トカトントン 2.1

トカトントン 2.1

2007/05/23
XML
カテゴリ: 音楽
black sea
02 Generals And Majors
03 Living Through Another Cuba
04 Love At First Sight
05 Rocket From A Bottle
06 No Language In Our Lungs
07 Smokeless Zone
08 Don't Lose Your Temper
09 The Somnambulist
10 Towers Of London
11 Paper And Iron (Notes And Coins)
12 Burning With Optimism's Flames
13 Sgt. Rock (Is Going To Help Me)
14 Travels In Nihilon


■10CCとスクイーズが好きだ。そのどちらにも一度聞いただけじゃ伝わらない、なんか特別な香辛料みたいなものが含まれていて、通して聞いた後も、もう一度最初からCDなり音盤なりを聞き返してみたくなる。それは懐かしさなのか、新しさなのか、判断がつかないのだが、おそらくその両方なんだと思う。

■で、XTCである。昨日も書いたが上記ふたつのバンドと合わせてわたしの3大バンドである。最初にこのバンドを聴いたのは渋谷陽一のサウンドストリートだった。可哀想に彼らの曲には邦題で呼ばれるタイトルなんか皆無で、渋谷の発音する英語がまるでそこに書いてあるカタカナを棒読みしましたというように聞こえたことが今でもとても印象に残っている。

■たしかに 「Living Through Another Cuba」とか、「Burning With Optimism's Frames」とか、「Travels In Nihilon」なんていう題名を気の利いた邦題で紹介する戦略なんか当時のレコード会社にはなかったようだ。”地獄の”とか”紫の”とか”魂の”なんていう形容が一番つけにくいタイプのバンドだったことも原因のひとつだったと思う。

■最も美しいXTCのアルバムは「Apple Venus」だと思う。そして最も叙情性に富んだトータルアルバムは「Skylarking」だと思う。そして最もタイトで荒々しくも新鮮なアルバムは「Drums & Wires」だと思う。ではこの「Black Sea」にはどんなキャッチフレーズがふさわしいかといえば、最もポップでバンドサウンドのはじけ方が半端でないアルバムとでも言おうか。フランツみたいなロックバンドをやっていこうとしている若い人が最初に聞くなら間違いなくこれを薦める。

■実はこのアルバムのツアーを最後にこのバンドは(アンディ・パートリッジは)ステージに立てなくなる。グレン・グールドにもビートルズにも(ザ・バンドにも)あったステージフライト。今となっては79年の来日コンサートを見逃したことはかなり悔やまれる。たしかあれは九段会館。そう、彼らもまたお隣の武道館には似合わなかった。でも、その頃の彼らのライブ音源は「Transister Plast」という4枚組CDで聴ける。世界で一番XTCマニアが多いのもこの日本だと聞く。ま、私もそのひとりといっても過言ではないが。

■アンディ、コリンという二人の優秀なソングライターがいるバンドだが、この「Black Sea」はアンディの独壇場と言える。その後マッドサイエンティストのように音の解体やら、加工やらに腐心していく彼がドーバー海峡を人力で泳ぎきってしまうような勢いで疾走した楽曲群は他の追従を許さない。

■すごく久しぶりに今日これを書くために聴いたこのアルバムは本当に息つく隙を与えないようなキラーチューンの嵐だった。私はこのアルバムが本当に大好きだということをすごく久しぶりに思い出した。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007/05/23 09:20:30 PM
コメント(0) | コメントを書く
[音楽] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

ミリオン@ Re:「北の国から」を友達にすすめてみる(01/02) こんばんは。 嬉しいです。頑張って下さい…
Dehe@ Re[1]:カルトQ 2005 北の国から(10/18) adventさんへ ご指摘の通りです。例によ…
advent@ Re:カルトQ 2005 北の国から(10/18) 五郎が読んだ大江健三郎> 開口健ではなく…
しょうゆ@ Re:家庭教師 / 岡村靖幸(09/09) …最後まで岡村靖幸はわからなかったのでは…
背番号のないエース0829 @ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
Dehe @ Re[1]:センチメンタル通り / はちみつぱい(04/17) Mr.Zokuさんへ 情報ありがとうございまし…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: