ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2004年01月27日
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 在京TV局某番組のディレクターを名乗る方から、メールで取材を申し込まれた。テーマは「買い物依存症」とのことで、てっきりカウンセラーの立場からコメントでもするのかなあと思いきや、ずいぶん前にこの楽天日記に書いた「買い物依存症」をYahoo!か何かの検索でお読みになったらしく、「患者として」登場してほしいという。

 ビデオカメラを貸し出すので、日々の「買い物依存症」ぶりを映像記録に収めてほしいという趣旨だった。

 なんだかイージーだなあ。いつでもすぐにカメラに収められるほど買い物依存症ぶりが激しければ、とうに生活が破綻しているだろう。

 私の場合は、依存したくて依存しているわけではなく、爆発的な買い物衝動がある日突然やってきて、制御できなくなるという性質ものだから、リアルタイムの記録として残すのはまず不可能である。

 そもそも専門医やカウンセラーから診断を得たわけではなく、誇張的な、まあ、言ってみれば文学的表現のひとつとして買い物依存症という概念を用いたまでのこと。

「テレビの求める“絵”と文学的表現の間には乖離があるということですね」

 と、ちょっとばかり毒と皮肉を含んだ返事を送ったのだが、通じなかったようだ。「買い物依存症を克服された方法について、いま、買い物依存症に悩む人のためにコメントしてください」という趣旨のメールが再度届いた。やれやれ、である。

 雑誌「噂の真相」にも書かれていたけれど、最近、TVのニュース番組は放送時間をむやみに拡大する傾向があり、かといって人々の関心を引くニュースの量には限りがあるため、新たにニュースを「掘り起こす」必要に迫られているようだ。

 そこで、格好の題材になるのが、拒食症、児童虐待、そして買い物依存症といった「心の病」に陥った人々である。顔をぼやかし、音声を変えた「A子さん」として登場し、その問題行動を分かりやすい「絵」として見せ、いかに自分が苦しんでいるかを訴えてみせる。これに対して、精神科医などの訳知り顔の識者が登場してコメントを加える。



 いま、社会で起きている問題について、視聴者みんなが一緒に考え、悪いものは正し、良いものはさらに広めようという大義名分のもと、A子さんはいかようにも切り刻まれ、料理され、消費されるのだ。

 A子さんに必要なのは「治療的関係」や「癒し的関係」であって、魔女裁判の被告人席に立つことではない。仮にA子さんがいまは心の病を克服したとしても、TV出演をきっかけに、予後が著しく悪くなり、再発のリスクもあり得る。本人の置かれた環境が著しく変化するからで、心の病を起こす、あるいは起こしている人にとって、環境の激変ほど悪いものはないのだ。

 まあ、これも何かの機会だから、買い物依存症について、勉強し直してみようかな。本棚をごそごそごそ……。

『買い物しすぎる女たち』(キャロリン・ウェッソン著、斎藤学訳、講談社1992年)

 第10章に「余計な買い物をしないための11ステップ・プログラム」という役に立ちそうなハウツウが出ているので、参考になりそう。私にメールを下さったディレクターさんも、ぜひ読んでくださいね。

 さて、昨日読んだ本は、『不幸になりたがる人たち 自虐指向と破滅願望』(春日武彦著、文春新書)。

 この中に、依存症の人々の多くが抱いている「被害者意識」について、辛口だけれども、唸ってしまう分析が出てきた。詳しくはまた後ほど。





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最終更新日  2004年01月27日 11時25分44秒


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