PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

苫治安

苫治安

2006.04.14
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
■演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン

■日時:2006年4月14日(金)18:30~
■会場:東京オペラシティコンサートホール(タケミツメモリアル)
■曲目:マタイ受難曲

いつになく印象の悪い公演だった。

まず、自分が悪いのだが、いつもと同じ19時始まりのつもりで遅れて行ったため、入れなかった。
25分遅れた私が30分待たされたということは、5分遅れの人なんかほぼ1時間待たされたということか?
開始時間の変更に気付いてなかった同類は他にもたくさんいたし、そのくらい予測してもうちょっとなんとかできなかったのか(そりゃ遅れたのは自分が悪いんだけど)。


しかも、今回初めてこれだけ外で待たされたことで、このホールのやり方がまるでなっていないことに気付かされた。
我々は金を払って音楽を聴きにきているのだ全員。
遅れようがそれは同じことだ。
しかるにここのホールのスタッフどもは、平気でひどい騒音を立てる。
ドリンクバーでは準備のためかしらんがビール瓶かワインボトルをガチャガチャ鳴らし、グラスを落としてガッチャンとそこら中に響きわたる雑音を立てるし、他の部署もザワザワ五月蝿い。
極めつけは我々が中に入る5分前、ロビーの中ほどに仮設売り場を作るため大きなキャスターつきの机をガラガラとものすごい音を立てて移動させたことだ。
あと5分待てばいーじゃねーか。そうしたら遅れてきたお客もみんな中に入るんだから。
バカのうえに無神経。

タケミツメモリアルは音楽ホールとしてはすばらしいが、そこのホールスタッフはサイテーである。

きれいなカッコして丁寧に喋りゃいいってもんじゃないぞ。
「他のホールでも似たようなものでは」と思うかもしれないが、それは間違いだろうと思う。
少なくとも今まで、芸術劇場や文化会館で待機中にこんな五月蝿い思いをしたことはない(サントリーの大ホールはちょっとアヤシイが…)。

あそこは遅れてきた人が、中に入るまでも演奏を聴いて少しでも楽しめるように、映像と一緒にスピーカーできちんと中の演奏を流してくれるのだ(もちろん大きい音にはできないが)。お喋りするスタッフぐらいはいるが、できる限り音を立てないようにしていたと思う。今思えばまるで天国のような環境だ(オペラシティが地獄)。

何も通夜のように静かにしなきゃならんと言いたいのではない。
そうじゃなくて、遅れてきた客も音楽に耳を傾けたいだろうという気配りがされるかどうかの差なのだ。
オペラシティにはそれが全くないとわかった。
心の中でホールのランクを思い切り下げた(私が下げたからってどうということもないけど)。

*  *  *  *  *  *  *



………………練習不足では?
たまによくまとまったパートがあるかと思うと、お次はバラバラガタガタになってしまう。
特に前半、これはホールの外で聴いていたせいもあるかもしれないが、てんでばらばらな感じの演奏が目立った。

遅刻者が中に入れてもらってしょっぱなに聴いた、バスの浦野のアリア。
これまで聴いた中で サイアクの出来 。
声質も良いし声量も割とある人だったのになんだこれは。
まず声が鼻にかかってしまっていて、思わず「花粉症ですか」と問いたくなる。それはまぁ本当に風邪でも引いていたのかもしれないから、見なかったことに(もとい聴かなかったことに)しよう。
耐えられなかったのは、「浦野くん教科書読んで」と教室で先生に指されて読んでいるような、あんまりなつまらなさである。
なんでそんなつまらないように歌うんだ。
ああつまらんかった。
そのアリアだけかと思ったが、他もイマイチ。ピラトの台詞は堂々としていてよかったが、ペテロが情けなく「知らない」と繰り返すところはダメダメである。あのなー、ピラトなんかよりペテロのほうがよっぽど重要なんだけど。何をどう表現したいのか全然わからない歌い方(つまり何も伝わってこない)。単に表現の幅がまだ少ないだけか?(うわ、エラソー……(汗)……ま、8枚もマタイを持っているとこれぐらいは言いたくなるってことで、ゆるして?)
後半のアリアも前半よりマシとはいえ、楽器に負けていたし、もう少しなんとかしてくれ。
もうちょっとで「金返せ」と言うところだ。

