物語は紀元前587年、敵対関係にあった バビロニアの王 ナブッコ
は、
エルサレムに侵入。
彼の 正妻の娘
フェネーナ
は、エルサレムで人質となっていましたが、敵国
エルサレム王の
甥 イズマエーレ
と恋仲となり、戦いの間にイズマエーレに救出
されます。
ナブッコはイスラエルを占領し、敗退したエルサレムのヘブライ人は捕虜と
なってしまいます。
ナブッコと 奴隷
の間に出来た娘アビガイッレ
はその出生の秘密を知り、父
ナブッコへの復讐を
誓います。アビガイッレは、フェネーナを王位継承者と
考えていたナブッコを廃位させ、みずからが
王座につくのです。
そして、フェネーナがヘブライの神に改宗したとして、彼女とヘブライ人の死刑
執行をアビガイッレは
ナブッコに要求し、執行状にサインさせます。
しかし、騙された事をしったナブッコは、フェネーナ救出に向かい、捕らわれて
いたヘブライ人も
解放。アビガイッレは自らの行いを後悔し、毒を飲んで自殺
するのでした。
ナブッコもアビガイッレも悪役の面を持ち、
怒りに突き動かされる
激情型
の
人間。しかし同時に、愛を感じられなくなってしまった、悲しみの持ち主の
アビガイッレ、傲慢を後悔する心を持ち合わせていたナブッコという、
人間的な表現はヴェルデイの得意とするところでした。
1901年87歳で逝去した ヴェルデイの葬儀
。
棺が運ばれる早朝、ミラノの沿道に参集した群衆は、自然と< 行け、
我が想いよ
>を歌ったそうです。
それでは、ヴェルデイの一生を追いながら、改めてこの合唱をながすことで、
何処かで聴いた
オペラ
の最終稿とさせて戴きます。