さすらいの天才不良文学中年

さすらいの天才不良文学中年

好奇心の塊、Iさん

好奇心の塊、Iさん

 再び人生の達人を紹介する。


杏


 好奇心の塊(かたまり)、Iさんである。

 今年満67歳。2年前に現役を引退された。
 前任の方が73歳まで勤務され、そのときの引継ぎの言葉が

「失敗した。自分の人生はもう残りが少ない」

という趣旨であったそうな。

 その轍を踏まないため、今、自由の身を満喫しておられる。過日、お酒の席を共にさせていただいたのだが、何時お会いしても颯爽としておられる。年齢はどう見てもまだ50代後半で通用する。

 その秘訣は何か。

思うに、Iさんの場合、

(1)好奇心の芽を摘まないこと

(2)先を見通すこと

(3)浪花節で生きること

 の三つではないかと思う。だから、Iさんの自慢の一つは、友を失わないことである。人としてこれほど魅力のある人はいない。何時になっても必ず友が傍にいる。

 加えて紛れもない座談の名手である。好奇心に裏打ちされた情報量は半端ではない。博覧強記である。中でも病気に関する知識には舌を巻く。特にご自分が経験された病気について伺うと、目からうろこの落ちる話しばかりである(詳しい話しをすると別途項を設けなければならなくなるので、割愛させていただきます)。

 このIさん、料理の腕も半端ではない。我流を嫌い、料理学校に通って基礎から学んだ。料理学校の良い点は、料理の手順や調味料の分量など何故そうなるのかを質問すると的確な回答が得られることだとのたまわれる。ここでも目からうろこがポロポロ落ちる。

 そうそう、この場を借りて、お礼を言わなければならない。おいらの左眼の快気祝いを兼ねて自家製の杏(あんず)酒を戴いたのだ。この杏酒、焼酎とブランデーで3年間漬け込んだもの。口の中でとろける美味しさである。写真はご自宅に咲いた杏の木。お許しを頂いて掲載する。有難うございました。

 また一緒に飲みたくなる、そういう「人生の達人」である。そうなのだ、Iさんと共にいると元気を貰えるのだ。どっちが年上じゃ~。




© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: