さすらいの天才不良文学中年

さすらいの天才不良文学中年

オンライン・ジョブ・オファー 陛下

オンライン・ジョブ・オファー

 あまた迷惑メールが到着するが、ウイルス対策ソフト・サービスを購入してほとんどの不良メールを水際で排除している。


忍者ハットリくん


 しかし、その間隙をぬって、まともそうなメールが来る。「開けたら最後」という怖いメール爆弾も予想されるので、基本的には開けずに削除するが、中にはどうしても読みたくなるタイトルのメールがある。中を見たい衝動に負けてしまうのだ。

 「オンライン・ジョブ・オファー」というタイトルのメールもその一つであった。

 読んでみると、まともな内容に思えるメールだ。ヨーロッパで地盤を築いた衣料品販売会社が北米市場ほかで新たに衣料品の販売を行うので、おいらの居住地区で販売代理店を求めるという内容だ。

 おいらが特筆したいのは、そのアイデアと情熱である。メール一本で北米市場に進出するという大胆さ。そして、成功が夢ではないという情熱。

 時代は大きく変わっているのだ。このようなメールが簡単に世界中に配信される。それを見て、琴線に触れる若者がジョインする。上手くいけば、企業も参加者も大きな利益を得ることが出来る。これは、第二の産業革命の到来だと思う。原動力は無論インターネットだ。インターネットは、全てを破壊する力を持っている。その力をこのメールのように具現化した者が勝つのである。このメール発信者は、数年後に大企業になっていてもおかしくはない。アイデアと情熱の二つを備えているからだ。

 楽しい時代になったものだ。インターネットとアイデアと情熱で、おいらだって、この年でまだ世の中を動かせる可能性があると思うと。


天皇陛下の両脇にあった「皿」と「謎の物体」

 8月8日、天皇陛下のお言葉がビデオで公表された。


宮内庁提供.jpg


 天皇陛下は、生前退位のご意向をにじむお気持ちを表明されたのである。

 しかし、本日はそのご公表の中身のことではなく、天皇陛下の右側に映っていた「皿」と、左側に置いてあった「謎の物体」が気にかかったことについて述べる。

 おいらは、てっきり三種の神器の何かではないかと思ったほどである。

 しかし、ネットを検索するとそうではなく、あっさりとそれらの正体が判明した。

 ネット社会、恐るべしである。

 まず、右側の真ん丸い絵柄の皿である。

 ネットによれば、「柿釉と縄文象嵌の技法から推し量るに、益子焼の人間国宝、故・島岡達三氏の作品ではないか」との指摘がなされ、続いて写真とともに「柿釉象嵌大鉢」と呼ばれる作品ではないかとされたのである。

 天皇皇后両陛下は、96年に栃木県益子町にある島岡氏の工房を視察しておられるのでどうやら間違いがなさそうである(島岡氏は07年に死去)。

 素朴な疑問は、陛下ご自身がこの益子焼を置くことをご指示なされたのか、それとも宮内庁が決めたのかである。どうでもいいことかも知れないが、陛下が完璧主義者であればご自身でお決めになられたかも知れない。こういうことを考えるのは、愉しみである。

 さて、問題は左側の謎の物体である。

 黒い物体で紐のようなものが付いている。しかし、紐だと思ったのはマイクで、マイクは左右両側にステレオ録音用に二つ置いてあったことが分かった。

 この物体もネットで判明した。

 石を室内に飾って楽しむ「水石(すいせき)」の一種で、虎石(恐らく滋賀県の瀬田川産)と呼ばれるものらしい。

 いやはや、ネット社会を思うおいらの心は複雑な心境である。こういうことが直ぐに分かるって本当にいいことなんだろうか?

 ネットで怖いことは、その情報が独り歩きしてしまうことである。

 正式に調べなくてはならないときは、原点に立ち返って自分自身でもう一度調べ直す必要がある。それがネット活用の最低限のルールであろう。


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