それを言わずに済んだのは、ロビン・ブレイズのおかげだった。
イエスの予言どおり「あんな男は知らない」と三度否定してしまうペテロの台詞は、上記のとおりただの棒読み(棒歌い?)だったが、続くペテロの悔悟のアリアは素晴らしかった。
こうやって書いているだけでメロディが鳴り出すくらいだ(ホントですって)。
私はどっちかってゆーとカウンターテナーだったら「頬の涙が甲斐なしとあらば」のアリアのほうが好きだったのだが、それを吹っ飛ばすくらい良かった。
非常に抑えた歌い方で、けれど楽器に負けることなく後方まで声が届く(あれ不思議だよなー上手い人ってどーして小さい声が後ろに小さいまま届くのかなー)。
生真面目で面白味のほとんどないストレートな歌声が、なぜか 切々 と胸を打つ。
このアリアで他はすべて許せると思った(くらい強烈だった)。

なんかマタイを聴くたびに「私って鈴木雅明とは合わないのかも」と思う気がする。
今回一番気に入らなかったのは、楽器がところどころでバラバラになるところと(でもこれは指揮者のせいじゃないかも)、コーラスのボリュームを総じて上げすぎるところである(これは指揮者、もとい演出の責任だろ)。
だってハーモニーにならないんだもん。わんわんと響いて混ざって、一つの騒音になっちゃう。
「バラバ!」のところなんか、全然美しく感じられなかった。すごくお気に入りな一節だけにチョー不満(笑)。
期待して待ってたのに!
あとでホームページを読んだら、第1グループを8人、第2グループを12人にして、アンバランスさがどう響くかやってみたいとかって書いてあったけど、アンバランスも何もあんなボリューム上げたら何もわからんだろ。
だいたい第1グループに声量豊かな独唱者が入ってるんだから、1人ずつ増やしたところでアンバランスさが出るわけもない。本当にやりたかったら2:3じゃなく1:2の割合にしなきゃ。ブツブツ。

じーっと聴きながら、何がいつも合わないのか(鈴木雅明と)をやっと言葉にできたかもしれないと思った。
実験に注力しすぎなのでは…?
たとえば、初稿をやってくれるのは確かに面白いし興味深い(なんかいつもアルトが歌ってるはずのパートを一箇所バスが歌ってたよーな気がするし、聴いたことないコラールが前半最後にあったよーな気がするし、稿によってけっこー変わるんだと思うとワクワクすることもある)。
が。実験的解釈でやろうとするのはいいけど、私は「受難曲」を聴きにきてるのだ。
これが「受難曲」であるというポイントを、置き去りにしてないか?
私はキリスト教徒じゃないし、あちらさんは真正のキリスト教徒なんだから、こんなことを思うのはまるで当たらないかもしれないが、とにかくほぼ毎回そういう印象を受けてしまうようだ。
そんなわけで、わりと不満のくすぶる回だったので、今回はプログラムも買うのをやめた。
いいんだ、あれだけ何度も聴くとだいたいどのへんでどんなことが歌われてるかわかるから(すごく大雑把だけど)。

マタイ中で恐らく最も好きなアリア、最後の「心の中を清め、主を迎えよう」といった詞のバスのアリアは、今日の演奏ではすごく大人しかった。
だいたいこのアリアは「歓喜」をもって歌われることが多いのだが(だから8枚持ってるとこのくらい言いたくなるんだって)、ペーター・コーイの歌唱はすンごく地味だった。
その代わり、やさしい。
とてもやさしさに溢れたアリアだったような……。
ゲルト・テュルクは相変わらず好かったが、今回は中盤でほんの少し「ちょっと雑?」と思うところがあって残念だった。でもそれも演出かも。
これまで言及していない他の独唱者は、まずまずの出来。悪印象はないが、さほど頭に残っていない。

あ~どこかでBCJ以外のマタイを聴きたいな(ナマで)。
それでBCJに戻れば、また新しい発見があるんじゃないかと思う今日この頃であった。
(そういえば6月にヘレヴェッヘのロ短を聴きにいくんだ。今から楽しみ♪)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.04.17 19:11:13


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Calendar

Comments

苫治安 @ Re:BLOG、いま見せて頂いてます(11/18) おごじょさん 書き込みありがとうござい…
おごじょ@ BLOG、いま見せて頂いてます ペルーの写真見てます。トマトさん、ほん…
苫治安 @ Re:忘年会やりますよ(12/18) たまみさん >アマクリ残党?!で忘年会…

Archives

・2026.10
・2026.09
・2026.08
・2026.07
・2026.06

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: