマスには、必ず、イエス降誕の劇をやります。昨年、娘は、この「ステッラ・コメータ」をやりました。頭に星着けて踊ったワケですね(微笑み)。来年は、マリアをやったらどうかと「バカ父」は思うわけですが、本人は、受胎告知する天使がいいらしいです。話が大きくそれましたが、コメータです。カンパーニャのアヴェッリーノに特徴的な品種「フィアーノ」を使って、ステンレスタンクで仕上げてます。想像通りとてもミネラリーで、ステンレスと思えないほど複雑で奥深い味わい。でも、やっぱり、思い出すのは、フィアーノというより、カリカンテとかインツォリアだなぁ。酸の質でしょうか。カンパーニャの僕のイメージはレモンなんです。かなりクリアーで、上品に出来ていても、南国のフルーツなんですね。逆に、良くできたシチリアの方が、とても美しく冷ややかな酸を感じたりします。このコメータもそうです。何度も飲むうちに「シチリアのフィアーノ」とういうイメージは涌いてきそうですが、現状は「美味しいシチリアの白ワイン」で、品種は? という感じで、フィアーノを使った必然性は、導き出されて来ない気がします。はたして、彼らは、幼児イエスにたどり着けるのでしょうか?
2008.02.06
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今日は、本当に、よく降りました。家族全員、なんの予定も無かったので、朝、起きるまで、雪とは知りませんでした。午後に、お姉ちゃんと、雪遊び&雪かきでした。雪だるまを造っても、まだ、雪がたくさん余ったので、滑り台を造りました。予想を上回る出来。よくすべる。よくすべる。さっき、お姉ちゃんには、絵本とグリム童話を読んであげて、寝かしつけて来ました。眠りに落ちる、直前に、独り言みたいに、「今日は、いろんな事、したなぁ」とつぶやきました。「プリキュア」の新シリーズが始まりました。ママと沢山折り紙をしました。雪だるまを作りました。滑り台を作りました。節分の豆まきをしました。本当は、雪合戦がやりたかったらしいです。妹が、もう少し、大きくなったら、2チームに分かれてやる約束をしました(笑)。妹は、近頃、おしゃべりが、上手になってきました。「ダッコッテ」=だっこして「イタイ」=~したいの総称「ケッテ」=開けて「キッテ」=来て、キティ「モッテ~」=コレをもってて「オアイ」=怖い「ウマイ」=美味しい「コレイイ」=これが良い、ここが良い、「コイー」=コニー(僕の事です)「ヤ~ダ」=いやだ「タータン」=ノンタン「イエ~」=イエ~「ヤッホ~」=ヤッホ~解る範囲では、こんな感じ。もちろん意味不明言語をぺらぺら喋ってます。お転婆で、目が離せません。お姉ちゃんが、大人しくて「品行方正な幼児」だったので、子供がこんなに手がかかるとは知りませんでした(笑)。
2008.02.03
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トレンティーノのIGT、生産者はポイエール・エ・サンドリ。たまには良いビアンコを...と思って開けました。シャルドネとピノ・ビアンコをオークの小樽で熟成。期待以上でも以下でもありませんでした。ひとごこちついた頃合いの2001年の割には「まとまりが無い感じでした。ここのワインは、エティケッタが、みんな、素敵ですね。ロッソ・フェイエは「うさぎ」なので、近々飲む予定。お姉ちゃんは、「うさぎ」が大好きなもので~。
2008.02.02
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アルト・アディジェのDOC、生産者はヨゼフ・マイヤー。とても濃いワイン。素晴らしい、凝縮感、隆々たる骨格。しかし、飲んだ印象は、すっきりとしている。想像以上に柔らかく感じます。加えて、芳醇な果実がたいへんな説得力を持っています。しかも両者のバランスが良く、膨大な果実にものみ疲れしない。なんとも、贅沢なワイン。ちなみに、サンタ・マッダレーナの生産者組合の『タベール」というラグレインは、4000円弱ぐらいで買えますが、チョコレートドリンクみたいで、どうもワインを飲んでる気がしません。1杯で、飲み飽きてしまいます。逆に、ヨーゼフ・マイヤーは、5000円という価格設定でも、コストパフォーマンスが高いと感じます。ただし、個人的には、ラグレインは、5000円出して、ここまで凄いワインじゃなくても、良いと感じてしまいます。ミネラリーで、美しい酸を持つ、ロゼのような、ラグレインが飲みたい。子牛肉やスペック、乳製品を使った料理に良く合います。幸い、ヨゼフ・マイヤーでは、「クレッツァー」という、同様のラグレインを造っています。未飲ですが、是非、飲んでみたいですね。
