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夫側の親戚の20歳になる男性が自らこの世を去った。
その知らせが入ったのは、通夜の数時間前。
男性の祖父(うちの亡くなった大じいちゃんの末弟)からの電話で私が受けた。
普段どおりのあいさつをし、義父母がでかけていることを告げると「どこにも知らせないでおこうと思ったけど、やっぱり〇〇(うちのこと)だけには言わんなんと思って・・・」と、淡々と娘の子どもが亡くなり、何時からどこそこの葬祭場で通夜をするからと聞いたのだが私の頭は、混乱するばかりで・・・
思わず△△さん(亡くなった男性のお母さん)の子どもさんがですか?と2度も聞きなおし、なぜですか、どこかご病気だったのですか?と聞いてしまった・・・だって信じられなくて。
そのときちょっと口ごもってはっきりおっしゃらなかったので、あぁ、そういうことか、とすぐ納得してお悔やみの言葉を言い受話器を置いた。こういうときっていつもどう言えばいいのか、真っ白になってしまう。
亡くなった男性(Aくんとします)のお母さんは、
2度の離婚を経験されている。
1度目の結婚で男児を儲けるものの数年で別れ、
2度目の結婚で男児(Aくん)と女児が生まれたのだけど、
やはり幸せは続かなくて・・・
こちら側の言い分しか聞かないから、
本当のところはどうなのかわからないけれど、
2度の離婚では、夫の浮気や借金、DVがあったそうだ。
彼女とは何度かお会いしているが、
もう見るからに優しそうな方で、上品で、きれいで、 なぜこんなに素敵ないい人が幸せな結婚できないんだろう、
って思ってた。
好きになった男性に次々と裏切られ、
今度は愛する息子さんが自分より先に亡くなるなんて、
かわいそうで、かわいそうで、かわいそうで・・・
夜、通夜から戻った義父母から話を聞くと、パソコンの中にあった「遺書」には、悩みごとや恨みごとは一つもなく、家族や友人にただありがとうの感謝の言葉ばかりだったらしい。
だから、いまだに何故自らさよならをしたのかわかっていない。
Aくんは、小さい頃からとても心の優しい子で、1人でがんばるお母さんをいつも助けてあげていたそうだ。お祝い事やお年玉にお金をもらっても、決して自分では使わずお母さんに生活費の足しにしてと渡し、仕事で遅く帰ってくるお母さんを案じ夕食を自分で作るような、そんな子だったらしい。
そんなAくんらしく、介護士の資格をとり、福祉関係の会社に就職できて喜んでいたのに。
研修も終えこの連休明けから勤務することが決まっていたそうだ。
想像以上の過酷な仕事がプレッシャーになったんだろうか。
優しすぎたのかなぁ。
でもね、でもね、やっぱりいけないよ。自殺だけは絶対。死んじゃダメだ。何があったとしても。この世の中が、Aくんのような優しい(あえて弱いとは言わないよ)子にとって、生きにくく、つらい世界だとしても。道はあったはずなんだ・・・
通夜と葬儀は、新聞のおくやみ欄にも載せず、ごくごく近い身内と、数少ない友人の寂しいものとなったようです。
参列された方が、ぽつんと「△△ちゃん(Aくんの母親)は、本当に幸の薄い子や。かわいそうになぁ」とおっしゃり、号泣していたらしい。
それを見て、義母も泣けてしかたなかったらしい。
わが子の葬儀の喪主をしなければならない悲しみなんて、想像を絶する苦しみだろう。
救いは、実家がある宗教に熱心な家庭で、彼女もずっとその宗教の信者であるから、すがることができる神がいることか。
義母にも、「Aは心の優しい子だから、神様に抱かれてちゃんと天国にいます。」と言ってたらしい。
そう心から信じ、少しでも穏やかな気持ちでいられますように。
同じ年頃の子どもを持つ同世代の親として、願わずにはいられない。