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苫治安

苫治安

2007.04.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
例の「受胎告知」を見てきた。

私だって行けるかどうか怪しいし、運良く無料券もらったし、友人Mを引っ張って見に行った。
(友人Mはウフィツィで見てます)

「受胎告知」は、正門から入って正面の本館に飾られていた。
予想よりは人が少なく、それなりに見られたかな。
遠近法がわざと少し狂っているようなのが面白い。
友人Mによれば、「パースがカンペキな絵を描くと作品として面白くなくなるから、わざとじゃないかな」とのこと。
背景の木々や地面の草花は人工的だった。

後期の作品では、背景はより写実性を帯びていくけれど、それでも私たちとは「自然」に対する感覚が大きく違うような気がする。
受胎を告知する大天使ガブリエルの手にある白百合は、かわいらしいサイズの花で、原種に近いのかもしれないねぇと友人Mと話した。

本館を出て左奥の平成館へ行くと、レオナルドの精神活動の展開とやらについて、手稿を元にした構成の展示がある(残念ながら手稿そのものはない……ファクシミリ版はあったけど)。
聖母子像の下書きについて「どっちの足?」などというビデオが流れていて、おかしかった。
中央の2本の足が、聖アンナのものか聖マリアのものなのか、どちらもありえるような描かれ方で、わからないのだ(まぁ、あっちが聖アンナの足だったら、それはそれは行儀の悪い聖アンナができあがるけど……)。
下書きだけでなく、本画の人物配置もかなりヘンテコで、人の悪い画家が観る者を混乱させるためにわざとそう描いているとしか思えない(笑)。

あとはスフォルツァの騎馬像の実物大ブロンズが、前脚の部分だけあって(それだけでもすげー巨大)、「レオナルドってヘンな奴」と思わせるのに一役買っていた。
ほんとーにヘンな奴だよ。
だいたい、騎馬像だってその像の設計だけじゃ気がすまなくて、どういう工場でどういう手順でどうやって製造するかまで事細かに考えている(という証拠が残っている)。
そういうものを見ると、芸術家ではなく、根っからの職人なんだな、と思っちゃう。

さて。友人Mは、レオナルド研究の第一人者による研究書集大成の発行のお手伝いをしていたので、レオナルドの素描なんかを見ると、当時のことを思い出して、まだツライようだ(笑)。

何かの図案を見ては「ああ、これもあった。ネジネジね」などと冷めた口調で(むしろ嫌悪感漂わせて?)言ったりするのを聞くと、傷痕の深さを垣間見るようで涙をそそられる(笑)。
しかも、その本の発行と前後して『ダヴィンチ・コード』が流行し、ダヴィンチ熱が吹き荒れたあとにフランスでダヴィンチゆかりの地を訪れたりしたものだから、「もうダヴィンチはいい」という気分にどうしてもなってしまうらしい。
きっとこれでダヴィンチ納めだよ、と、なぐさめておいた。

作品としては、結局、「受胎告知」とテラコッタの「少年キリスト像」(頭部のみ)しかなかった。
う~ん。

ダヴィンチを好きな人はいいけど、作品を見るつもりで行くと肩透かし食らいますのでご注意。





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Last updated  2007.04.25 12:38:21


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