竹林館 空飛ぶ びぶりおてっく

竹林館 空飛ぶ びぶりおてっく

PR

プロフィール

PB013

PB013

フリーページ

2011年01月28日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
佐藤勝太さんの『陽炎の向こう』。 佐藤さんの詩集には、たくさんの人々が登場します。幼なじみの友だちや学生時代の仲間、通りすがりに微笑んだ赤ちゃんや、桜の花の下で戦争の痛々しい記憶を思い出す老人。それらの人々を見る佐藤さんの目の何と優しいことでしょう! 戦争で亡くなったご自身のお兄さんを謳った詩は、中でも絶唱です。寒い冬の日、これらの詩編はきっと心を暖めてくれることでしょう。この詩集は、1月25日付神戸新聞文化欄にも紹介されました。


――懐かしい友達や初恋のひとに再会したような、
   じんとくる詩集です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

陽炎の向こうを見つめる詩人の紡ぎだすことばによって、いつしか私たちも陽炎の中でともに安らいでいる。それを魂の浄化作用、といってしまえば簡単だ。しかし、到底ことばのテクニックがもたらす仕事ではないだろう。ここにあるのは、実人生の幾多の困難な峠を登り降りすることによって獲得された確かな歩みの速度と、頂上からの開けた展望により整えられた息のリズムによって、平易な言葉が詩に高められる「不思議」である。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


     風はふるさとの谷から吹き上げて
     帰郷を遮るように冷たい

     遠くに四国山脈が霞んでいる
     ふるさとの懐かしみも
     遠く靄っているが
     どこからか人を呼ぶ声
     少年時の友が叫んでいるように
     聴こえるのは
     谷間からか海鳴りか
     いや山鳴りか

          (「山鳴りの声」より)

定価2000円+税 ご注文はこちらからも 竹林館

ブログランキングに参加しています。この記事が面白かったらぜひクリックしてくださいね。 人気blogランキングへ







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年01月28日 21時49分38秒 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

背番号のないエース0829 @ 学童疎開 「外間邦子 ~ 対馬丸記念館 ~ カテゴ…
masashi25 @ コメント失礼します☆ ブログ覗かせてもらいましたm(__)m もし…
ライラック777 @ Re:世界へ羽ばたく蝶の言葉・『夢紡ぐ女(ひと)』(06/07) 素敵な詩集でした。艶やかな文体に、女性…
PB013 @ コメントありがとうございます。 いままでの人生の詰まった一冊、その中に…
尾崎まこと@ ありがとうございます。 ほんとうにありがとうございます。 自分…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: