サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2006.06.07
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カテゴリ: クラシック
それにしてもカラヤン

 小中学時代の音楽室といえばバッハ、ベートーヴェンをはじめとして、いかめしい肖像画が周囲を取り囲んで、とてもじゃないが楽しむなどという場所じゃなくて、どちらかというと「教室の怪談」に出てくる理科室のおどろおどろしい雰囲気に近いものでした。なぜこんなに面白くないのか、家でケルテッシュ、ウィーンフィルの「新世界から」(「暮らしの手帖」で酷評された盤、ちなみにそのときのイチ押しはアンチェル、チェコフィル盤でした。今でも忘れもしません!)を聞きながら思ったものでした。

 大学受験時代というのは、勉強も忙しいですが、派生して興味を持った事柄や、気分直しで逃げ込んだ書物や音楽、スポーツにも、あきれるほどの時間を割いている。今では考えられない馬力ですが、それが出来た時代(年齢)でありました。当時はまだ大学紛争華やかなりしムードが、色濃く残っている時代で、高校にもコワイ生徒がおりました。
 私および私の友人どもが、そうした喧しい周囲から距離を置いて、クラシックやオーディオや小説、評論、スポーツ(とくにテニス、ボルグやコナーズの時代でした)に熱中したのは、何がきっかけかは今となっては分かりませんが、友人と違いを競う(相手が知らないであろうネタを仕入れてきて、自慢しあう、けなしあう)のに、どれだけ時間を費やしたか分かりません。
 なぜカラヤンか、ベームか、(フルトベングラーか?)、バーンスタインとニューヨークフィルを認めるかどうか、ダイヤトーンかビクターマーク2か、ヘッセかカロッサか、ボルグか、ビラスか、なんてね。

 バーンスタイン、ウィーンフィルのマーラー「大地の歌」は、私のそれまでのクラシック音楽に対する、固定観念をひっくり返す衝撃だったことは、先にも云いましたが、このマーラーのデカダンな雰囲気が当時の自分の気分にはとてもマッチしていて、それこそレコードの溝が擦り切れるほど聴いたものです。友人たちはすでに(!)「復活」や「交響曲第5番」に進んでいて、したり顔で私を見つめたものです。
 私のほうは対抗上、別の部分で失地を回復する必要上、自分の感性とは関係なく、よりアドバンスな音楽を求めて、バルトークを手始めにして、一気に武満徹や黛敏郎に奔ったりもしました。武満は以前、小澤征爾ニューヨークフィルと尺八、琵琶の「ノヴェンバーステップス」をテレビで見て気になっていた作曲家でした。黛は当時すでに「題名のない音楽会」で売れっ子でしたが、J・ヒューストンの「天地創造」の音楽で知っていました。

 友達との対抗で追っかけている音楽とは関係なく、家でひそかに自分用に聞く音楽がもう一つありました。カラヤンのシベリウスです。
 カラヤンという指揮者、本当に守備範囲の広い人で、いかめしい交響楽からオペラ、バレエ曲に至るまでなんでもあり、しかもそれぞれがことごとく名演奏(全部ドラマティックな交響楽に聞こえてしまう)という、文字どおりのクラシック界の帝王であります。したがって当時でも人気の高さに比例して、その演奏振りやパフォーマンスにいろいろやっかみや批判が(とくに音楽批評家から)ありました。まるで人気があることがクラシックに対する冒涜であるかのように。

 ところが実際にカラヤン、ベルリンフィルのシベリウス「トゥオネラの白鳥」「タピオラ」「交響曲7番」を聞いていると、自然と涙がこぼれてきたのです。(友人には絶対見せられない涙が!)

― つづく ―





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Last updated  2006.06.07 12:27:37
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Re:それにしてもカラヤン 1.(06/07)  
前日分と合わせて、面白く拝読させて頂きました。 (2006.06.07 11:37:57)

Re[1]:それにしてもカラヤン 1.(06/07)  
カーク船長4761さん

話はまったく別ですが、私はスタートレック「ボイジャー」のセブンオブナインのファンです。 (2006.06.07 11:59:47)

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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
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