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苫治安

苫治安

2006.04.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類
書名:死の家の記録改版

出版社:新潮社(新潮文庫)
発行年月:2004年10月
ISBN:410201019X
本体価格:743円(税込780円)

読了は昨日(4/7)だが、こちらで。

いや~………。時間かかりすぎ。
実は2月から読んでるのだ。途中で辛くなって、石田衣良に逃げたのだ(2月15日の日記参照)。


楽天でもamazonでも、なぜか出版社によるレビューがない。
なんでだ。世界的名著のくせに。もしかして売れないから放置されてる…?

あらすじ(文庫裏表紙より) 思想犯として逮捕され、死刑を宣告されながら刑の執行直前に恩赦によりシベリア流刑に処せられた著者の、四年間にわたる貴重な獄中の体験と見聞の記録。地獄さながらの獄内の生活、凄惨目を覆う笞刑、野獣的状態に陥った犯罪者の心理などを、深く鋭い観察と正確な描写によって芸術的に再現して、苦悩をテーマとする芸術家の成熟を示し、ドストエフスキーの名を世界的にした作品。

このあらすじを読むと、監獄内の虐めのような陰惨極まりない事象が書き連ねてあるのかと思うが、そうではない。
陰湿さはなく、書かれていることが酷な場合でも目を背けずにまっすぐ読める。
だいたいあの、アウシュヴィッツのように、生理的に嫌悪を感じるような出来事はない。
困ったヤツはいるけど、虐めのようなものは発生していない(貴族に対する差別はあるにせよ)。
何が描かれているかといえば、人間である。
獄中の人間。
罪を罪とも思わないモラルの欠片もないような人間がいたり、そうかと思えば礼儀正しく心の優しい青年がいたり、類型は本当にさまざまである。
ドストエフスキー自身、これまでにないくらい多くのタイプの人間を観察できたというようなことを手紙だか何だかに書いているらしい。


いろいろ、それはもう本当にいろいろとあるのだが、とりわけ興味深かったのは、「何よりも辛いのは、ひとりきりになる時間が全く持てないことだ」と書かれていたことだ。
ひとりきりになれない。
そのことが一番辛いと、確か『夜と霧』でも書かれていたと思う。
時代も背景も入れられたところも全く違うけれど、全く同じ感想を持つということは、それが真実だからだろう。
ひとりになる時間が持てるということは、贅沢なことなのだ。


面白かった。
でも大変だった。
それでも描かれているのが「ニンゲン」でありそれら「ニンゲンの物語」であるせいか、(キツイとは思いつつも)のめるようにして読めた。
私はやっぱりドストエフスキーが好きなんだな~(たぶん)。
バルザックと一緒で、読み始めるまでが長いけど、読み出すとツライツライと思いつつも、つい先を読んじゃう。
だって面白いから。「どうなるんだろう」と思わされるから。
そしてまた、彼らがとる立場、つまり文章の端々から感じられるヒューマニズムも、好きなんだろうなぁ。
だから私にとっては、この本は監獄について書かれたものではなく、ニンゲンについて書かれたものなのだった。
(なんかまともな感想になっとりませんが……荷が勝ちすぎたってことで勘弁して)

▼この本はこちら(何時間かもうわからない……結構かかることは間違いない)
死の家の記録改版





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Last updated  2006.05.11 13:05:15


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