深秘の華苑

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黒左右衛門

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2003.09.09
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 あたしは毎朝某私鉄に乗り会社に向かう。
 他の沿線は兎も角、此の私鉄に乗った際にあたしが遭遇する痴漢は定石(多分)である満員電車で座れずに鮨詰め状態で立っていると、混雑のドサマギで痴漢してくるタイプではなく、比較的空いている時間帯に二人一組タイプの座席の窓際に座っていると通路側に座ってきて逃げられないようにして猥褻物を大公開してきたりお触りしてきたりする方が多い(当社比)。
 しかし、其れはあたしが自宅生だった頃の統計であって、すっかり電車に乗らなくなった上に年老いてピチピチ度が低下した昨今ではめっきり痴漢に遭う機会も減少した。いや、遭いたい訳ではないけど。

 今朝。
 あたしは最寄り駅から電車に乗った。電車に乗っている時間は30分弱なので恐くて眠れない。しかし其の時間に本を読んでいるのも疲れる(謎)ので、大概出勤時はMDを聴き乍ら目を瞑ってぼんやりしている。んで、今日もいつもと同じくぼんやり体勢をとり意識を飛ばした。最寄り駅の次の次の駅では人が大勢乗り込んでくる。二人掛けシートに挟まれた通路にも人が溢れ出す。しかしあたしは肘掛けに手を置いて意識を飛ばしていた。
 ふと気付くと、肘掛けに載せていた腕に何かが当たる感触がした。目を開けると、スーツ姿のおっさんが居た。そんなに座席(ちゅうかあたしに)近付かんでもええやんと思いつつも余り気にせず再び意識を飛ばそうとした。しかしコンスタントに腕が彼の身体に触れている。擦り付けられる程の強さでは無いが、無視出来ない位には触れてきている。なんかやらしぃなぁと思っていて、しかしふと気付いてしまった。


おっさん、チソコ勃ててるやろ。


 そう。車輛は云う程ぎうぎう詰めでもなく、おっさんがあたしの腰掛けている場所に押し付けられる謂れも無いのだ。なのに此の距離そして此の感触。わざとなのかあたしがなんらかの刺激を与えて勃ててしまったのか解らなかった。取り敢えず肘を引っ込めた。
 ややして、電車は減速しあたしの降りる駅になった。準備をし、出口迄移動する為に立ち上がった。立ったままのおっさんと目が合った。
 瞬間。



 お前、痴漢か?

 取り敢えず感じ悪かった。







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Last updated  2003.09.09 21:27:54
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