サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2013.07.17
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 ここのお休みが長くなっていますが、別に自身の心境にこれといった変化があったわけではなく、何となく書く気がしないというか、以前のように書くこと自体の楽しみを、感じられなくなっていることに気付くのです。それは何も父が亡くなったからといった、個人的な身辺事情に由るのではなくて(もちろんそれによる雑事は様々ありましたが)、要は何処に話が拡がっていくのか、さしあたって書いている自分でも分らないまま、それでも新たな地平が次々現れて来そうな予感だけを楽しみにして、弾むように前へ進んで行くような高揚した感じが湧いて来ないのです。

 そうかといって、私の「言葉フェチ」的本好きが消えうせたわけではなく、じつはこの間本読みの楽しみに専念していた感があるのです。以前と同じような「話す面白味」だけで、ブログをUPするのが何となく憚られる間、では今まで読もうと思っていて、なかなか手を出せなかった本類を浴びるようにして読んでいます。で、その中身はというと、これまた皆さんウンザリされるかもしれませんが、道長を中心とした「摂関時代」の関係本なのでした。まあ一つには、以前からの懸案である「源氏読み」をどう再開するか、ということとも関連していたのですが、中断した理由が当の平安中期の日本を、私が知らなさ過ぎるということがあったからです。
 文学に歴史をあまり持ち込むのは良くないとは言うものの、とおりいっぺんの詩歌管弦、有職故実を知ったとして、真の意味で「摂関時代」を理解したと言えるのかどうか、と思ってさまざまな最近の歴史本を読んでいたら、どうも専門家世界でも意外と平安時代というのは、ブラックホールであるらしい。で、その主たる理由が、奈良時代と違って平安時代は「正史」というものが存在しないということらしいのです。古代史の研究というのは、「日本書紀」をはじめとする「六国史」という官製の歴史書があって、言わばそれを中心にして傍系の文書史料や考古学的知見で史実を固めるということが出来るのですが、平安時代にはそうした柱になるような基本史料がない。そういった意味で奈良時代以前と、平安時代はまったく違った研究態度を迫られるということなのです。
 正史がないから政治社会的には空白の時代とまでは言わないにしても、無味乾燥な不毛の時代とするわけにはいかない。げんに摂関期は「源氏物語」という奇跡を生んだ時代であるし、この時代の貴族や平民が、奈良時代に比べて知識教養に乏しく、経済的にも貧窮していたなどとは誰も思はないでしょう。

 となれば、そうとなる説得的な分析が、歴史学のほうからなされるべきなのですが、これまでわりとこの時代の政治経済社会情勢の研究は、文化の研究の度合いに比べて軽んじてこられたのではないか?時代とは総体的なもので優れた文学が現れて来るには、しかるべき政治経済社会的背景があったはずです。
 面白いのは「六国史」のような正史は存在しない(裏を返せば、必要がない時代だった)のに、道長をはじめとした摂関家の「日記」類というのは、驚くほど豊富に残されているのです。この場合の「日記」とは、例の女房たちの書いた平仮名の日記ではなく、貴族の日録あるいは備忘録といった類のもので、今で言うと「手帳」のような感触に近いのでしょうか。
 しかもそれが道長に到っては「御堂関白記」という直筆の史料として今に残っているのです。それ以外にも、藤原実質(さねすけ)の「小右記(しょうゆうき)」、藤原行成(ゆきなり)の「権記(ごんき)」などなど、同時代の権門たちはさながら「日記フェチ」かと思われるくらい熱心に書き記している。これは当時の世の中が正史を編纂するよりは、日記を書き記しておくことのほうが、政治に実体的に機能するということを知っていたからでしょう。
 とくに実質は摂関の最盛期をかなり批判的に見詰め続けながらも、ただ傍観しているのではなく、常に中枢に関わっていたらしくて、その人品骨相は面白い。しかもこの人物は中宮彰子との連絡役として、紫式部と関係していたらしいのです。「小右記」の記載にそれがあるのです(道長は自身の日記で彼女に触れたことは一度もありません)。

 となると道長と娘彰子との関係は、彼女の入内後どんなふうだったのか。はたまた常に一家言を道長に呈していた堅物実質は、彰子とどういう関係にあったのか。そしてそれに紫式部はどれほど関わっていたのか。ずいぶんロマンティックな妄想が開けてくるじゃないですか。







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Last updated  2013.07.17 14:51:47
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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