濫読屋雑記

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2006年07月19日
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テーマ: お勧めの本(8118)
カテゴリ: 手に取った本
タイトルに書いた通りです。今日は、この「 もうライトノベルと馬鹿にしないで! 」という 一介の学校図書館司書の思いを代弁してくれているレファレンス本を1冊、紹介してみたいと思います
その本とは、 金原瑞人 監修『 12歳からの読書案内 』(すばる舎、2005年)です。


12歳からの読書案内


皆さんは「 ヤングアダルト 」という図書館用語をご存知でしょうか?ちょうど、私の担当する中学生から高校生までの読者を対象とした作品を指す言葉です。図書館の世界に少しでも足を突っ込んでいれば必ず聞いた事がある、 赤木かんこ さんがこの「 ヤングアダルト 」という言葉とその作品群れを広げる活動に従事している事は良くご存知だと思います。

今から15年ほど前、1987年から3年間ほど 朝日新聞 でこの『 12歳からの読書案内 金原瑞人 さんと 赤木かんこ さんは「 ヤングアダルト招待席 」というコーナーで本を紹介し、その後、『 ヤングアダルト読書案内 』という本を出版されたそうです。しかし、当時は誰も、図書館関係者ですら余り関心をはらわなかったのです。その理由として、『 つきのふね 』などの著者である 森絵都 さんは「 (前略)十四年前はまだその受け皿が整っておらず・・・中学生ものは出しづらいから小学生を書かないか、と何人の編集者に言われた事だろう 」と述べられておられます。

それほど、「 ヤングアダルト 」(以下略してYA)は売れなかったのです!それがこの10年でがらりと様子が変わった金原さんは書いています。これは明らかに『 ハリー・ポッター 』のような翻訳モノがこれまでの日本の文壇にYAの良書が原動力となったと私は考えますが、国内でも、 小野不由美 さん、 上橋菜穂子 萩原規子 さん、そして、 乙一 さん等など、腕の良い作家さんがライトノベルまで加えるとキラ星のようにその数が増えているのです!

そういった本に関して、この本ではそちらの方面に詳しく且つ、「 驚くほどセンスのいい人たちにお願いして、自分の好きな本を紹介してもらった。ジャンルは、青春小説だけでなく、現代詩、短歌、絵本、ノンフィクションまでと、とても広い。 」そして、「 いま最も楽しい、そして元気の出る本たちにであってほしい。 」と 金原瑞人 まえがき 」で訴えられています。

さて、『 12歳からの読書案内 』には、どのような本が紹介されているかと言いますと、先ずは穏当なところから第1章 「希望」がわいてくる本 「やりたいこと」や「新しい自分」に出会う! の2節目、「 夢が糧になる 」というところで あさのあつこ さんの『 バッテリー 』が「 お互いを励みにして伸びていく 」という文句から紹介されています。次いで、第2章 「勇気」があふれてくる本 「孤独」や「試練」を乗り越える! の第1節「 自分と向き合う 」では、なんと、新興のライトノベル文庫、徳間書店のデュアル文庫より 北野勇作 著、 前田真宏 絵『 かめくん 』が「 今日も生きる「かめくん」奮闘記 」という題で紹介されているのです。

かめくん

この他にも、第3章 「コミュニケーション」の大切さに気づく本 、「 理解し合う喜びを知る! 」では第1節「 相手も自分も大切にする 」にて「 本当の孤独って何だろう? 」という問いかけで 乙一 さんの『 きみにしか聞こえない 』や「 恋するのは簡単、大切なのはその先 」という難題?で 秋山瑞人 さんの「 イリヤの空、UFOの夏(その1) 」が紹介されています。さらに、第2節「 心が通い合う喜び 」では、「 価値観の違う二人に友情が芽生えた! 」ということで 嶽本野ばら さんの『 下妻物語 』が登場し、とどめとばかりに、TVアニメ化もされた 田口仙年堂 さんの『 吉永さん家のガーゴイル 』が「 家族の絆にほろりとする 」という感想と共に紹介されています。

きみにしか聞こえない イリヤの空、UFOの夏(その1) 吉永さん家のガーゴイル

続いて、第4章は 「情感」豊かになる本 、「 毎日を楽しみながら生きてい 、という主題で、先ず、第1節では「 悩んだり、憧れたり 」という普通の少年少女が思考する事象について「 みずみずしい十代の気持ち 」が書かれている本として 森絵都 さんの『 永遠の出口 』に、「 肥大化するアイデンティティ 」として 綿矢りさ さんの『 蹴りたい背中 』。そしてあの 金原ひとみ さんの『 蛇にピアス 』が「 「身体改造」を経てたどりついた先は? 」という思い問いかけで紹介されています。またがらりと雰囲気を変えて第3節では「 美しい絵本の世界へ 」という題でこれは、 わたしも図書室に入れた歌舞伎の題材をけばけばしいほどの色彩を使って表現した 橋本治 文、 岡田嘉夫 絵『 義経千本桜 』が「 めまいのするほどの美しい歌舞伎絵本 」と全くそのまんまの紹介をされていたり、有名な「日本の良さを再発見!」という書き出しで始まる『 MOE 』で連載中の 河浦良枝 さんの『 しばわんこの和のこころ 』等が集録されています。

本当は、この後最後の第9章と続くのですが、 面倒になってきたので、 、後日、第5章から紹介&解説を始めていきたいと思います。





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最終更新日  2006年07月20日 02時42分17秒コメント(0) | コメントを書く


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