深秘の華苑

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黒左右衛門

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2002.05.03
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こころに浮かびし由無し事
 午前中、既に実家に遊びに来ている姉から電話がある。
「あんたいつから実家帰るのよ? あしたじいちゃんの墓参り行くって話あんねんけど」
「あ? じゃあ明日途中であたし拾ってよ。今日はあたし学校行かないかんし」
「・・・・・何で学校行くの?休みやん」
 仕方ないやろ! 仕事てんこ盛りなんだよ! こっちが聞きたいさ。

 喉が痛い。扁桃腺が腫れているっぽい。ていうか最近体調最悪なんだけど何で?前ほどは無理していないんだけど。

 髪が伸びた。以後伸ばす事を前提にして前はカットして貰ったのだけど、この長さが一番鬱陶しい。
 鬱陶しさに負けて切るか、卒業式の為に堪えて伸ばすか、真剣に悩む(嘘)


 ていうか、いい歳のくせによくコケる人ってどうかと思う。

 昨日、事務のおばちゃんと連休について語る。
「苦労ザエモンは連休どっか行くの?」
「う~ん。前半休んじゃったからねえ。取りあえず明日は来ますよ。ホラ、あたしD3だしさ。切羽詰まってるんで」
「え!? 苦労ザエモンってD3だっけ? 早いねえ!」
・・・これはどう受け止めたらいいんだろう。謎。
 これと同じような会話を、かつて余所のラボの教授にされた事がある。論文進んでる?みたいな話をしていて、「今年中に通さないとねえ。あたしD3ですからねえ」と云ったら「えぇえっ!! 苦労ザエモンってD3だっけ? マジで? 早いなあっ! 僕、君の修論の副査したのにねえっ!」と云われた。何故に皆あたしがD3だと云うと驚く?(そういえば今年入った4年生にも「マジでD3ですか?」と云われた)・・・あたしが若作りだからか(爆)

 論文の見直しをする。ていうか重大な障害を発見。アブスト書いてない。どうしても英語にできなかった部分がそのまま放置してある箇所がある。挙げ句にかなり早い段階で登場する参考文献を一本抜かないといけない事を思い出す。その一本は講師が投稿して、リジェクト食らってそのまま放置してある論文。ref.の番号を振っている当時はリジェクト食らう事を想定していなかったんだ。そしてそれにまつわるエトセトラでややこしい事になっているのが発覚。死亡。

 ちなみに今ラボにあるあたしの勉強机は史上最悪な状態になっている。参考文献の山(辞書とか書籍、そして大量のプリント類で構成されている)が5つ位あって、山と山の間にやっとPower Bookを置いてぽちぽちキーボード叩いている状態。二つ位、雪崩が起きそうな状況になっている。でも一段落付かないと整頓した所でまた汚くなるのが目に見えているからそのままにしている。山には地層もできていて目出度い事だ。鬱。

 彼氏さんは今日辺りからこちらに帰ってくるらしい。でも会社関係のゴルフに行っちゃってるし、あたしは「忙しい」事になっているので多分最終日に一緒にランチする程度だろう。4月末に逢っているから「忙しい」と云っても彼氏は文句云わなかった。良き哉良き哉←鬼畜


 連休には。一人で。
 爆睡したいし買い物に行きたいし、読みかけの本も読みたい。
 あ、布団干したいし掃除をこてんぱんにしたい。
 「独眼流政宗」(懐)のビデオも観たいね。
 出来ないけど、勉強机の上を綺麗にすっきりさせたいよ。一見賢そう(日本語のモノ殆ど無いし、専門書ばかりだから)だけど醜いし。


 多分明日から実家に帰るとこたろうと遊んじゃって何も出来ないし。
 こたと遊ぶのは楽しいからいいのだけど、目前の仕事がちっとも減らない。
2002/05/03 16:10:14

愛と誠. 補足 フォローとも云う。
 マコトがマルチを始めたのには、それなりに理由がある(本人談)。

 奴は大学卒業後、ある職に就いたんだけど、そこで結構現実を目の当たりにして幻滅したんだそうだ。汚職スレスレの行為が日常的に行なわれていたり、自分はどれだけ頑張ってもこれ以上は出世しないし、昇給もそんなには望めない。俺将来どうなっちゃうの? と一時期本気で悩んだらしい。ちなみにこの時、あたしに「仕事辞めるかもしれない」ってこぼしていました。でも、理由もなく突然云われてもあたしには何故奴が仕事を辞めたがっているのかは分からなかったので「取りあえず次の仕事が決まるまで待ったら? あんた貯金も少ないし、その勤続年数だと失業保険も出ないんじゃないの?」みたいな事を云ったのを覚えています。
 その頃、職場の野球サークルの先輩にマルチに誘われたんだそうです。
 ・頑張れば収入は増える
 ・本当にいい商品を扱っている
 ・友達も増えるし皆に喜ばれる
 ・もっとランクが上がったら、仕事をしなくても収入が入るようになる
 …みたいな事を吹き込まれ、挙げ句に成功者の話を聞いて一気にテンションが上がっちゃって、とにかくまずあたしを勧誘したんだそうです。

 奴も元々田舎のぼっちゃん育ちなので、それまでマルチみたいな職種を知らず、世間での「マルチ商法」に対する視線の冷たさを知らなかったようです。奴がマルチを始めたのが社会人2年目で、あたしみたいに大学院に行って世間から隔離されていない限り、大概の人は一度やニ度は勧誘されたり話を聞いていたようで、
「うわ。マコトがマルチにハマったよ~。いきなり『鍋大会するんだけど』とか言い出したら気ィつけや~」
 みたいな連絡網がサークル繋がりの友人関係に回ったらしく、結局マコトは一時期そちら方面ではちょっとイタい存在になってしまいました。あたしも迂回ルートで気ィ付けや、と云われた時には「もう遅いよ(苦笑)」なんて云ってしまいましたが。

 別にね、その商品が好きだから、マコトがそれを使っている。その事自体は構わないんですよ。そこは個人の問題だしあたしが口出すものでもないし。
 ただね、「この商品は絶対いいから!」「もう他の会社のやつなんて使うなよ!」と自分の価値観を人に押し付けたり、マルチはちょっと・・・とか云うとキレられたりするのは、ちょっと(かなりかも)迷惑だし。それで多分ツレ達も敬遠しだしたんだと思うし。
 それにね。正直この当時イタかったよ、側で見ていて。「鍋で御飯炊けるから」と云って炊飯器を捨ててみたり(←ここら辺が物凄く頭が弱そうなのですが)、いきなり環境の事を語り出したり(しかも科学的根拠が間違っている方面で)、奴の部屋に行く度に『成功者』と撮影した写真が増えたり、挙げ句「いいだろ~コレ」と御満悦になってみたり。・・・商品はまず自分で買い揃えないと良さが分からないからって、沢山商品をそろえてローンを組んでみたり。貯金も皆使っちゃったし。でも本人は幸せなんだ。
 まだ、すっぱりと「俺は成功したいんだ。お前、俺の為に金を捧げてくれ」って云ってくれた方が余程潔いし解り易いのに、奴はその当時本気で自分は凄くいい事をしているんだ、皆で幸せになるんだ、と信じ込んでいた。だから無碍に断れなかった。瞳を爛々と輝かせて(これはマジで!)「幸せになろうよ」的な事を云われたら、いくら「間が持たない時のどうしようもない沈黙を埋める達人」と呼ばれるあたしでも言葉がでなかったさ。
 それがイタくて仕方がなくて、いつもあたしの事では無く副業のことばかり考えているマコトが見ていられなくて、あたしはその時マコトの側から逃げた。結局一月後に逮捕されたけど(苦笑)

