ライフキャリア総研★主筆の部屋

ライフキャリア総研★主筆の部屋

2004年05月20日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「民間のカウンセラー養成校で学んで、カウンセラーとして就職することは可能でしょうか」というご相談を私書箱にいただきました。

 可能かどうかを決めるのは、カウンセラーを求人している企業や機関、そして自分自身の二者ですね。残念ながら、私ではありません。つまり、ニーズおよび社会的評価と、自分の中の自己効力感(セルフ・エフィカシー)と自尊感情(セルフ・エスティーム)ですね。

 最初に「民間のカウンセラー養成校を修了した人」に対するニーズや社会的評価を検討してみましょう。

 カウンセラーは、一般企業のサラリーマンやOLとは全く異なるキャリアコースを歩みます。採用先が初心者を教育して育てることは「あり得ない」と考えてください。つまり、採用され、初めて出勤したその日から、「電話相談を担当してください」とか「毎週水曜日の午後の面接を担当してください」と言われても躊躇なくその任務を果たせるだけの実力と経験を兼ね備えた「即戦力」になれる人の採用がほとんどです。

 採用側は、相手が「即戦力」となれるかどうかを判断する手がかりとして、履歴書に書かれた職歴=実務経験、研修歴、取得資格に着目します。

 資格については、臨床心理士、中級産業カウンセラーなどの評価が高くなっていますが、それにしても実務経験のない人の採用は難しいでしょう。

 即戦力としての力をつけるコースは色々ありますが、実現可能性の高いものをいくつか書いてみます。

1)カウンセラー養成校の中でのステップアップ

 養成校の中には、カウンセリングルームを併設しているところもあります。見習いカウンセラーとして雇ってもらい、経験を積む方法があります。会員数が多くて社会的認知度の高い学会に参加し、事例発表などを通じて自己アピールすると同時に人脈を広げ、次のステップアップ先を開拓しましょう。



「いのちの電話」のボランティアになるには、自己負担で養成コースを修了しなければなりません。このコースを担当する心理学、精神医学、カウンセリングの専門家は著名な大学教授などが多く、非常にレベルの高い内容になっています。ボランティアなので生易しいものではありませんが、その実務経験はカウンセラーの世界の中では高く評価されます。また、この実践を通じて、自分の適性を確かめるとともに、自己効力感を得ることができるかもしれません。

3)人材ビジネスで経験を積む

「カウンセラー」の募集が最も多いジャンルは、人材派遣、人材紹介といった人材ビジネス関連です。カウンセリングはもともと職業指導を源流とするものですから、それも当然でしょう。人と職業とのマッチングですね。このジャンルで経験を積み、働きながら社会人向け大学院で学んで臨床心理士の資格取得を目指すこともできるでしょう。

4)隣接分野とのダブルライセンスを目指す

 日本では「カウンセラー」と名乗ることに関して、法的な規制が全くないため、「××カウンセラー」が乱立しています。それは「心理カウンセラー」だけで生計を立てるのは難しいという現実を反映してます。料金に保険の適用がない、相談という無形のサービスにお金を払う習慣が根付いていない、カウンセラーにかかることは不名誉(スティグマ)であるという偏見が残っている等々といった社会の現実を無視することはできません。

 この現実を逆手に取れば、「カウンセリングのできる××」ということをセールスポイントにして生きることもできるでしょう。「カウンセリングのできるリフレクソロジスト」とか、癒し関連職種はとくに有望でしょう。

 カウンセラーは医療従事者ではないので、相手の身体に接触することは禁じられていますが、リフレクソロジスト、マニキュアリスト、エステティシャンはOKであり(厳密にいうと法的根拠はありませんが)、美容師、あんまマッサージ指圧師などは法的に認められています。

 相手の体に触れるということは、実は話を聞くだけのカウンセリングよりも非常に高い癒し効果を得やすいのです。「人を癒す仕事をしたいけれども、大学院へ行って臨床心理士の資格を取るほどの気持ちはない」という人だったら、私はカウンセラーよりも癒し関連職種のほうを強く薦めますね。

 それにしても法的バックグラウンドがしっかりしていたほうが望ましいので、美容師やあんまマッサージ指圧師といった国家資格の取得を薦めます。

 また、社会的、対人関係的なトラブルに見舞われた人(あるいはそのリスクの高い状況下にある人)を助ける専門家の分野では、カウンセリング能力が強く求められます。

 業界団体の消費者相談窓口の電話相談員には、消費生活アドバイザーの資格とカウンセリングの基礎能力が求められます。

日本クレジットカウンセリング協会 の相談窓口でも、消費生活アドバイザー資格取得者が活躍しているようです。

 以上、まとめて言うと、カウンセラーを目指すなら、「キャリアを人任せにできない」という点を覚悟しておいたほうがいい。会社勤めのサラリーマンやOLと決定的に異なる点です。

「働く場」が用意されていて、そこに加わることができれば働けるというものではないのです。「働く場」は、自分で切り開いていかなければなりません。

 だから、「……という資格がなければ就職は難しい」とか「……という資格がありさえずれば就職できる」という硬直した考え(イラショナル・ビリーフ)は通用しません。

「クライエント(=相談者)のためになる知識や技術だったら、何でも身につけよう」「私の経験や知識が少しでも役立ちそうなことがあれば、何でもやってみよう」というフレキシブルな考え方が最も大切です。



 カウンセラーは相談に来る人あっての仕事。どんなになりたくても、相談に来きた人を満足させられなければ続けられません。そこが最大のポイントでしょうね。

 誰の役に立ちたいのか。その人の役に立てるだけの能力、知識、経験を本当に有しているのだろうか(あるいは、有することができるのだろうか)。それを自分自身に問い詰めてみること。

 そのとき、明確な答えを出せれば、カウンセラーになる資格はある。出せなければ、資格はない。そういうことだと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年05月20日 12時27分49秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: