濫読屋雑記

濫読屋雑記

2005年12月02日
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今日、本屋さんが小栗佐多里さんの『 ダーリンは外国人 ダーリンは外国人(2) 』(メディアファクトリー、2004年)、そして『 ダーリンの頭ン中 』(メディアファクトリー、2005年)の3冊を持って来ました。そこで、今回は「 学校図書館とコミックス&漫画 」で語りたいと思います。

みなさんの中には、 教育現場である学校図書館にコミックスや漫画を置くなど! と思われる方がいらっしゃるかと思います。まぁ、一昔前までは、コバルトやホワイトハート、電撃、角川さんの出す ライトノベルすら目の敵にされていたくらいですから、当然だと思います

しかし、現在では大抵の学校図書館には手塚治大先生の作品集、『 火の鳥 手塚治漫画全集 』、『 ブラックジャック 』、そして『 はだしのゲン 』等のハードカバーや横山光輝大先生の『 三国志 』等は、当然のごとく配架されていることだと思います。

私の勤める学校図書館でも、手塚治大先生の作品では『 ブラックジャック 』(アニメ化されたので、4月5月は凄い人気でした。でも禁帯出で、閲覧のみでしたがね。)や『 ブッダ 』、『 火の鳥 』が。あと、横山光輝大先生の『 三国志 』と『 水滸伝 』、『 項羽と劉邦 』、そして定番の『 はだしのゲン 古典扱いされているので 別に騒ぎ立てることはないのですが、 問題は最近出版されたり話題になっているコミックス&漫画です

例えば、今私の学校図書館にあるものでは、武田鉄矢さん原作で小山ゆうさんが描いた『 おーい竜馬 』や戸部けいこさんの『 光とともに… 』(しまった『 光とともに…(9) どんぐりの家 』と『 』、『 わが指のオーケストラ 』があります。

まず『 おーい竜馬 』は昔、NHKでアニメ化されていますし、内容もしっかりしていますので、大丈夫でしょう。次に、『 光とともに… 』や『 どんぐりの家 』等は障害者教育の観点から検討すればこれも、学校図書館に置くのに意義は無いでしょう。

さて、 問題は生徒のリクエストです 。( そして、私の欲求&欲望です 。)

前にも書きましたが、 学校図書館で問題となるのは性的描写と暴力的表現です 。さて、 これに引っかからない人気のコミックス&漫画をいくつあげることが出来ますか?そして、子どもに見せても大丈夫という境界をどこに引きますか? 議論百出、収集がつかなくなり、入れない方が無難、という結論が出てきますよね。

性的表現は、これはもう読むなり見るなりすれば、一目瞭然なのでおいて置きますが、問題は暴力的表現です。一例をあげると、『 バガボンド 』の作者、井上雄彦さんの『 スラムダンク 』を一時期無茶苦茶リクエストがありました。でも、選書の際の相談で 表現が過激 であろう、ということで没になりました。毎度、こんな感じです。

他にも、コミックス&漫画を軽々しく購入できない理由があります。それは、 1つ購入してしまうと堤防の決壊のごとく歯止めが効かなくなるのではないか という問題です。コミックス&漫画は必ずシリーズものです。完結しているものなら良いのですが、連載中のものだと…。例えば『 ギャラリーフェイク 』これを全巻揃えたら…。(一冊、530円×32巻。) 図書費が~ 。という事になるのです。ですので、生徒にもわかるように、しっかりとした説明が出来る作品でないといけないのです。(そして、そのような作品は大体、生徒に人気が無いのです。)

また、コミックス&漫画は装丁が弱いくて、さらに、利用の率が高いのですぐボロボロになります。現に『 おーい竜馬 』や『 はだしのゲン 』などは補修テープで膨れ上がっています。さらに、亡失(盗難)という問題もあります。

そんな訳で、コミックス&漫画を学校図書館に入れるのは大変なことです。いろんな意見がありますが、それでも、 私はコミックス&漫画が置いてあっても良いのではないか 、と考えています。

その理由として、まず第一は 客寄せ用 です。コミックス&漫画は生徒を簡単に図書室に集めるのに最適の道具だからです。活字に拒絶反応を示す子どもに、図書室の敷居を跨がせるのには、凄い労力を使用します。その手間を、減らしてくれるアイテムとしてコミックス&漫画は抜群の効力を発揮します。また、最近の子どもの活字離れは深刻を通り越して目を覆いたくなる状態すらあるそうです。(幸い、私のところはそんなに酷くは無いのですが。)そんな子どもの リハビリ用 に使用できるのではないか、と考えるわけです。(これにも異論がありますが。)これも、コミックス&漫画を読ませるだけでなく、そこから別の本へと関心を持たせる読書指導へともっていくのが大前提ですがね。(学校司書がいないと、細かい指導はまぁ無理ですね。)

次いで、これは私の考えなのですが、コミックス&漫画でないと伝えられないものがあるのではないか、というものです。最近は佐藤秀峰さんの『 海猿 』や『 ブラックジャックによろしく 』など、 社会的問題などを取り上げた良書 が数多く出てきました。また、 芸術として見ても鑑賞に堪えれる作品 もあります。そのような作品は、目で見て、視覚から具体的に作品の主張するモノ、メッセージを読書経験が少ない子でも、読み込んでいけるのではないか、と考えるわけです。(これも、想像力を高めるという観点からすると異論があるでしょう。でも、あくまでリハビリです。)これを、ステップにして(あるいは、自信にして。)次の段階へ持っていければ、と考える次第であります。

公立図書館にも宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』やけらえいこさんの『あたしンち』等を置いてあるところもあるのです。 束縛されない多様な「読書感」を育て上げるという観点から、コミックス&漫画を考えて見てはいかがでしょうか?  (ちなみに、 私は心の奥の沼の底から 森薫 さんの『 エマ 』を入れた~い、と思っております。これについては、『 エマ 』関連の日記を見てね。)

最後に、これを読んでくれた関係者のみなさん。是非、こうの史代さんの『 夕凪の街 桜の国 』(双葉社、2005年)を、ご自分で購入&図書館で(コミックス&漫画がOKなところで)リクエストしてみて下さい。(立ち読みできれば、それでも結構です。)これは、ものすごくよい本です!お願いしま~す。

ダーリンは外国人 夕凪の街 桜の国





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最終更新日  2005年12月02日 23時25分34秒 コメント(2) | コメントを書く
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