さすらいの天才不良文学中年

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柚木惇の年賀状大賞その2

2018年「おいらの年賀状大賞」の発表(前篇)

 今年も恒例の柚木惇「年賀状大賞」を発表する。


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 年賀状大賞とは、おいらに届いた今年の年賀状の中からおいらが素晴らしいと思った年賀状を勝手に表彰することである。

 写真上は、昨年の年賀状大賞受賞作。星加☆海さんとFさんの作品の作品である(昨年の大賞は、2点とした)。

 残念ながら、年賀状大賞の賞品は何もない。ただ、単に、おいらから「年賀状大賞」として褒められるだけのものである。何のこっちゃ(フリーページ「おいらの好きなもの『柚木惇年賀状大賞』」参照)。

 今年の年賀状大賞の入賞枠は、入賞を2点、敢闘賞を3点とした。

 ところで、これまで入賞した人たちからは今年も素晴らしい年賀状をいただいた。そこで、これらの人々については10点をシード枠(特別枠)として認めることにした。

 そして、入賞、敢闘賞、シード枠の中から大賞を選定したいと思う。


 それでは、さあ、いよいよ今年の年賀状大賞のシード枠の発表である。


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 トップバッターは、年賀状大賞受賞複数回のイラストレーター、星加☆海さんである。イラストは写真上(ただし、個人情報部分についてはカットした。お許しを請う)。

 ペン画に水彩である。星加さんの、あの持ち前の、ラテンの血は遠慮気味だが、中央の家が人の顔のようにも観え、ほのぼのとした雰囲気が感じられるイラストである。

 星加さんは昨年プライベートでもいいことがあったと聞いており、今年の躍進が期待できそうである。


 続いてセミプロのイラストレーターでもあられる漫画研究家の鈴木理夫(すずきまさお)さんのイラスト。


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 解説不要。鈴木さんワールドの炸裂である。

「子供のころのお正月はこんなんじゃったのぅ」と、この絵の世界に魅入られてしまう。


 3点目は、写真の鬼でもあり、座談の名手でもあられる、Iさん。


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 写真は、東アフリカの純野生犬、「リカオン」である。

 Iさんによる解説がいい。いつもながら読ませる文章である。

 その中でも「統制の取れた軍隊の行動」という表現が光っている。

 Iさん(フリーページ「人生の達人『アマサギの舞うキリマンジャロ 座談の名手』」参照)は、最後の陸軍予科士官学校ご出身でもあられる(この項続く)。



2018年「おいらの年賀状大賞」の発表(中篇その1)

 今年の年賀状大賞のシード枠の続きである。


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 4点目は、昨年の年賀状大賞受賞者Fさんの大津絵(版画。写真上)。

 山頭火の「うしろ姿の しぐれてゆくか」である。

 今年もおいらの好きな秋山巌の版画を観ているようである。Fさんの年賀状には毎年ほれぼれとしてしまう(ただし、構図の観点からは、やや右寄りになっているか)。


 5点目は、年賀状大賞受賞の常連で映画評論家のSさんの直筆イラスト「野良犬」。


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 Sさんの年賀状は毎年手書きで、正月にいただくのが愉しみである。

 今年の年賀状も唸る。Sさんから元気をもらうのである。最初はなぜ今年の年賀状に黒沢映画の「野良犬」かとも思ったが、今年の戌年にかけたのだと少しして気づいた。いいねぇ。


 6点目は、プロのイラストレーター、吉田類さんの作品。云わずと知れた酒場詩人の類さんである。


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 イラストの筆遣いには、類さんの気配りに長けた性格がそのまま表れている。

 酒場詩人だから、イラストも酒場風だと思うのは大間違いである。絵を観ただけで、ほっこりしてしまうのである。それが類さんのイラストである。


 7点目は、セミプロとも云える画家、濱田慎吾さんのペン描き・水彩画。


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 濱田さんは、このブログの「フリーページ『濱田慎吾』」でご紹介した、第二の人生で画家になられたお方である。

