人を救う医療の実現を目指すブログ

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2005.12.23
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カテゴリ: ダイエット情報



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 消化管ホルモン・グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)
 によるエネルギー消費

 栄養所要量研究部 大坂 寿雅
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 私たちが食物を摂取したあとには消化や吸収を助けたり、
吸収された栄養素を体内で処理するために様々なホルモンが
分泌されます。その一つに食べたものが小腸や大腸に入って

ン様ペプチド1 ( g l u c a g o n -l i k e peptide-1; GLP-1)
というホルモンがあります。

 GLP-1には膵臓に働きかけてインスリンの分泌を促す作用
があります。インスリンは吸収された糖などの栄養素を細胞内
に取り込ませる作用がありますので、これはGLP-1が「これか
ら栄養が全身に行き渡るから膵臓はインスリンを分泌して栄養
を処理して」と知らせる作用と理解されます。また、胃に働きか
けて胃の内容物を腸に送り出すことを抑制します。

 この働きは「腸は今は入ってきている食べ物の消化・吸収に
いそがしいので胃の中の食べ物はしばらくそこに留めて待って
いて」と胃に知らせる意味をもつと考えられます。この他に注目

「腸には食べ物がいっぱいあるから食べなくていいよ」という
ことを脳に知らせる満腹物質としての働きもあります。

 さて、私たちが食事をとる大きな意義の一つには体に必要な
エネルギー源(カロリー)を取り入れることが挙げられます。
そして、摂食後に分泌されて満腹物質として作用するホルモン


 そこで、ヒトや動物にGLP-1を注射してエネルギー代謝を調
べた研究がこれまでにいくつか報告されてます。しかし、ヒトに
GLP-1を注射したところエネルギー消費が増えたという報告が
ある一方で、GLP-1の注射によって食事後におきていたエネ
ルギー消費が小さくなったという一見反対の報告もあります。

 私たちは麻酔をしたラットを用いてGLP-1によってエネルギー
消費がどのような影響を受けるか、もし影響があるのならば、
それはどのような機構でおきるのかを調べようと思いました。
麻酔ラットを用いたのは、GLP-1によって摂食などの行動変化
がおきるとそれ自体がエネルギー消費に影響するので、
そのような二次的な影響を避けるためということがひとつの
理由です。また、覚醒状態では使用できない薬物や外科的処置
を行うことができますので、GLP-1作用の生理機構を細かく
調べることができるからです。

 ウレタンで麻酔をしたラットの静脈内にGLP-1を投与すると
エネルギー消費が増えることはすぐに分かりました。
この作用は摂食抑制をおこすとされているGLP-1量の十分の
一でもエネルギー代謝を基礎代謝率の20%増しにして、体温が
0.2-0.3℃上昇しました。満腹物質であるGLP-1がエネルギー
消費を促進することは「お腹の中にエネルギー源が入ってきたの
で、細胞内にあるエネルギー源は少し燃やして肥満にならない
ようにしよう」という意義があると考えられます。

 この反応の生理機構を明らかにするために、自律神経系の
伝達阻害薬やアドレナリン受容体を妨げる薬を投与したり、
外科的にいくつかの臓器を取り去っるといった処置をしたラットで
GLP-1の作用を調べました。その結果、交感神経系と副腎髄質を
介してアドレナリン受容体に作用する反応が関係していることが
分かりました。

 交感神経や副腎髄質は脳がコントロールしています。そこで
GLP-1によるエネルギー消費反応には脳が関係しているのは
明らかなので、脳のどの部分が関係しているのかについて脳を
部分的に切除する手術を行って影響を調べてみました。

 その結果、自律機能の上位中枢とされている視床下部は関係
なく、生命維持の実行中枢である下位脳幹部がGLP-1による
エネルギー消費反応を処理していることが分かりました。

 「満腹感・空腹感」という感覚とか判断は脳が行っていますが、
その元となるシグナルは血液中の栄養素であったり、消化管から
分泌されるホルモンです。GLP-1を含めたこれらのシグナルは
無意識のうちに消化・吸収やエネルギー消費を調節する働きもして
います。

出典:Osaka T, Endo M, Yamakawa M, Inoue S:
Energy expenditure by intravenous administration
of glucagon-like peptide-1 mediated by the lower
brainstem and sympathoadrenal system. Peptides.
26: 1623-1631, 2005

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発行 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 
〒162-8636 東京都新宿区戸山1-23-1
TEL:03-3203-5721
URL:http://www.nih.go.jp/eiken/ 

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Last updated  2005.12.23 14:37:09 コメントを書く


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