濫読屋雑記

濫読屋雑記

2006年02月03日
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今日で、 ブログを書き始めてからちょうど100日目です 思えば、今まで書きに書いたり何万字!文章を書く事により頭の中の煩悩を整理整頓するために書いていたのですが、今ではストレス発散と欲求不満の捌け口として利用している状況です

さて、私の好きなものは 海軍 、そして 鉄砲 紅茶 ワイン 書道 海軍 鉄砲 日記に読んだり考えさせられた本の紹介・解説共にいろいろと書いています 。他の 紅茶 ワイン は「 濫読屋 」の名前からはずれるので書かないでいましたが、そのうち書き始めるかもしれません。 本のネタが無くなった時 、などにね。まあ、 今のペースで読んでいてはそれは有り得ないでしょうが

そういうわけで、今日は 開設100日目 祝砲代わりに鉄砲の話を書きます

鉄砲、 日本人に一番馴染みのない道具の一つでしょう 。また、 ファンタジーやライトノベルなどにも最近まであんまり出てこなかった武器でした 。その理由は、やはり剣や刀、弓に槍、武術・格闘などは特殊な技能で、修行やら訓練をしなければ役に立たず、その道の達人というだけで特殊な人間、物語を展開する力を持つ人物のアクセサリーなどになるからでしょう。また、その修行の過程もストーリーになるからでしょう。あと、魔法というものもありますが、これはもう空想の世界ですからね。

それから 鉄砲は飛び道具です 飛び道具=卑怯者の武器、というイメージが何故だか昔からあります 物語のように人間、真正面から相手と切り結ぶ事が出来るようになるまで、どれだけのことをやればよいのやら…。 (そもそも、白刃を煌めかせ、とか銃剣の突き合いといった事は、普通戦場では発生しませんでした。どちらかが恐怖に駆られて逃走するか、一斉射撃で返り討ちにされるか、どちらかだったからです。)また、剣や刀には神秘的な力が宿るともされていたので、それ等の理由から剣や刀がファンタジー系の主人公の主たる武器になるのでしょう。また、 弓が女性の武器になるのも、近接戦闘用の武器でない事が理由の1つでしょう

一方、 鉄砲という代物は凶悪な代物です 、剣や槍、そして弓のような訓練を行わずに、 玉と火薬の込め方と照準、発砲の手順を知ってさえいれば、子どもであろうと女性であろうと、完全武装の鎧の騎士を一発で昇天させることが出来るからです 。しかも、同じ弓とは異なり物陰からいきなりズドンッとやれますしね。(弓はどうして撃つ時、身を曝さねばなりませんからね。)

そもそも、 鉄砲は中世ヨーロッパの都市国家の防御用とかスイス傭兵団とかの武器として使用され始めました その理由は、安いからです 。騎士は言うに及ばず、長槍兵や長弓兵は特殊な訓練(長槍兵は集団戦の、長弓兵は強弓で素早く矢を連射するための。)を受けていたので雇うと高く付いたのです。また、弩、石弓ですがこれも複雑な(強力な太矢を放つため、強力な弓を引くための巻き上げ機が必要なため。)機械なのでこれを扱うには特殊な技能が実用で、給料が高くなったのです。

その点、鉄砲は鉄の板を丸めて筒にしたものに、アレコレつけて出来上がり。(精巧に、玉が当たるようにするにはもっと複雑な手順がいりますが。)中世の記録では石弓の半分ほどのお値段で鉄砲は作れたそうです。そして、この鉄砲は先にも述べたように誰でも扱えました。ですので、 中世の城壁を盾にちょっとした訓練を受けた住民が数を頼りに撃ちまくれば、騎士団だろうが傭兵団だろうが、国王の軍隊だろうが、撃退できたのです 。(移動が簡単に出来る大砲が出てきてからは怪しくなりましたが。)

そんな貧乏人の使う夢のない武器、鉄砲が私は大好きです。相当捻くれていますね

と言う事で、今日は食後、フッと思いついてから頭の中で考えていた「 何でファンタジーや歴史系のライトノベルで鉄砲が活躍しなのだろう? という素朴な疑問を論理立てようとしましたが、見事玉砕しました 。もう少し、本を読み込んでから書き直しましょう。それでは、最後の私と同様に鉄砲を愛する 鷹見一幸 さんの『 ガンズ・ハート 』シリーズ(電撃文庫)を並べておきます。この本の紹介&解説もしなくていけませんね~。 ああ忙しい


ガンズ・ハート ガンズ・ハート(2) ガンズ・ハート(3) ガンズ・ハート(4) ガンズ・ハート(5) 火器の誕生とヨーロッパの戦争
↑今日の記事の参考文献、 バート・S.ホール 著、 市場泰男 訳『 火器の誕生とヨーロッパの戦争 』です。鉄砲や軍事史が好きな人にオススメな1冊ですが、読むのに相当な予備知識と根性が必要です。私は、図書館から借りて読むのが面倒になって買ってしまいました。この本は、中世ヨーロッパの戦争が火器(鉄砲&大砲)の出現によりどのような変質を遂げ、近代の戦争へと変化していったかを詳細に研究した珠玉の研究書です。また、鉄砲に関心のない人でも、中世ヨーロッパの戦争や当時の騎兵や槍兵などの兵種や攻城兵器の解説が載っていて、当時の戦争を知る上で非常に役に立つ一冊となります。ぜひ、お近くの図書館で借りて読んでみて下さい。(蔵書がない場合は、取り寄せしてもらって下さいね。)





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最終更新日  2006年02月04日 01時18分42秒
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飛び道具とは卑怯なり  
余菱  さん
最近読んだ本で、日本人の戦闘方法は、元来、遠距離戦で、最も殺傷率が高かった武器はダントツで弓矢だったそうです。鉄砲伝来後は花開富貴さんのおっしゃるとおり操作性の良さと、抜群の殺傷力で、鉄砲がその座に成り代わりましたが、日本刀で白兵戦というのはレア中のレアらしく、「飛び道具とは卑怯なり」という概念も、江戸期に鉄砲の使用を控えさせるために、幕府が画策した結果とか書いてありました。 (2006年02月07日 21時18分35秒)

Re:飛び道具とは卑怯なり(02/03)  
花開富貴  さん
余菱さん、その本とは鈴木眞哉さんの書かれた『鉄砲と日本人』(ちくま学芸文庫)でしょうか。それとも、『謎とき日本合戦史』(講談社現代新書)でしょうか?

余談次いでに、そもそも、江戸時代から明治の御世に移った時、ドイツ式兵学では「火力」が命とされたので、日露戦役では三十年式歩兵銃とホチキス機関銃で「弾幕」を張ってロシアに勝ったのです(肝心の大砲は性能が悪く、オマケに砲弾が慢性的に不足していました)。その際、やけくそになったロシア兵の銃剣突撃に日本兵(平民出身者)が恐慌をきたした戦訓と、(でも士族出身者、とくに近衛兵は敢然と白兵戦に挑んだそうです)、第一次世界大戦の総力戦の衝撃を受けてお金がかからない戦争を目指した教育の結果が、あの太平洋戦争末期の惨劇となったのです。 (2006年02月07日 21時56分24秒)

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