 濱田さんの独特のタッチが生き生きと表現されている。正月にふさわしい静の美となっている。濱田さんの絵にも脱帽(この項続く)。


2018年「おいらの年賀状大賞」の発表(中篇その2)

 今年の年賀状大賞のシード枠の続きである。


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 8点目は、このお方もセミプロの漫画家Hさんである(写真上)。

 Hさんの本業は、司法書士。現役時代はおいらと同業であられた。労働組合の機関紙に4コマ漫画を連載しておられたほどの本格派である。

 昨年は酉と乾杯で、今年は戌と乾杯である。毎年、干支と乾杯じゃのぅ。


 9点目は、写真の上手いSさん。


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 Sさんは毎年ニッチな場所の海外に出かけておられ、今年の年賀状はミャンマーである。

 写真の構図がいい。日が昇るタイミングもいい。インレイ湖に映える朝日が魅せる。


 そして、10点目は、吉田類さんと懇意の新潟柏崎Mさんの作品。


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 Mさんは、2015年の栄えある年賀状大賞受賞者。

 吉田類さんの句会の仲間でもある。ほのぼのとした性格のお方で、ユーモア感覚に優れ、誰にも好かれる。

 Mさんは昨年秋の句会では所用で欠席されたので久しく一献を傾けていない。Mさん、また、旧交を温めませう。


 では、いよいよ明日から今年の入賞作を紹介する(この項続く)。


2018年「おいらの年賀状大賞」の発表(後編その1)

 今年の入賞作品は、2点。


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 まず1点目は、名古屋在住のKさんの作品(写真上)。

 ご夫婦でカナダ旅行中のものと思われる写真である。

 このでかい車輪がいい。そのホイール部分に腰かけている奥様の容姿がいい。Kさんのポーズとその出で立ちもいい。

 また、年賀状のコラージュもうまく仕上がっている。

 文句なしの入選。

 なお、手書きのコメントにある「小野文恵さんとの2-ショットうらやましい!!私の好きな女子アナです!」には解説が必要である。

 おいらの昨年の年賀状は、縁あって小野文恵さんとの2-ショットにしたのである。今年の賀状はそれに触れていただいたものが多かったのぅ。


 続いて2点目は、おいらの高校同期同窓のF君の作品。


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 福山市の鞆の浦にある「後山山荘」からの鞆の浦の景観である。賀状だから日の出と思われる。

 朝焼けに鞆の浦が映え、後山山荘の庭にある松の枝ぶりと柱があたかも鞆の浦の向かいに見える弁天島と仙酔島が一望できる「対潮楼(たいちょうろう)」から観た景観を思い出させる(下は、対潮楼からの景観)。


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 この対潮楼については、このブログのフリーページ「さすらい(旅の宿)『福山鞆の浦』に詳しく書き込んでいるので、その一部を再録すると、

「この対潮楼は、元禄年間に建立されており、漢学者や文化人交流の場であった。特筆すべきは、朝鮮通信使のための迎賓館としても使用されていたことである。

 正徳元年(1711年)にここを訪問した朝鮮通信使は、『日東第一形勝』として、日の昇る東の国(日本のこと)で一番の景色と絶賛したのである。

 おいらも対潮楼の座敷に座ってこの景色を眺めたのだが、柱が額縁となるのである。これは絶景であったのぅ」

 とあるとおり、なかなかこのような景観を観ることができるものではない。

 おいらは、密かに対潮楼からの景観よりもF君の「後山山荘」からのそれの方が優れているのではないかと思うほどである。

 なお、「後山山荘」についても、このブログのフリーページ「さすらい(旅の宿)「鞆の浦『F君邸』に集う」にも詳細を記している。写真多数なのでご興味のある方はぜひともご訪問あれ。


 以上、今年の年賀状大賞は以上のシード枠10点と入賞2点の中から決定する(この項続く)。


2018年「おいらの年賀状大賞」の発表(後編その2)

