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藤野さんの呟き6
倉本はいつも俺の傍にいた。
それは自然に極当たり前のように、小学生の頃、俺は家の都合で転向した、そこに倉本がいた。
学校に馴染めなかった俺、軽いいじめを受けたけれど倉本は何も言わず楯に成ってくれた。
そして今日まで続いた友情、でもなぜそこまでしてくれる、理由が分からない。
何時か聞いてみた、アイツはこう答えた「お前のことが好きだから。。。」けれどその後笑ってこう言った「親友だし幼馴染だし、さっくんてなんだか小動物みたいでほっとけないんだ可愛くて」だって笑ってしまう。
でもそれでも良いと思った倉本の傍は心地良い、何時までも一緒にいたいと思っていた。
ある日、事件が起きたけれど倉本は俺から離れなかった。他のクラスメートは俺を遠巻きから見た。哀れむ瞳で、それに耐えられなかった。けれど倉本は違った。普通に接し、何時もと同じ態度で居てくれた。
それが良かった。周りのクラスメート達は次第に依然と変わらない態度に戻った。全て倉本のお陰だった。
けれど学校だけはどうにもならなかった。そのとき倉本は泣いた。自分の力が足りなかったと。。。
その後、中学で二人は再会した。
少し大人になった倉本と俺、相変らず二人で一緒にいた。
そして高校、二人で同じ高校に通った。
ここまで来るともう親友なんて言葉じゃ片付けられない様な気がしていた。
部活で落ち込んでいた帰り道、今日も泊まってやると言った倉本と歩いていた。
物陰から現れた凄い美人、うちの制服を着ていた。
そう隣のクラスの有名人夏目静香、現財務省大臣の娘、だけど人気も有るけれど彼女自身、人当たりも良い、なぜ彼女がうちのような普通の学校に居るのか疑問だけどいいのか?SPも付けないでこんな所をふらふらしていてと思うがそんな事よりも倉本と付き合ってるってのが驚きだと思うと同時に倉本に彼女が居たことに驚いた。
「しゅん、久し振り連絡無いから迎えにきちゃった」
という彼女、その言葉(セリフ)になんでだか寂しさを覚えた。
ごめんと手を合わせて謝る倉本、こんな姿初めてみた。ショックだった。
倉本の袖を引いて何かを囁く彼女、そして微笑む倉本、二人の世界、俺は孤独を感じた。
「ごめん藤野、俺今日は一緒に帰れない、彼女送ってくわぁ~」
「倉本彼女居たんだ知らなかった。そっか、じゃぁ仕方がないなごめん俺に気を使ってくれたからデート出来なかったんだよな。倉本よかったな」
なんて明るい声で倉本を見送る、「倉本」と唇が動くけれど声にならなかった。涙が溢れそうになるけれど必死に我慢する。見られたくない、こんな惨めな自分、彼女が倉本に囁く、けれど倉本は前を向いたまま彼女の腕を取る。
見送る俺、姿は曲がり角に消え、俺は一人残された。
俺は思う、彼女が出来たのなら言ってくれれば良かったのに、俺に遠慮なんて必要ないのになぜ?
昔は全て教えてくれていた、付き合ったとか別れたとか振られたとか全て隠さず教えてくれていたのになぜ?それだけ大事な人だと言う事だろうか?思いが巡る、体が動かない、そこで声が聞こえた。
「先輩?」
振り向くとアイツだ俺の嫌いな視線の持ち主、栢山だ。
信じられない。
「お前、帰ったんじゃないのか?」
「そうだんったんですけどね。部室に忘れ物してしまって、良かった先輩が居てくれて済みません部室、開けてもらってもいいですか?」
俺が思っているよりも印象がいい、人懐っこい雰囲気、部活の時とはまるで違う瞳、優しく感じる。
「ああ~」
「ねぇ~腹減ってませんか?俺、今日ね、財布に余裕が有るんですよ、奢ります!先輩と話してみたいなぁと思ってたんです。」
そう言う栢山、俺の知ってるヤツとはまるで別人のようだ。
「ねぇ行きましょうよ」
強引に引っ張られながら栢山と歩く、先程までの倉本への思い全て消してくれそうな程のコイツの強引さ、結局、栢山の奢りで食事をした。
印象とは違って面白いヤツ、俺の弓道に対する姿勢が良いのだと言った。
そして弓道に触れて楽しいのだといった。
初めて倉本以外に分かり合えるヤツだと思った。
弓道を楽しいと思ってくれる数少ない新入部員、大切にしたいと思った。。。
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