野口 艫男の不定期日記

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2005年11月11日
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カテゴリ:
告白


著者については、紹介の必要もないですよね。
北朝鮮による拉致被害者である曽我ひとみさんの旦那さんです。

多分に野次馬根性的で不謹慎だとは思いつつ、ニュースや新聞で「曽我さんは北朝鮮でアメリカ人と結婚している」と報道された当時から、相手の人はどういう人で、どういう経緯でアメリカ人と結婚することになったのかが気になっていました。
そのジェンキンスさんの手記が発売されるということを聞いて「読んでみたい」と思った。
ただ、発売日前に予約したり、発売日をきちんと覚えていてその日に買いにいったりする方ではないので、「そろそろ発売かな」と思って本屋にいったら既に売り切れていました。
幸い「明日入荷」の札が立っていたので、すぐに手に入れることが出来ました。

内容としては、自身の生い立ちから始まって、軍隊生活、北朝鮮に移ってからの独身時代の生活、曽我さんとの出会いから結婚に至る経緯、家族での生活、そして「拉致事件の被害者」として表面化したところから帰国まで、そして帰国後という時系列での流れになっています。
私が最初に疑問だったのは、何故ジェンキンスさんが北朝鮮に行かれたのかということ。
正直なところ、「共産主義へのあこがれ」があったのかと思っていたのですが、どうやらこれは私の誤解だったようです。


北朝鮮に移ってからの部分では、先に来ていた3人の脱走米兵との生活が描かれますが、この部分もかなり興味を引かれました(まあ、正直全部そうなのですが)。
北朝鮮の特異性というのが随所に見られますが、特に私が興味を持った部分は、4人の米兵にあてがわれた(表現は悪いと思うが、そうとしか思えない)「料理人」の話の件ですね。
北朝鮮の女性との結婚は認められない(特に子供が生まれることには)という考えが見えるなかで、実質的には夫婦関係とも取れる女性を送り込んで来ることの異常性、また、その事に対する「指導員」たちの言動というのも、全く理解が出来ないものがあります。
曽我さんとの出会いから結婚に至る過程についても、あまりに自分のいる世界とのギャップがあることから、お二人の心情が全部理解出来たとは言いがたいのも確かです。
しかし、独身時代から結婚、その後家族になってからの生活を読んで行っていると、「異常」とも言える状況の中で、曽我さんとジェンキンスさんが、ほとんど唯一と言っても良い味方であったことは納得出来ました。
多分、現代日本における一般的な「夫婦」という感覚よりも「同志」的な繋がりが強かったんだろうなとも思えます。
本書の中でも触れられていますが、インドネシアの空港で再会した時の、曽我さんの情熱的キス。。。
私も当時のニュースで見たときは、正直日本人にはあるまじき行為(?!)に度肝を抜かれたものですが(笑)、この本を読んでみると、曽我さんがああいう行動に走った(?)のも理解出来ます。
全体的に見て、正直な感想としては素人が書かれた文章だな、というのは感じましたが、それはまあ当然のことであり、むしろ文章からストレートににじみ出て来る感情に好感が持てました。
ユーモアのセンスもお有りのようですし、曽我さんが日本から戻らず、インドネシアで再会するまでの間の苛立ちは、特に強く感じました。
このあたりは、訳者の伊藤真さんの力量もあるのでしょうが。。。


ジェンキンスさんも曽我さんも、北朝鮮で大変な目に遭われて来たわけですけど、本の中でジェンキンスさんが大変な生活ではあったけれど、曽我さんと出会い、結婚して家族が持てたということがある以上、「北朝鮮での生活が無ければ良かった」とは言えないというようなことを書かれていたのが素直に嬉しかった。
今は、曽我さんの故郷の佐渡で心地よく過ごされているようです。
曽我さんのお母様の件もはっきりしていない以上、「心安らかに」というのは難しいかも知れないけれど、ご家族で仲良く暮らして行かれますように。。。

最後に。。。お2人のお嬢さんも、ジェンキンスさんが冗談で「北朝鮮に戻ろうか?」と言うと「パパ1人で帰れば」と言ってくれるくらい日本が気に入っているそうです。
将来、このお2人に「こんなことなら北朝鮮にいれば良かった」と言われるような日本にならないようにしていかなくては、とちょこっと思いました。



ありがとうございます


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最終更新日  2005年11月12日 13時07分54秒
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Re:チャールズ・R・ジェンキンス著「告白」(角川書店)を読む(11/11)  
風2543  さん
そうですか。お二人のお嬢さんが、そういうコメントをされましたか。初めて知りました。
良かった!拉致問題では私のブログ11月4日付けの「青いリボンをつけましょう」を読んで頂けるとウレシイです。 (2005年11月13日 14時11分58秒)

コメントありがとうございます  
野口 艫男  さん
風2543さん

ホントに1日も早く解決して欲しいですね。
またゆっくり寄らせていただきます。
(2005年11月14日 02時20分25秒)

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