サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2011.03.27
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 まず第一は、本来科学的客観的語法で語られるべき原発安全問題が、ことごとく「政治取引の具に供されてしまう」ということで、住民や首長が日頃から本来心得ておくべきリスクとか対策とかが、国や電力会社からまともに開示しづらくなっているということです。政治取引の具に供された結果というのは、今まさしく原子力保安院とか東電側からの語法に端的に現れているので、これは長年にわたって続けられて来た原発行政のなれの果てなのだと思う。
 こんなに「防御的姿勢で語られる」ものの言いかた、というのを私は長いこと聞いたことがありません。これは原発行政というのが、どういう語法によって行なわれて来たのか、ということをもっとも醜い形で、いちばん肝心な時に露呈させてしまっているわけで、私など溜息ばかりが出てしまいます。彼らはまさしく「糾弾される被告人」の語法でしか、ものを言えなくなっている(つまり、自分たちにとって都合の悪いことは、隠すか、はぐらかすか、要は明言を避ける)のです。
 言っている中味より、その語りかたによって、どれだけその信頼性(credibility)を損なっているか。たんに国内向けだけでなく、そのまま諸外国にも流されていることを考えた場合、日本国そのものの信頼性を傷つけていると言ってもいい。本来こうした場面では原子力に精通した専門技官クラスで、説明力のある人が記者会見などには立つべきだ、と思うのですが、長年の糾弾集会的記者会見の空気の中では、誰もまともな話が出来ない状況になっているのでしょう。特にネガの情報を発表する時に、それは顕著に表れているような気がする。

 これはハッキリ言って、日本の悲劇です。互いが不信感と苛立ちで、罵り合うようなことをやっているうちに、日本自体が傷つく結果になりはしませんか。そういう空気を作り出しているのは、説明する役人ではない。そういうしかたでしか語り、また聞くことが出来ない、という語法を作り上げたのは、他ならぬ日本人の歴史そのものなのです。
 それは先ほど述べた首長たちの「他責的」なスタンスと、強圧的な「請願」のポーズのマインドと表裏一体で、私はこれを「臣民の語法」と呼んでいます。つまり日本人は今だに市民的な対等関係を他者と結ぶ、ということが出来ていない国民なのであり、すべてはお上と臣民という上下の有り様によってでないと、その関係性を心理的に維持することが出来ないのではないか?

 しかしまあ、それはさておき、こうした有り様における最大の問題点は、首長たちが「原子力は絶対安全」という神話を国にも住民にも宣言してしまうことによって、今回のような破局的な事故が起こったとき、地元首長はその事故災害を「自ら引き受ける」という発想をいっさいしなくなる、ということです。「絶対安全」という言質を電力会社と国から取り続けて来たことが、結果的に彼らの免罪符になっている。すべては他責的かつ強圧的な「請願のポーズ」でしか語られない。
 実際にはそんなことはないだろう、実体的なリスクが多少でもあるからこそ、多額の保障や補助金が出ているわけで、それをニグレクトして「これまでもこれからも、原発の問題は全部国と電力会社の責任」というのは、やはりおかしい。何もかも「責任は誘致したあなたでしょ」と言っているわけではないのです。リスクに準じた対価に基づいて今の県の運営が構造化されているのなら、それに見合う「引き受けかた」があるはずだ、と言っているのです。このあたり(ここで県民性など言及する気はないですが)、美浜原発を抱えた福井県などは、まだ地元住民も常識的なマインドを持っているような気がする。
 県の行政の長として「自ら県民を引き受ける構え」というのが、応分以上に求められているのが、まさしく今なのだ、と私は思うのです。「鳥取県西部地震」時の片山知事は、まさしくそういう引き受けかたをしたでしょう。「阪神大震災」の時だって、まあとにかく国が棒立ち状態のさなかに、いろいろ叩かれ続けた兵庫県知事と神戸市長ですが、それでも自分の職務をこのように他責的には語らなかったような気がする。

― つづく ―





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Last updated  2011.03.27 09:28:31
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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