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苫治安

苫治安

2005.05.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
作:エウリピデス

出演:大竹しのぶ、生瀬勝久、吉田鋼太郎、笠原浩夫 他
会場:Bunkamuraシアターコクーン(東京・渋谷)

再び化け物(5/7の日記参照)。
ちょっとねぇ、あんな、姿もなく奥から聞こえる声だけで胸が張り裂けそうになる、そんな台詞を言える俳優って、ほかに何人いるだろうか?

もうなんか感想書くのが馬鹿らしいくらい。怪演でした、大竹メディア。

そして見ていて思った。
こんな化け物の脇を固めるのも、やっぱり実力のある人たちでなければならないんだ、と。

そうならないのは、コロス(群集…ある意味ではこっちが主役だが)にしてもイアソンにしてもクレオンにしても、地に足のついた(クレオンは駕籠から降りなかったけど(笑))力のある演技を見せているから。
主役に力があればあるほど、脇役の実力が大事なんだな、と、今さらながらに思ったのだった。

前回の形式美を求めたヴァージョン(コロスも全員男だった)を見ていないので、よくはわからないが、
コロスの台詞は女性が口にするとやっぱり切実なものがある。
何を思ってこんな戯曲を書いたんだか、エウリピデス。
古代ギリシアでも女性は市民権を持てなかった。
その女の側の心情を汲むような台詞をバンバン出しちゃって、観客(男のほうが多かったのでは)の気に障らなかったのだろうか。

舞台美術は、美しかった。
最初の照明がすばらしい。ものすごくソフトなスポットが小さく垂直に射し、やがて大きくなってハスの花を浮かび上がらせる。とても美しい風景。
本当にニナガワのは「美しい」舞台が多い。
そしてレクイエム。

どこから拾ってきているんだか。

メディアは強い女。
今までもそうだったし、この舞台でもそう描かれていたように思う。
ただ、本当にそうなのか、レクイエムを聴きながら考えさせられた。
もしかするとこの鎮魂歌はメディアに対するものかもしれない。

つまり、自分自身を殺さなければ生きていけないほど「弱い」人間だったのかもしれないではないか。
実は、イアソンが船首の下敷きになって死んだことは知っているけど、メディアのその後はよく知らない。
というわけで、今は俄然「その後」が気になっている。





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Last updated  2005.06.01 12:33:12


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