三代目の挑戦

Jun 4, 2013
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 まだ都島区に路面電車が走っていた昭和43年、
まわりには鐘紡や十条製紙、雪印などの工場がたくさんあり、
まさに三丁目の夕日のような風景が都島にありました。
そんな時代に生まれた名もない建物。
築40年を超えるレトロなビルは以前、材木倉庫として使われていた建物です。

1903年(明治36年)、奈良県吉野で材木屋の六男として生まれた初代上田徳太郎。
根っからの酒好きが高じて大正13年、船場の酒問屋へ丁稚奉公。
使い走りや雑務、礼儀作法などを仕込んでもらい、
昭和10年ついに自らの夢である上田酒店を創業するも翌年、
関西を襲った大型台風により店舗が流されるという困難。
すぐに再建するも、昭和20年大阪大空襲によりまたもや店舗焼失。
様々な苦難を経験しながらも、大阪商人の意地、
そして何より「美味しいお酒をお客様に飲んでいただきたい」
という気持ちから自らの手で店舗を再生。
昭和38年に二代目、忠夫が入店して以後も
「美味しいお酒をお客様に飲んでいただきたい」という、
「徳太郎スピリッツ」は脈々と流れ続け、小さいながらも街の酒屋として
上田酒店を守り続けました。
平成12年、地元高倉町にちなんで「酒 高蔵」と屋号を変えたあとは、
日本全国にある小さな蔵元の美味しいお酒だけを取扱う「酒専門店」として、
自分たちが納得したお酒だけを取扱いしてきました。
冬場2mを超える積雪の中、早朝5時から仕込みをはじめる東北の蔵、
創業330年を超える歴史がありながら、たった300回の酒造りと話す京都の蔵、
背丈ほどある雑草を刈り取り自ら芋畑を開墾した鹿児島の蔵
完熟した極上の梅を使うために自らの手で梅を栽培する和歌山の蔵
「酒は自分たちの娘です。
 酒屋さんに送る時は娘を嫁がせるような気持ちになるんです」
お百姓さんが田んぼや畑で作物を育て、蔵人が心血を注いだお酒は旨い酒ではなく、
心が喜ぶお酒になります。
私たちは、そんな心のこもったお酒を扱わせて頂くことに感謝し、
高級なお酒ではなく、心が喜ぶお酒で素敵な時間を過ごして頂きたいと思います。
クラシックを知り、モダンであれ。
私たちは街の小さな酒屋です。





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Last updated  Jun 4, 2013 09:55:56 AM コメントを書く


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トモっち~ず @ 御無沙汰しております。 しばらくブログをサボってましたが、大好…
「梅太郎」 @ Re[1]:伸びる(09/04) 毘沙門Rider!さん ありがとうございます…
毘沙門Rider! @ Re:伸びる(09/04) ご無沙汰してます。 本質を見抜き、何事…
「梅太郎」 @ Re[1]:神様からのプレゼント(03/06) 毘沙門Rider!さん ありがとうございま…
毘沙門Rider! @ Re:神様からのプレゼント(03/06) 今年もお疲れさまでした。 本当に、沢…

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