 マコトはその後、一時期の異様なテンションの高さも一段落して、それなりに地道にやっているようです。大学時代のツレには殆ど触手を伸ばし(そして殆どに断られ)切ったので、今は違う方面から人間関係を作っているらしくて。

 実際金銭的な事とかは把握していないのだけど、金銭関係も人間関係も、あまり酷い事にならない程度で抑えておいてね、て思う。
(ちなみにそうやって生暖かくマコトを見守っているあたしを、ツレは「甘い」と云いやがった。そうだよあたしゃ甘いよ;爆)
2002/05/03 13:25:28

愛と誠.4
 何日か経って、あたしとマコトは再び大喧嘩になった。
 マコトは云う
「俺が信用できないのか?」
「俺を信頼してるから、俺達ここまで続いたんだろう?じゃなかったらもう終わってるよ! 何で俺のしている事を信じないんだよ!!」
 狡いよ。そういう責め方は。だから云ってやった。
「あたしはマコトを信用している。じゃなかったら5年も関係続かないやん? でもな、マコトは信用していてもマコトの信じるもの総てを鵜呑みにできる訳やない。あかんと思うもんはやっぱり許されへん」
「あんたに乙を辞めろ、とは云わない。あんたがやると云うんならあんたの人生だし、気が済むまでやればいい。それは止めない。でも、あんたがあたしを信用してくれているんなら、あんたを信用していても乙に参加しいひんし乙を認めないあたしを認めてや!」
 あたし達はこの時でも結局5年以上関係があったんだけど、初めてお互いを信頼しているとか必要としているとかを真剣に話し合ったような気がする。
「俺はお前を利用しようとなんかしていない。それはお前の考えすぎだ。只、一緒に成功したかったし、本当にいい商品だから使って欲しかったし、これでずっと苦労ザエモンに綺麗で居続けて欲しかっただけなんだ」
 あたしはこの言葉を信用している。何故って・・・この当時、マコトは本気で自分の扱っている商品が世界に類を見ない位に高級品だと信じ込んでいたから(核爆)。

 結局、何時になく怒って珍しく泣いて(この時がマコトの前で2回目に泣いた時だったんだ)「あのなあっ。少年ジャンプ読んでる奴に『何やお前週刊マガジン読んどるんか』て云われるみたいで癪やねんから、人んちの洗剤やら化粧品やらに文句たれるのやめてやっ! あたしのアイデンティティを崩すなや!」と訳の分からないキレ文句を発散し始めるに至ったので、マコトはえぐえぐ泣くあたしの頭を撫でながら約束してくれました。
「もう二度と苦労ザエモンには副業の話はしないし、もう勧誘しない」と。

 その後、一旦マコトとの関係自体を終了しようと思ったのですが結局復活し、以後色々ありながらも2年が過ぎていきました。その間、マコトは副業に関しては何も口にしません。あたしも癪なので話題を振ったりはしません。ただ、持ち物とかでカルく「ああ、まだやってんねんな」とか「今日も副業帰りなんやね」とか云うのは伝わってきますが。あたしに云わないのは、もう彼の中であたしは「参加者リスト」から外されているからかもしれないし、あの時の約束を守ってくれているからかもしれません。そこを訊くのも如何なものかと思うので、触れていませんが。
 でも、あの時の一夏の混乱が世間知らずのあたしに色々考えさせてくれたと思うし、多分家族以外の人間と真剣にお互いの信頼関係について声に出して話す機会を与えてくれたと思っています。
 その当時、「(大学時代のサークルは強烈な体育会系故に縦社会が色々面倒なので)サークル関係者は巻き込まない」と云っていたのに、そのサークルに所属していた友達から、マコトがサークルの同期を勧誘していた事、それが発端で少し友達関係がぎくしゃくしている事、後輩には「要注意人物」扱いされている事(さすがに先輩には手を出していないらしい)を聞いて、少し胸が痛みます。もしかして結構追いつめられているのだろうか、とか大…





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Last updated  2003.01.01 00:00:00
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