ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2004年02月24日
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テーマ: 読書の処方箋(4)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 昨夜、寝る前に「さて、今夜はどんな本を寝床へ持っていこうかな」と考えた。

 仕事部屋のテーブルの上の「積んどく本」から選んだのは、『成功する読書日記』(鹿島茂著、文藝春秋)。

 鹿島さんの「本の虫」ぶりは、とにかく凄い。『子供より古書が大事と思いたい』だなんてタイトルの著書まである。念願の一戸建てマイホームを手に入れたとき、16畳の書庫をつくり、全壁面に天井までの書棚、さらに部屋の中央にE字型に書棚を配したが、それでも引っ越しのときに持参した蔵書で全て埋まり、前のマンション時代と同様に、家のあちこちを本の山が侵食しつつあるとか。

 そんな著書の書く読書日記のハウツーだから、説得力があるんじゃないかと思った次第。

 漫然と好きな本を読むだけでなく、それを日記につけることによって、もっと多くの本を読みたいとか(コレクションへの欲望)、自分の弱い分野を補いたいとか、「体系化への志向」が生まれてくるという。これは映画も同じ。そして、体系化によって、批評眼、鑑識眼も養われてくる。

>コレクションとしての読書や映画鑑賞で、同じジャンルの小説や映画を「収集」することは、この類似と差異に目を開き、どこがどのように優れているかを教えてくれるのです(13ページ)。

 なるほど批評には比較が必要。鑑識には鑑別が必要だ。

 鹿島さんは、「量を軽んずるなかれ」と書く。私たちは、「コレクター」と聞くと、マニアック、自己満足、オタクといった色眼鏡で見がちだが、しかし、量をこなして初めて質が見えてくるという。

 自分の好きなジャンルにこだわってコレクター的に読書をしていても、そこにはジャンルとジャンルの境界的なものが含まれてきたり、そういった「夾雑物」によって隣接するジャンルへの橋渡しが行われ、冒険小説からSF小説へというように、コレクションが開かれることがある。



>ジャンルを越えたところに存在する、ある種の約束事が理解されるのです。それは、「小説」という、より大きなジャンルの約束事であり、語り手と主人公、物語とテーマなどという共通項を持っていることが理解されます。ここにおいて、私たちは、「小説」そのものについて考えることになり、いわゆる批評意識を抱くに至るのです(14ページ)。

 これに似たようなことを、「桃尻娘」で有名な橋本治さんが『わからないという方法』(集英社新書)で書いていたことを思い出した。鹿島さんの書く「約束事」について、であるが、

>「ドラマとは、人生の局面を切り取ったパターン認識であり、ドラマとはいくつかの定形とそのヴァリエーションである」ということを、私は明確に認識している。だから私は、どんなドラマを見ても驚かない(229ページ)。

 驚かないレベルに到達してしまうのも、ちょっと寂しい気もする。そういえば以前、橋本さんにインタビューしたとき、ひどくつまらなそうにしゃべる様子だったのが印象に残っている(そうやってしゃべってくれた内容は滅茶苦茶面白かったけれど)。

 それはさておき、まずは量!というメッセージが私には嬉しい。最初から質を気にしなくても、読書の量をこなせば質へ、具体から抽象への転換が呼び起こされるという。

 いよいよ肝心のノートの書き方だが、

 著者と題名、出版社名、読んだ日などの基本情報に加えて書くべきこととして、まずは「遭遇時情報」。書店や図書館で本と遭遇したときの情報を書く。すると、そのときの書店の情景や体で感じた印象が想起され、本そのものの記憶もずしりと根付くというわけだ。なるほど、これはいい。

 だから、ネット書店で本を買うのはつまらないという。そうだよなー。それに、ネット書店は衝動買いの元凶だ。

 本の手触り、「買いたい」「読みたい」と思ったときの身体感覚の全て。そうしたものも、読書の楽しみのうちのひとつだろう。

 批評や感想については、いきなり書くのが難しいのであれば、★、★★、★★★といった3段階で評価したり、星取り表形式にすれば始めやすいという。これもいいな。

 もうひとつ、批評や感想へたどり着く前段として、引用がある。



>引用の習慣を続けていくと、その読書日記が、ひとりでに、オリジナルな名句名文選(アンソロジー)になっていく(23ページ)

 引用に慣れたら、引用文を組み合わせて要約(レジュメ)をつくる。それにも慣れたら、引用文に頼らずに物語や思想を自分の言葉で言い換えて、要約してみる。

>フランスの教育では、これをコント・ランデュと呼び、引用を使ってするレジュメとは区別しています(26ページ)

 レジュメとコント・ランデュの違いって、日本ではほとんど認識されていないのではないだろうか。素人さんばかりか、プロの書く文章にも、出典明記のないレジュメみたいなものが多い。どこかで聞いたことのあるような文章で、その人独自のものの見方、考え方が何であるかが全然明確になっていない、「借り物」のような文章だ。

 企業や官庁の流すニュース・リリースを元に書いている新聞記事には、そうした「借り物」が多い。



 さて、今日の日記の表題に書いた「寝室本、トイレ本、電車本」は鹿島さんの本の5分類法のうちの3つ。他は書斎本、居間本である。

 つまり、鹿島さんは買ってきた本を読む場所によって分類しているという。私も自然と同じようなことをしていることに気付いた。私の場合は……

1)書斎本 おもに執筆の資料や参考にする本
2)居間本 純粋な楽しみのための本。料理本、ワインやウィスキーといった酒に関する本、沖縄に関する本など
3)寝室本 アイ・クローザーのつもりで寝床に持ち込むけれども、アイ・オープナーになってしまうことも。気軽に読める小説が多い
4)トイレ本 トイレに長時間居るのが嫌いな私は、これはしない!お風呂で本を読むのも嫌い。本が傷むからね。
5)電車本 軽くて便利な文庫本、新書本が多い

 ざっと、こんなところでしょうか。







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最終更新日  2004年02月24日 11時01分21秒


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