
庭の片隅に、去年生った金柑がまだ付いていて一層完熟度を増している。青いものは冬を待って更に膨らみ黄色を帯びてくる。
筑波山麓は金柑の特産地で、今では地域振興の一助を担っている。
してみると、万葉の頃から金柑か柑子らしいものが自生していて、歌垣に参加した人たちが採って食したり、櫛飾りにしたのではないかと想像する。
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当地を縦断する岩間街道は、岩間、柿岡を経て筑波に至る当時の主要道路であり、筑波の歌垣開催時には行列をくんで通行したのではないかと思う。
そして、踊りの場でカップルが生まれると生家へ帰らず、途中で定着する者も居たような説話があちこちに残っている。
その限りではよき時代で、金柑の枝を簪にして踊り狂う男女の光景が瞼に浮かぶようだ。
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