02. I'm Not in Love 03. Blackmail 04. Second Sitting for the Last Supper 05. Brand New Day 06. Flying Junk 07. Life Is a Minestrone 08. Film of My Love
■実際10ccほど映像に対するこだわりを強く持っているバンドは少ない。ジャケットワークはそのほとんどが天才集団ヒプノシスの仕事だし、ゴドレィ&クレームのふたりはその後、映像アーティストとしてもひっぱりだこになる。特に忘れられない名クリップは彼ら自身の「Cry」とPeter Gabriel&Kate Bushの「Don't Give Up」。特に後者には何度背中を押されたか知らない。(この曲と「ガープの世界」に救われたという鈴木慶一氏のセリフはちょっとビックリするくらい自分とダブった)
■ともあれ、この架空の映画音楽集が特別な一枚になっている大きな理由はやはりM2「I'm Not In Love」によるところが大きいと思う。歌詞と曲はスチュアート&グールドマン組、バックを装飾するコーラスワークはゴドレィ&クレーム組。月並みだがそんな4人の得意分野が奇跡的にマッチした傑作だと思う。
I keep your picture Upon the wall It hides a nasty stain that's lying there
To give it back
君の写真は壁に掛けてある そこに付いた染みを隠すため だから返してなんて言わないで
■たとえばピアノの弾き語りで歌われたこの曲もまた、哀愁を誘う名曲になったかもしれない。それでもこのオリジナルに到底かなわないと思うのは幾重にも積み重ねられたコーラスパートの重厚感がコズミックな広がり、もしくは酩酊感、ないしは浮遊感を醸し出している点にある。そしてその合間に囁かれる Be quiet...big boys don't cry...というつぶやきのあとひき感とね。