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苫治安

苫治安

2005.05.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
書名:夜と霧(新版)

出版社:みすず書房
ISBN:4622039702
発行年月:2002年 11月
本体価格:1,500円 (税込:1,575円)

「心理学者、強制収容所を体験する---。飾りのないこの原題から、永遠のロングセラーは生まれた。原著の改訂版である1977年版にもとづき、新たな訳者で新編集。人間の偉大と悲惨をあますところなく描く。」

終わりなき暗夜と尽きることない黒い霧。
その中で人間はどう生きるのか。


ガス室のような、「アウシュビッツ」と聞いて我々がすぐに思い浮かべるような残酷な風景(そのゆえにその情報に触れることをためらわせるような、ステレオタイプの風景)はあまり出てこない。
だが、その静かな言葉は、どんな残酷な写真よりも雄弁であり、どんな残酷な報告よりも深く心を抉る。

収容された人間が堕落(語弊があるもののあえてこの語を使う)していくのを、著者は責めない。
こういう心理状態から崩壊していくのだ、と、分析して示す。
だがそれが著者の言いたいことでは決してない。
どんな極限状態に置かれても、アウシュビッツのようなどん底に置き去りにされても、 人間の精神は自由である 、著者が言いたいのはこちらである。
畢竟、堕落するかしないかは、そのヒトが選ぶことなのである。
(繰り返すが、堕落が選択の結果であるからといって、堕落したヒトを責めたりは決してしない)
彼は言う。
アウシュビッツのごときおぞましきものを発明したのは人間だが、それに耐え得る精神のありようを示したのもまた人間である、と。

「こんな人生に何の意味があるんだ」と問うのは間違いである。私たちが人生に何かを期待するのではなく、人生---生きることが私たちに何を期待しているかを思うべきなのだ。

私たちは、生きることから(あるいは世界のすべてから)何かを期待されているのだ!
この自由な精神で、何を為し何を生さぬか、どのようなありようを示すかを、常に見守られているのだ。

うまく言い切れない(情けない…)ので、あとは本書を読んで自分で考えてみてほしい。
3時間くらいで読めるはず。

今、この時代にこの本を読むことがどれだけプラスになるか……。
一家に一冊常備してほしいくらいオススメ。
それにしてもみすず書房ってえらい。
昔からこういうカタいのをきちんと出しつづけてるよなぁ。頑張ってね。

旧版も読むといいらしい(訳者だけでなく内容も少し異なるらしい)。そのうちに。

▼この本はこちら
夜と霧新版 ( 著者: ヴィクトル・エミール・フランクル / 池田香代子 | 出版社: みすず書房 )

▽ちなみに旧版はこちら
夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録 ( 著者: ヴィクトル・エミール・フランクル / 霜山徳爾 | 出版社: みすず書房 )





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Last updated  2005.06.03 12:13:55


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