ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2010年07月16日
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都会の電車は、毎日のように「人身事故」で止まります。水曜日の夕方は、仕事で池袋へ行こうというときに、山手線が止まってしまいました。いつもギリギリのスケジュールで動いている私は、焦りました。急ぎ埼京線の乗り場へ向かうと、ホームに人があふれているのか、2つある階段のうち1つは進入禁止になっていました。

日々、仕事で違う場所へ出かける私にとって、「人身事故」で不通とか遅延という知らせは、すっかり馴染みになってしまいました。このところ増えているような気もします。恐ろしいことですが、「新たな段階」に入ってしまったという予感がします。

どうして死んじゃうんだろう。死に急ぐのだろう。でも、ふりかえってみれば、自分はなんのために生きているのだろう。その答えが見出せないのに、他人様に対して「死なないで!」なんて言えるだろうか。いや、それでも言わなくちゃいけないと思ったとき、高校時代の恩師の言葉が蘇りました。

「お前ら、死ぬなよ!」

それは、悲痛な、腹の底から絞り出すような声でした。

大学に入って1年もたたないころ、高校3年のときの理系のクラスから召集がかかりました。同じ大学に進学した同級生が交通事故で亡くなったとのこと。皆でそろってご葬儀に伺いました。私たちに焼香の順番が回ってきたとき、気のせいか、ご遺族のすすり泣きの声が一層大きくなったように感じられました。顔をあげて遺影を見ることはできませんでした。ほんの数週間前、あの広い大学街で、学部もキャンパスも違うにもかかわらず、偶然にも行き会ったのに。突然、死んでしまうなんて。

帰りに皆で喫茶店に寄り、話は盛り上がるでもなく短時間でお開きになり、店から出たその場でなんとなく先生を囲んで円陣ができ、先生が「お前ら、死ぬなよ~ぉ!」と、ひとこと。いまでも耳に残っていて、消えません。

先生は、私たちのことを本当に大切に思っていてくれたのだと知りました。嘘も、てらいもない、真実の叫びでした。

あれから30年以上の月日が流れ、奇しくも私は、人の生老病死にかかわる仕事に就いています。メンタルヘルスの講師として健康の大切さを説いているけれども、命の大切さと真剣に向き合っているだろうかと反省させられます。



「お前ら、死ぬなよ!」と。



☆★☆★本日のおススメ図書☆★☆★

今朝の朝日新聞「天声人語」でこの詩を知り、強く惹きつけられました。

貯金

私ね 人から/やさしさを貰ったら/心に貯金をしておくの/さびしくなった時は/それを引き出して/元気になる/あなたも 今から/積んでおきなさい/年金より/いいわよ


99歳、宇都宮市に住む柴田トヨさんの初詩集『くじけないで』(飛鳥新社)だそうです。声に出して読んでみると、味わいがいっそう深くなり、トヨさんの肉声が聞こえてくるようです。

昔は、どこの家にもこんなおばあちゃんがいて、さりげなく「生きる智恵」を教えてくれていたのに。トヨさんはいま、一人暮らしだそうです。

私ね 死にたいって/思ったことが/何度もあったの/でも 詩を作り始めて/多くの人に励まされ/今はもう/泣きごとは言わない

私の夢は、エッセイでも詩でも何でもいいけど、自分の作品を大勢の前で朗読することだったりします。再就職支援セミナーでは、かつて読売新聞に載せていただいた自作のエッセイの一部を紹介したりしているけれど、まだまだです。

声に出して味わい深い文章こそ、ほんとうにいい文章だなあと思います。







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最終更新日  2010年07月17日 10時24分19秒


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