BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年05月15日
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BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

僕の部屋に入った和希さん、彼の家に比べれば広いとは居ない僕の部屋をもの目ずらしそうに眺めてる、良かった普段から綺麗にしておいて、まさか全以外の人を入れる日が来るとは思いもしなかった。

書棚の本を取る。

「ちょ。。。ちょっと待ってよ和希さん」

そう、彼が手にしたのは僕が書いたものそんなの和希さんが読む本じゃない、それに恥ずかしい、だって最初から濡れ場があるんだ。

「なぜ、君が書いたのならば私は読んでみたいね、それにこれを世に送り出したってことはそれなりの自信が有ってこそだろ?」

和希さんが言ってることは正しい、僕は人に読んでもらう為に本を書いてきた、そしてどれも楽しんでもらえる自信がある。
けれど良いのだろうか?作品はBLなのだから。。。

「へぇ~こんな世界も有るんだな、言葉は知ってたけれど今時の女性はこんなの読んでるんだな」

「そんな事無いよ、人への思いやりとか感情が豊かに表現されてる、ちょっとこの濡れ場はいまいちだけど」
「だよね、そう、経験の無い人間が書いてるから想像をでしかない、資料をもらうのだけれど慣れないから上手く出来なかったんだ」

そう、文章自体の評価は良かったただ、濡れ場が和希さんの言ったとおりの評価しか得られなかった。
今からでも許されるなら書き直したい作品のひとつだった。
でも嬉しい、ちゃんと評価してくれるのが伝わる和希さんの言葉だった。

「そうだ、冷蔵庫、見せてもらうよ、ほら、ハルさんの下ごしらえが無駄にならない為にもね」

彼は冷蔵庫を開けてため息をつくと僕に向かって小言を言い出した。

「君はぁ~なんだこれ、水とビールしか入ってないじゃないか」
「食べれなかったから。。。」
「言い訳はしない!いくら億劫でもこれだから倒れるんだ、まぁ~いい私が食べれる様にしてやる」

え?和希さん、料理出来るの?



膨れる彼が可愛らしいと初めて思った、上着を脱ぐと白いワイシャツに黒のエプロンをつけて腕捲りをする、バスケットから取り出した容器から鍋に中身を移すと和希さんが言う。

「牛乳はないんだよな、コンビに近いの?」
「あ、はい、前の道路を右に曲がってすぐですけど」
「そう、だったら少し待っていて、買ってくるから」
「僕が。。。」


そう、一日、ちょっと放置したからメールがたまってるはずだ、チェックしなくっちゃ。。。
必要なメールを全て開けてみる、全からのものが何通もある。
携帯の電源を落としたままだったからこっちに送ったんだろう。

『葉月先生 
作品の方すすんでいますでしょうか?
またメールします。』

たったそれだけの業務連絡の様なメールがひとつそして僕の心分かってない文面がもうひとつ。

『佐伯先生から招待状の返信が欲しいとご連絡頂きました。
早めにお返事をお願いします。
佐伯先生は是非、葉月先生に出席をお願いしたいとのことでした。』

そう、佐伯先生の受賞記念のパーティーと彼女と全の婚約祝い、なんだ、この文面、僕の心を知らないでいい気なものだ、けれど佐伯先生の誘いを断るなんて僕には出来ないことだった。
佐伯先生の口添えで僕はデビュー出来たようなものなのだから、それを全から聞いたときは自分の実力では無理なのだと悟ったけれどそれをステップにすればいいと思った。
後日、佐伯先生に言われた「口添えしたのは貴方の可能性を見たから、可能性のない人に私は口添えなんてしない」とそう、彼女は僕の将来性と実力にかけてくれたんだとその時思った。
だから佐伯先生に負けないように努力した、その甲斐があって僕は佐伯先生に肩を並べられるだけの作品が書けることが出来るようになったんだ。
きっと彼女が居なかったら今の自分は無い、だからお祝いに駆けつけるのは当たり前なのだけれど今の僕には、正面から彼女に顔を見せるなんて出来そうもない。

机に体を預けてパソコンのキーを指で弄ぶとその時、和希さんが勢い良く戻って来た。

「顕一、お待たせ!」

この人って僕より大人なんだか子供なんだか良く分からないな。。。

「お帰りなさい」
「パソコン見てたのか?」
「ええ、仕事のメールチェックしないと。。。」
「そう、だけど今日は私に心を向けて欲しいな、仕事は明日からほら締め切りはまだ先だって言ったんだからそうしなさい」
「はい、今日は和希さんの言う事聞く約束でしたよね」
「だったら、パソコンは閉じて、スープ皿あるなら準備して欲しいな」

和希さんは飛び切りの笑顔を僕にくれた、彼のいうとおり、パソコンの電源を落として蓋を閉じる。
食器棚から二人分のスープ皿を取り出す。
なかなかいい趣味してるじゃないか、そういってまじまじ和希さんが見るスープ皿は姉が趣味で集めたけれど自分の家に合わないからって送って来た物、しかも、わざわざ姉が家に来て食器棚に並べたんだ。
そのときはげんなりしたけれどこうして彼に褒められて姉を誇りに思う事にしよう。

「どうした?」
「いえ、人にこうして食事を作ってもらうなんて久し振りだから」
「だから、不摂生して倒れたのか?」
「いえ、ちが。。。」
「なにが違うの?まぁいい、人には言いたくない事もある、君が話せるように成ったなら話してくれるだろ」

と牛乳を温めた鍋に移して鍋をかき混ぜると「味見だ」といって小さな皿にスープを少し取り出すとそれを口に運ぶ、そしてまたニコやかな顔で僕を呼んで肩を抱いて彼が言う。

「ハルさんの腕は天下一品だ!」

抱き寄せられて頬ずりされる。
幸せの形ってこんなかな?
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最終更新日  2009年05月15日 02時10分21秒
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