サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2007.06.12
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 私事に半ば公事もからんで、長いこと書き込みを休んでいます。私のささやかな楽しみであるブログ日記は、書き続けることにほとんどの意味があるので、かつて私が自分のブログに課した三原則
 1.自分にとって楽しい中味を書く
 2.書くに値するものを書く
 3.できるだけ出典は明らかにする
というのは、書き続けている間の原則であって、こうして長いこと休んでしまうと、かえって書くのが億劫になってしまう、そういうことがあるのかということが、今回何となく分かったような気がします。こうして画面に向かっていても気が重いのです。
 人にはリズムというのがあって、書くリズム、しゃべるリズム、仕事するリズムなどなど、さまざまに生起するのですが、ここ最近の私は明らかに生きる精気が減衰しているので、仕事が忙しいから(もちろんそれも少なからずありますが)書く暇がないというわけではありません。忙しいといえば去年のほうがもっと忙しかったので、むしろ問題は忙しさの中味みたいですね。
 といってこれ以上しゃべると、わが若年寄への愚痴になってしまうので、このことについては書きません。

 さて書きかけの項目も何件か放りっぱなしなのですが、それらをまとめるのは先にして(いったん放りっぱなしにすると、なかなか元に戻るのが難しいというのも、今回発見したことでした。書いていた時の気分や意図していた結論のようなものが、さっぱり思い出せないのです。)、またしても浮世離れした話ですが、言霊(コトダマ)のことです。
 古い蔵書を探し出してきて、かつて読みっぱなしで気付かなかった事柄で、今になって何となく分かりかけたかなと、何となく興奮しているのが西郷信綱氏の「詩の発生」(未来社)の中の言霊論と、それに付随した「源氏物語」六条御安所(ろくじょうみやすんどころ)の「もののけ」論で、古代日本人にとって「心」と「魂」は別物だったという話です。


 「源氏物語」の作者はもちろんすでに「古事記」の時代の人ではなく、平安朝最盛期の都人であったわけですが、この嫉妬深い六条御安所(ろくじょうみやすんどころ)の生霊(いきすだま)が、源氏の一夜のお相手の夕顔に依り憑いてたちまち呪い殺す、あるいは源氏の正妻である身重の葵上(あおいのうえ)に依り憑いて、これまた呪い殺す、はたまた死んだ後も死霊(しすだま)となって、源氏最愛の紫上(むらさきのうえ)に依り憑いて病に伏せさせる、といったぐあいに「源氏物語」五十四帖全篇を負の通奏低音のようにふわふわと飛び回っているのです。

 ともすれば、「竹取物語」や「今昔物語」のような、いまどきの人間にはちょっと荒唐無稽になりかねない遊離魂のテーマなのに、紫式部の手にかかると現代の心理分析家が描いた神話劇のように(ワーグナーやトールキンみたいに)心理的妥当性の裏付けが周到に用意されているので、とりあえず物語に引き込まれざるを得ない。
 これは平安時代にまだ遊離魂が信じられていたということとは別に、それを客観的に見つめる紫式部の目というものを強く感じさせます。科学的思考というものが存在しなかった1000年前の平安京であっても、論理的な思考態度や情緒の客観的な分析が可能であったことを知るだけでも、式部の天才(ひょっとすると世界に冠たる)に感じ入るほか無いのですが、残念ながら今の私にはそれを原文で読みこなす力はありません。
 というわけで、ろくに読んでいない「源氏物語」の中味については、世に数多ある解説書や批評あるいは現代語訳で享受してもらうとして、ここで取り上げるのは先にも触れた古代人の「魂」の捉え方、あるいは時間感覚のようなことです。

                                       ― つづく ―





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Last updated  2007.06.13 00:02:44
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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