 今年の年賀状大賞発表の前に、敢闘賞3点を発表する。


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 まず、1点目は東京と愛知のダブル生活のOさんの作品(写真上)。

 Oさんはセミプロの漫画家Hさん同様、現役時代はおいらと同業者である。

 そして、山と釣りと酒をこよなく愛する、にくめない人である(それにしてもヘラ鮒47センチを釣り上げるとはスゴイ!)。

 この年賀状は、Oさんの今年はこんな年にしたいという思いが素直に伝わり、おいらも頑張らなければと思わせるところがいい。

 Oさん、今年もHさんたちと酒宴極楽いたしませう。


 2点目は、おいらが行きつけであった京橋の名門板前居酒屋「黒兵衛」の女将Iさんの作品(板前居酒屋「黒兵衛」の女将さんのことは、このブログのフリーページ「美味放浪『板前居酒屋「黒兵衛」の女将万歳』」参照)。


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 この女将さん、只者ではない。

 ブログの一部を再録すると、

「女将は相変わらず、笑顔で美人であった。

 昨年、おいらがデジカメを使用したとき、カメラを入れるケース(袋)を「黒兵衛」に忘れていたのだが、その袋を大切に保管していてくださったことへのお礼も申し上げると、手を口に当てて優雅に微笑まれた。

 抱擁感のある女将であった。おいらたちがいくら疲れていても『黒兵衛』に出向いてこの女将に会えば、そんなことは吹っ飛んでしまう弁天様のような人であった」

 という素晴らしいお方である。年賀状も素晴らしくない分けがない。Iさんはすでに引退されておられるが、お元気そうで何よりである。

 なお、小野さんとの2-ショットの件は先日述べたとおりである。


 3点目は、このお方も年賀状大賞では欠かすことのできないHさんの作品。


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 さりげなくチェスター大聖堂の合唱団の写真を年賀状にしておられる。簡素な中にも凛とした風情のある賀状である。脱帽。


 今年のノミネート作品の発表は、以上でおしまいである。

 そこで、本日、今年のおいらの年賀状大賞を発表しようと考えていたが、選考は難航。それほどにいい作品の目白押しである。

 休み明けの月曜日に年賀状大賞の発表とする。乞うご期待(この項続く)。



2018年「おいらの年賀状大賞」の発表(後編その3)

 それでは、今年のおいらの年賀状大賞の発表である。

 まず、候補作を発表する。候補作は、次の3点である。

 1点目は、鈴木理夫さんの作品。


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 観た瞬間に、子供のころに戻れる作品である。鈴木さんの作品は毎年完成度が高いが、今年の作品はその中でも群を抜いている。

 2点目は、Sさんの作品。


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 この作品に欠点はない。惜しむらくは、写真のサイズが小さいことである。

 年賀状だから葉書サイズという制限があったとしても、例えば、横一杯の大きさに拡大すると少しは雰囲気が変わるかもしれない。

 3点目は、Fさんの作品。


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 この作品も秀逸。ただし、この作品もA2サイズなどの本格的な大きさで観ると迫力が増すのではないだろうか。


 パンパカパ~ン

 以上から、厳正なる選考の結果、今年の年賀状大賞は鈴木理夫さんの作品と決定した。


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 鈴木理夫さん、おめでとうございます。

 だが、今年の年賀状大賞はここでは終わらない。

 Sさんの作品とFさんの作品も鈴木理夫さんの作品と横一線であった。

 そこで、今年の年賀状大賞は、この2作品を「準大賞」とすることにした。

 SさんとFさん、「準大賞」おめでとうございます。

 以上、2018年「おいらの年賀状大賞」は、鈴木理夫の作品、準大賞は、Sさんの作品とFさんの作品と決定した。


 さて、今年おいらが貰った年賀状は、またしても秀作揃いであった。皆様、ありがとうございました。

 以上で今年の年賀状大賞は、おしまいとする。来年の年賀状大賞もまた愉しみじゃのぅ。


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