サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2018.08.20
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カテゴリ: クラシック
ギャップ


 余談になりますが、アメリカには熱心なマーチングバンド・ファンがけっこういるらしく、さまざまな団体の映像を撮影しては動画をUPされている。もちろん日本から同様の撮影組の動画もありますが、いずれも良心的な編集で頭が下がります。何しろとくに会場演奏では、その中味はカメラが入ってないと誰にも分からない。
 こんな話が出来るのも、こうした動画があってこそなので、報道にはどこにも出ていません(たぶん。つまり公には誰も知らないことになっている)。

 さて、ラ・パルマの高校で行われたという2012年の「 Benefit Concert 」は、ほぼノーカットなので一時間半と長く、全部をいっぺんに見るのは大変なので、とりあえず冒頭の14分ほどだけ見てみてください。動画をUPしたMusic213という方、下のタグに詳細な記録と、演目ごとの時間を付しておられるので、検索しやすいですよ。
 冒頭のD・エリントンからL・ガガ、G・ミラー、N・K・コール、そしてクラリネットの「ミスティ」から「Sing, Sing, Sing」に到る一連のパフォーマンスは、緻密に演出された一つのショーとみるべきで、見ている人のほとんどは1分もたたないうちに、それが高校生によって演じられていることを忘れてしまうでしょう。ラインダンスのようなステップに、タップダンスの要素も取り入れ、群舞の面白さを余すところなく伝えているという意味では、ほとんどミュージカルと言っていいのではないか?それぞれの振り付けにも創意があって、知っている人によっては、ニヤリとさせるところもあったでしょう。

 これらはガガ嬢をのぞけば、すべて1950年代以前の古き良きアメリカの名曲で、聞きに来ているアメリカの、とりわけホストファミリーの人たちは、どんな印象を持ったでしょう。底抜けに明るくスウィング感にあふれる音楽は、かつてのアメリカ以外では絶対生まれなかった、純正のアメリカ音楽なのです。あるいは自分たちが子供のとき、祖父母たちが熱狂していた時代を、セピア色の記憶とともに思い起こしたのではないか?
 で、それが21世紀の異国の女子高生によって、よみがえって来るという現実とのギャップ感こそ、この15分間がかもし出している魔法だったでしょう。

 それにしても、初めのほうにブラスなしのガガ嬢の原音で、カラーガード(楽器以外の旗などの手具を使うパート)の演舞を持ってきたというのには、何か隠れたメッセージがあるようです。一つはマーチングバンドにあって、どうしても地味になりやすいカラーガードに光を当てるということ。もう一つは「東日本大震災」直後の6月と12月に二回来日し、精力的に支援活動を行ったガガ嬢に対する、返礼とリスペクトが含まれていたでしょう。
Bad Romance 」を見てみてください。
 この曲を取り上げることじたいが、場合によっては明晰な何かの意思表示になりかねないところ、彼女たちはそれを「KAWAII」コスチュームと振り付けにくるんで、さらりと広げてみせる。見ている側はガガファンは拍手喝さいでしょうが、そうでない人たちもまた苦笑せざるを得ない、という仕儀になるのです。





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Last updated  2018.08.20 15:39:38
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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