映画は最後まで観る子のブログ

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2021.09.18
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典型的なアメリカ市民・トゥルーマン。だが彼の暮らす環境は、どことなく不自然だ。それもそのはず、実は彼の人生は、隠しカメラによってTV番組「トゥルーマン・ショー」として世界中に放送されていたのだ!家族や友人を含めたこれまでの人生が全てフィクションだったと知った彼は、現実の世界への脱出を決意する…。メディアによって作られた人生の悲喜劇に、見事なリアリティを与えているジム・キャリーの熱演が光る傑作コメディ。




​これのどこがコメディなんだよ恐ろしく不気味なホラーじゃんか!!



この映画、ジム・キャリーが出てるからコメディだと騙されることなかれ。


これは間違いなく身の毛もよだつホラーです笑


彼の快活な笑顔とか、珍妙で面白い動きとか、多彩な表情とかには騙されないで、まじ。枠組みはコメディにしてるけど、 絶対ホラージャンルだよ、これは。 少なくともダークコメディ。 ダークすぎるコメディ。


序盤はまだ楽しめるよ。序盤は。

、、いや、正直に言うと、序盤から騙されなかった。


だってあらすじ読んでから見たから笑


だからより怖い。最初から怖い。トゥルーマンはまだいいとして、彼を取り巻く環境とか周囲の彼に対する 「愛!平和!ピース!」 みたいな対応とか、張り付いた同じ笑顔、同じ仕草、無理やり作られた平穏な日常がとにかく怖い!!


みんな役者なんだよ!

父親も母親も嫁も、親友もいつも挨拶する双子のおっさんも、友達も仕事先の同僚も全部!!

何も知らないのはトゥルーマンただ一人。


彼だけが純粋にこの作られた世界の住人として存在している。

あとの人たちはただの仕事としているだけ。演じているだけ。


この、胸がむかつくらいに奇妙な日常が、美しい街並みや心優しい住人たちっていう仮面をかぶって彼のそばに平然と横たわっているのが、、言いようのない 違和感で気持ちが悪くなるくらい。


この映画って笑えるの?全然笑えないんだけど、、


一番胸糞悪くしているのが、トゥルーマンショーに関わる人たちが 人一人の人生を狂わせている という感覚が全くないというところ。本当の自由もなく、 架空のお伽話の世界で作り物の日常の中で生きていること が、それを全世界に配信されてることが、 どれだけ人の尊厳を傷つけて弄んでいるのかを理解してない。 島から出さないために水に対するトラウマをわざと植え付けるとか、、正気の沙汰じゃないよ。



まあ、一応誰も彼もが平然としているわけじゃない。特に 嫁メリルはもう発狂寸前だったよね、、 彼女の場合は自分可愛さかもしれないけど、そりゃ精神的に疲弊するよ、こんな世界。他の人たちはトゥルーマンが帰宅したら、はい仕事終わり、って感じかもしれないけど、結婚してるメリルは気が休まらないだろうし、、かといって上からの命令でちゃんと口論中でもスポンサー商品を宣伝しないといけないし。

あの意味のわからないタイミングで宣伝入れるってやばすぎるよ、、

メリルの血走った目が明後日の方向を向いてるんよ、、怖すぎる


で、このトゥルーマンショーのプロデューサーは 一番罪深い はずなのに、それを微塵も理解してない。トゥルーマンは確かに望まれて生まれてこなかったけど、だからと言ってこんな世界中に見世物にされるのは違うよね、、ずっと見守ってきて子供のように思っているなんてのはただのエゴ。


ラスト、作り物の世界から本当の世界に飛び出そうとするトゥルーマンを諭すシーン。

いや、まじこいつ何言ってんの?感が強すぎた。


だからこんな紛い物にトゥルーマンが騙されず、自分の道を自分で一歩進んだシーンはすごく良かった。

しかも彼らしい言葉で。


ローレンも10数年くらい?経てもトゥルーマンを助けようと動いてくれてたし。(彼女の部屋に、「トゥルーマンを自由に!」って書かれたポスターがあって、番組から追放されてからも外で活動しててくれたんだなって思った)

それが本当の愛情だよね、守りたいから鳥籠に閉じ込めとくのは単なるエゴ。


一応、ハッピーエンド?で終わってよかった。

トゥルーマンのこれからの人生も大変かも知れないけど、自分で自分の人生を意思決定できることの有り難さと責任は、絶対に彼の人生をいいものとすると思う。


で、あれだけトゥルーマンの一挙手一投足に固唾を飲んで見守ってきた視聴者の変わり身の早さにも恐ろしさを感じたけど笑

彼らにとっては 暇な日常を埋める娯楽の一つ でしかなかったんだよね、トゥルーマンショーも。


大衆意識の変化の速さがまたホラーだった。




主演はコメディ作品でお馴染み ジム・キャリー。 でも彼は絶対これをコメディだと思ってないと思う笑コメディが得意な俳優さんが、こういう役を演じてくれるからより怖さとか不気味さが増すんよね。諸悪の根源である番組プロデューサーは エド・ハリス 。いや、僕にはちゃんとトゥルーマンに対する親の愛情があるんだよ、的な感じだったけどまじ洒落臭い。スターリングラードの将校役は好きだったなー。作中一番好きな役(役者っていう意味で)はメリルを演じた ローラ・リニー 。狂気だった。ひたすら狂気だった。彼女の神経質そうな笑顔が怖すぎたけど、めちゃくちゃよかった!真実に気づき始めたトゥルーマンをなんとか制御しようとテンパる彼女がちょっとかわいそうに見えるくらいだった笑







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最終更新日  2021.10.18 19:17:20


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