2008.02.02
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ピエモンテのDOC、生産者はヴァラルドです。今日は、かみさんが、上の娘の幼稚園の参観日へ出かけてしまったので、下の娘と二人で留守番でした。天気がよいので、昼は、玄関先でピクニックしました。娘は、好物の「中華ちまき」とフルーツマフィンとビスケットなど、僕は、ドライトマト、オリーブ、パルミッジャーノなど。昨日から開いてるフォントディのキァンティが、早々に空いてしまったので、バルベーラを開けました。バルバレスコの生産者です。いまさらですが、やっぱり、1997のバルベーラは美味しいです。ネッビオーロが良いとされる1996や1999や2001などのシリアスな年よりも「果実が豊かな、ネッビオーロにとって谷間の年のほうがバルベーラは良いよ」と知人に指摘され「ふ~ん」と思っていたわけですが、意識して飲むと、確かに、そのような...。娘は、香りだけかいでました。今日のは、気に入っていたようですが、飲むのは、プーのマグで、アップルジュースです。
2008.01.30
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トスカーナのDOCG、生産者はファットリア・ポッジョピアーノ。実は、昨年の暮れに同じキァンティ・クラッシコの2004を飲んだら...すごく美味しい。これはもっと買い足さなきゃ! と思って、買ったお店(楽天に出店していない)に急いで追加の注文をしたらすでに完売。輸入元のモトックスにももう在庫が無い。楽天で検索すると、あるにはあるけど、2000円以上する! ちょっと高いなぁ。完売した、その馴染みのお店では税込み1730円。あ~、もっと早く飲んでおけば良かった...。というワケで、その後見つけたバックビンテージを購入。それがこの2001なんですが...固いなぁ...タンニンもクドい感じです。トスカーナの2004年は、近年のヴインテージで言うと1997に似ている気がします。最初は良年という事で、長熟な酸とタンニンを想像して若いうちは「固い」と思い込んでいましたが、果実は想像以上に柔らかく芳醇、確かに酸もタンニンも上質で成熟は明らかに長寿ではあるけれども、現時点で果実とのバランスもよく、今、本当に美味しく飲めるワインが沢山あります。2001年は、1995年に似ているでしょうか。リリース後4~5年は「あれっ」と思うほど手応えが無い。タンニンも荒削りで、酸の質は高いけれど、バランスが悪く、果実が出てこない。先日の「サリクッティのロッソ2001」などは、悪く言いましたが、まさにそんな感じです。そして、このキァンティも。ただし、1995年の経験からすると、本当に良い物は、後からスゴい事になったりします(笑)。やっぱり2001年は、もう、開けるのやめとこう。
2008.01.27
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ピエモンテのDOC、生産者はラ・スピネッタ。現在も、そして、元詰め当初からあるバルベーラ。僕が、ワインを飲み始めた頃から飲んでいる、けっこう、思い入れのあるバルベーラです(ファースト・ヴィンテージは1985らしい)。近年、ピエモンテは、難しい年が続いて、バルベーラを敬遠していた事もあって、実際、2002年、2003年と、瓶詰めを見合わせた生産者もいたりして、2004年ヴィンテージを待ちこがれていた部分が大きいのですが、先日飲んだ、この、カ・ディ・ピアンの2004ヴィンテージは、はっきり言って、期待はずれの出来でした。期待はずれと言っても、「美味しく無い」というワケではなく、ワインとしては、価格に見合った、またそれ以上の品質であったと思います。ただ、僕の体に染み付いている「カ・ディ・ピアン」の記憶と、それに対する思いのような物が、裏切られたという事でしょうか。彼らの造るバルベーラには、もう一つ「ガッリーナ」という畑のバルベーラ・ダルバがあります。1996年から造られているこのバルベーラは、バリックで熟成される、骨太で、力強く、香り高いワイン。その後、有名なバルベーラ・ダスティ・スーペリオーレの生産が始まり、そして、ビオンゾへとつながるわけですが、これらのスピネッタ流の強い凝縮感を持つ「極めて頑丈な骨格で建造された果実の火薬庫」のようなバルバレスコに追従するバルベーラに比べて「カ・デイ・ピアン」だけは、昔ながらの栗の大樽で熟成されたような、どこか、野暮ったくも、バルベーラの性格を色濃く再現した、素晴らしい安旨ワインだったのですが...。2004年の「カ・ディ・ピアン」は明らかに、バリックによる過度な影響を受け、本来の姿を見失っているように思えました。少なくとも、ブラインドで飲んだら、抜栓から2日ぐらいたたないと、バルベーラのワインとは、思えないでしょう。意地悪な言い方をすれば「あれだけバルバレスコやビオンゾで新樽をバンバン使えば、2年落ち、3年落ちの樽をカ・ディ・ピアンに使わないのは損というもの」なんでしょうか?さて、1996です。コルクの太り具合から見ると、保存状態はあまり良く無かったみたいですが...それでも、熟成したバルベーラの、ミントや、セージ系のハーブの香りがします。1996にしては、熟成が進んでいる気がしますが、今は「酸の時代」を向かえているようで、ジューシーで旨味がいっぱいに載った揮発酸が、柔らかな液体に溶け込んで「バルベーラを飲んでいる気」にさせてくれます。記録によると、2004年の前は、2000年の「カ・ディ・ピアン」を飲んでいるみたい。いったい、いつから「カ・ディ・ピアン」は骨太系に変わったのか? そんなに最近ではないはずだと思いますから、2000年(もちろん既にバリック熟成でした)から2004年の間にも、なにがしかの変化があったのじゃないかなぁ...と思います。もちろん、飲み手の僕にも変化があったでしょうが...。
2008.01.26
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トスカーナのDOC、生産者はポデレ・サリクッティ。気鋭の造り手ながら、既に、高い評価を得ています。葡萄栽培に関しては「アグリコルトゥラ・ビオロジカ」な生産者。確か1998のブルネッロを飲んで、日記を書いた記憶があります(笑)。人ごとみたい。あまり強い印象が無いなぁ。このロッソは、一昨日の夕飯時と昨日の昼飯時に飲みました。大樽で仕込むブルネッロに対して、2001年のロッソは、バリックを使用して、熟成を早めています。にも関わらず、市場に出て3~4年経過した現時点に於いても、収斂性の強いタンニンとギュ~っと凝縮したままの果実がワインを支配しています。2日目も特に変化はなし。サリクッティという造り手に関して、率直な感想を言わせてもらえば、ブルネッロの1997ヴィンテージで英語圏の有名テイスターのお墨付きをもらった事で、一躍脚光を浴びたようですが、やはり、見かけ倒しの印象が拭えません。おそらく、ブルネッロ1997は、大層なワインだったのかもしれませんが(飲んでいないので解りません)、他を飲む限り「凡庸」な造り手と考えざるを得ません。ブルネッロは、数本寝かせていますので、今後の熟成に期待します。
2008.01.25
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仕事が一段落したので、昼は、僕が作りました。奥が、ほうれん草とブロッコリのファルファッレ。手前は、夕べの残り物で、豚肩肉と一緒に、タマネギ、ニンジン、レンコン、ゴボウ、キャベツ、ひよこ豆を煮込んだものです。こっっちも、僕が煮ました。一緒に飲んだワインは、後ほど、時間があればアップします。今日は風が強いですが、良いお天気で、昨日、雪が降ったことが、白昼夢か何かに感じられます。雪の中、娘の幼稚園のお向かいへ行って、急いで帰って来た後、朝に約束した、雪だるま作りをしました。気温が上がってしまって、ドロドロの雪でしたが、なんとか、サッカーボールをふたつ重ねたぐらいのヤツを作りました。半分ぐらいのサイズまで、溶けてしまいましたが、昨日の雪が幻では無かった証拠に、デッキの上で、こっちを見ています。
