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辻井啓作

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 簡単に説明すると、東京にある下北沢という地域が潰されようとしている。

 下北沢は、東京でも若者に人気の高い地域で、休日などは本当にまっすぐ歩けないほどの賑わいになる地域である。しかし、もともとは住宅地で、商業地のように整備されている訳ではなく、また中心部に演劇などの小劇場が密集していることから、貧乏な劇団員なども少なくないこともあって、オトナの目には、ごちゃごちゃした汚い街に見えるのだろうか、広い道路を通して全面的に再開発という計画が実行されようとしている。

 実は計画自体は、昭和21年に策定された都市計画に定められているものらしい。当然ながら、当時は下北沢がこのような発展をするとは予想できなかったのは無理はないが、この計画自体は消滅することはなかったようで、いよいよ道路設置が間近に迫ってきているという状況だそうだ。




 はっきり言って、私は反対である。
 基本的に公共工事は嫌いだし、誰かの面子で昭和21年の都市計画を引きずっているのか、どうしても土建屋さんを儲けさせたいのかわからないが、あえて今回は、そのことには触れずに、日本にとって下北沢が必要であることを強調したい。

 仕事で、「中心市街地活性化」というテーマにかかわっているが、その私の立場から見れば、下北沢は「奇跡」のような地域である。核となる大型商業施設なしに、無数の小規模な商店だけで、東京近郊から若者を惹きつけているのだ。しかも、店の大半は零細商店である。
 全国の繁華街の近くに「下北沢のような」場所はあるかもしれない。例えば東京では裏原宿や恵比寿、代官山あたりには同じように小規模な商店の集積は見られるが、それでも、下北沢ほど、集中している場所はない。
 また、ひとつひとつの店舗が下北沢ほど、低コストで作られている場所も類がないだろう。先にも示したが、「本多劇場」「スズナリ」といった劇場が、街の核として集客というよりイメージになり、下北沢においては、低コストで作る店は「貧乏」なのではなく、むしろカッコいいイメージとなっているのだ。





 実際に、私は地方都市の中心市街地化を考える際に、「下北沢のような場所」を生み出すことは重要だと考えている。大型店に置いていない魅力的な商品を揃えることができるのは、経営者自体が感性のある若者で、柔軟に品揃えを変えることができる小規模な店がたくさんあることが重要だからだ。

 全国の都市の中心市街地の低下がいわれ、ほとんどの活性化策が不発に終わっているのが実情である。それでも中心市街地活性化を目指そうというのが、これからの日本のスタンスである。そうであるなら、現実に存在するひとつの理想像である街を破壊することは、国策としてもやってはならないことである。




 という訳で、ここまで読んでいただき、考えを理解していただけるなら、何度も貼っているバナーをクリックして、「Save The 下北沢」のページで署名をしてもらえると有難い。
 下北沢を救うだけではなく、大資本によらない中心市街地活性化の途を途絶えさせないという意味でも、協力を願っている。
 よろしくお願いします。




 もうひとつ。下北沢の所在する東京都世田谷区は、現在の全国商店街振興組合連合会の会長を出している地域である。下北沢の存在は、中小零細商店からなる商店街の立場から見ても、失ってはならない成功例のはずである。その立場からも、ぜひ、この再開発事業には反対を表明してほしいものである。






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Last updated  September 8, 2006 02:27:42 PM
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