2008.01.24
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ピエモンテのDOC、生産者はコルデロ・ディ・モンテツェモロ。ラ・モッラのバローロ生産者です。というか手広く、やってますね。「モンファッレットとガッテラ」という畑は、他で見かけないので、彼らが、そのモノポリスタかもしれません。ちなみに、暮れに「普通のバローロ1993」を飲んだのですが、まだ、タンニンがこなれていなくて、果実も引っ込んだまま出てきませんでした。1993は、どうも相性が良く無いです。さて、バルベーラです。これもモンファッレトの畑のバルベーラを使っています。一昨年の6月に同じワインを飲んでます。日記は、けっこうボロクソに書いてますね。実際、きつすぎる樽や、正体不明の「干し葡萄」のような煮詰まった果実や、飲み疲れるほど、液体は濃いのに、スカスカな構造など、酷いワインだなぁ...と、同じ時期にこのワインを飲んでいた、ワイン会仲間のY氏と話したような気がします。派手な割に中身が無い感じ。そして、2年近い時を経て、変わりました、美味しいです。それもかなり...。たとえて言うなら、久しぶりに街で会った学生時代の同級生の女の子のあまりの変わり様に驚いてしまった感じです。もちろん「とてもナイーブで目立たないタイプのコが、メイクも服装も派手になっていて驚いた」と言うのとは逆で、「落ち着きが無く、派手好きで、合うたびに、違う男の腕にぶら下がっていたコが、ゆったりと、肩の力の抜けたコーディネートで、メイクも自然な感じになって、優しそうな表情を浮かべているので驚いた」と言う感じ。やっといい男に巡り会えたのかな。おまけに、話してみたら「COMESTAIの事が好きだった時期もあったんだよ」な~~んて言われたりして。おいおい、その時に言ってくれよ~と思いながらも、やっと、男のコの前でも、素直に気持ちを表現できるようになったんだなぁ、と妙に感心したりして「残念だなぁ、いまの彼氏がうらやましいなぁ~」なんて、訳の分からないリアクションをとってしまう...。そんな感じに似ています。アンバランスに大柄なバリックのニュアンスや、過熟気味の干しぶどうの様な果実が丸くなり、押し込められていた酸がのびのびと全体をまとめ上げ、力強く、かつ芳醇でありながら、液体自体はとてもナチュラルな健全な質感を持って、口の中を、喉を、幸せな感情に導いてくれます。あ~、2本と言わず、もうちょっと買って置けば良かった。こんなそぶりを、一昨年の6月に飲んだときにも、見せてくれたら...買い足していたのに...。
2008.01.24
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16日は「蟲の会」の新年会でした。今回は、大阪からVIPを招いた5人です。Fujikomaruさん、Kumacyujiさん、フェイさん、COMESTAI、そして、ゲストはKaoritalyさんです。会場はいつもと趣向を変えて、フェイさんの縄張りの和食屋さんへ。ワイングラスとワインを持ち込んで、見事に、酔っぱらいました。東急池上線「旗の台」の「さんびき」さんは、フェイさんのブログでは、お馴染みの「旨いもの屋」です。飲んだワインは...今回は、料理の写真もアップしようかなぁ~でも、撮影は「フェイさん」です。ありがとうございます。さて、先に、到着した男3人でぼちぼち始めました。1本目は「カーゼ・コステ・ピアーネ」のプロセッコ。これが一皿目の「白和え」にぴったり! さい先良いですね。全員集合して、2本目、サン・ミケーレ・アッピアーノの「サンクトヴァレンティン・ピノ・ビアンコ2004」も旨いです。お造りに合わせました。マグロ、真子ガレイ昆布〆、コハダ、アジ、スミイカです。ピノ・ビアンコは、生魚に合いますね~。お野菜も、出汁が含めてあって美味しいです。昆布のミネラルとミネラル感溢れるビアンコのマリアージュは絶品。もう一つ素晴らしかったのが、筍の丸焼きとの相性です。こういう「地面に埋まっている」ものは合いますね。野生のアスパラとか、これから出てくる山菜とかにピノ・ビアンコはぴったりでしょう。3本目、E.アルターレの「ランゲ・ネッビオーロ2006」。これは、Kaoritalyさんが、先日のイタリア旅行の際に、ハンドキャリーしたもの。2006は、アルボリーナ(畑ですね)が雹の被害に遭い、ランゲ、バローロ共に造られなかったらしいのです。そしてこのランゲは、その格落ちらしい...という、まだ、日本では(たぶん)売っていない貴重な一本。当日の朝の抜栓。色がキレイ。キラキラ輝く、ややマゼンタがかったガーネット。間違いなく、まだ早いですが、今、飲んでも美味しいです。シルキーなタンニン、チャーミングな果実、豊富なミネラル、スルスルと喉を滑るような液体。濃厚な白子に合わせたら、これが、素晴らしいマリアージュ。やはり、軽くエレガントな造りのネッビオーロは、魚介に合います。というわけで、僕も、魚介に合わせて、ネッビオーロを持ってきました。4本目、トラヴァリーニの「ガッティナーラ1986」。アルターレのランゲと実に20年の時の隔たりがありますが、これも、れっきとした、ピエモンテのネッビオーロ。ボディはしっかりしているものの、想像より熟成が進んでいます。腐葉土やキノコ、獣臭が強いです。ただ、果実が煮詰めたようになっていませんし、酸も生きているので美味しくいただけます。そして、驚くことに、これが、セイコ蟹に合うんです。恐らく、22年の歳月は「ワイン→ビネガー」へと近づいた事により、円やかな酸味と凝縮されたミネラル感が、蟹味噌や内子の濃厚な「海の味覚」とが微妙にシンクロしたのだと思います。ちなみに、白子とのマリアージュは最悪。白子の生臭さが、強調されてしまいました。セイコ蟹は、予想通りピノ・ビアンコとも良く合いました。和食にはやはりビアンコかと思いきや、キンキには、ランゲ、ガッティナーラともに良い感じ。脂の多い魚で、特に、ひと干しして、アミノ酸がぎゅうっと凝縮したお魚にもネッビオーロ。炭火焼きは、滴る脂がジュジュウ~っとスモーク効果もありますからね~、合うはずです。5本目は、ラ・スピネッタの「バルベーラ・ダスティ・ビオンゾ2004」。予想通り、まだまだ、早いです。樽がまだ生っぽくて、果実も眠ってます。今、飲むならば、前日に抜栓するか、デカタージュが必要です。それにしても濃いですね。すごい凝縮感。グラスに放置しておくと片鱗を見せてくれます。鴨とイベリコの炭火焼きには、このぐらいパワフルな方がいいですね。将来が楽しみなワインです。6本目は、「ラ・ミッション・オーブリオン1997」。え~、ボルドーは、うまくコメント出来ませんが、みなさんの感想からすると、やや、大人しかったようですね。僕は、閉じている印象を持ちました。そういう時期に、開けてしまった...という事でしょうか。もう少し、早く抜栓したほうが良かったかもしれませんね。〆にホタテの炊き込みご飯を戴きました。料理はどれも美味しかった~。今回のワイン会用に、特別メニューを作っていただきました。ミッフィーちゃんの作者で、グラフィックデザイナーの「ディック・ブルーナ」にそっくりなマスターも、可愛い方でした。ありがとうございました。また、行きたいですね、今度は、通常メニューにも興味津々です。今回も、楽しいひとときを、共有する事のできたみなさんに、感謝いたします。次回は、デッラ・パーチェかな? よろしくね~。
2008.01.19
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ピエモンテのDOC、生産者はカッシーナ・タヴィン。「ルケ」というモンフェッラートの限られた地域で生産される葡萄品種を使った、小さなDOCの醸造を古くから行っている生産者。僕は、今回、初めて知りました。ルケDOCとこのバルベーラを買って、ルケはまだ飲んでません。葡萄栽培に関する情報が無いのですが、醸造に関しては、自然酵母、無濾過、SO2使用の制限などを行う、いわゆる自然派の造り手さんです。ミネラルを強く感じるバルベーラ。僕にとっては、ちょっと過去に無いぐらいです。ブルーベリーの青く固い爽快感、ミントの爽快感、白胡椒や岩塩(ちょっと塩気も感じる?)などのスパイシーさは、スピネッタのバルベーラのような、黒い果実の凝縮感に由来する重たいもので無く、あくまでもさらりと軽快で、白ワインのようです。上記の醸造から考えられる還元臭や「妙な堅さ」も逆の「ゆるさ」も無く現段階で、とても成功していると思います。そして、この価格帯(2500円ぐらい)のバルベーラに感じられる、抜栓直後の、熟したような、こなれていない生っぽい果実が出てきません。それを締める「酸」の存在は、どちらかと言えば弱く、頼りないぐらいですが、上記の硬質で強力なミネラルが、キッチリと骨格を形成していて、序盤は果実の出る幕が無いという印象です。2日目以降は、ミネラルが落ち着いて、旨味がもっと顔を出してきました。「あ、けっこう濃いんだ」とこの時点で気がつく感じ。濃いと言うのは「肌理がが細かく」「詰まっている」のであって、ボテッと重いわけではありません。とてもキレイな造りです。美味しいです。抑えの効いた清潔な果実と、滋味溢れるミネラルが感じられれば、この程度の酸で十分なんですね。
2008.01.14
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ピエモンテのDOC、生産者はエリオ・グラッソ。モンフォルテ・ダルバでバローロ造ってます。この1999のヴィニャ・マルティナはアルコール度数14.5%のヘヴィ級バルベーラ。数年前に飲んだときはまるで、まとまりのない、バリックの効いた、若いバローロのようでした。今も、揮発酸とアルコールのパワーは、相変わらずバローロ並みですが、きれいに角が取れた感じ。干した蜜柑の皮とミントとカカオ、ヴィン・サント漬けにしたドライフルーツケーキ。良いバルベーラは、時間とともに、パッシート(陰干し)のニュアンスが出て来る気がします。アイ・スーマは、はじめから、遅摘み(ヴェンデミア・タルディバ)にして、糖(ひいてはアルコール)を高くしてますね。ヴィニャ・デル・ノーチェの1997も、かなりボトル差がありますが、コレに似た熟成をしています。そして、このヴィニャ・マルティナ1999を含めて、これらのワインに共通する事は、しっかりとした酸の裏付けがある事。酸の性格はそれぞれ違う気がしますが、一本筋が通ってます。このヴィニャ・マルティナ1999は、柑橘系の日向の匂いのする酸が、存在を主張しながらも液体にとけ込んでいる感じです。濃くて飲み応えがありますが、のみ疲れせず、それどころか、次々、欲しくなります(アル中か!)。多くの要素が、とても高いレベルで調和がとれています。たいへん美味しいです。素晴らしいワイン。実は、これ、クオルムの翌日に飲みました(笑)。今年は、たくさん、バルベーラを飲もう! 今も、飲んでます。
2008.01.13
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ピエモンテのDOC、生産者はアスタエ。アスタエとは、アスティ地区のバルベーラの底上げのために協力しあった「ブライダ」「キァルロ」「コッポ」「プルノット」「ヴィエッティ」そして、ヴィナッチャをグラッパにする「ベルタ」までの6社の共同体です。まだ、お正月気分というか、正月はワインが飲めなかったので、勢い、良いワインが開いてます。バルベーラ・ダスティらしさとは、酸がしっとりとけ込んでいて、まろやかなところでしょうか。ミネラルも肌理が細かいです。全ての要素をバランスよくミックスした美味しいジュース。それに比べて、バルベーラ・ダルバは、柑橘類を思わせる酸がしっかりと存在を主張していて、ミネラルもややごつごつした印象があります。アスティ地区に比べて男性的でしょうか。僕は、アスティ地区と言っても、ブライダの造るバルベーラの中では比較的男性的な「ビゴッタ」が好きだったり、骨太でミネラリーな「ヴィニャ・デル・ノーチェ」が好きだったりと、どちらかと言えば、バルベーラ・ダルバ寄り...かと思うと、バルベーラ・ダルバのテリトリーでは、リッチで、エレガントなロエロ地区などを好んでいたり。まあ、何でもアリみたいですね(笑)...。クオルム1998は、まさにアスティらしさを体現する、柔らかい液体です。もう、スルスルと飲めちゃいます。あっという間に空けちゃいました(笑)。もう少し安いと、いいんですが...。
2008.01.07
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