BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年07月10日
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BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

久し振りの倉本と藤野の番外編に成ります、夏といえば夏祭りという事で ちっちゃい二人が出てきますので宜しくお願いします!

夏祭りの日に。。。


写真を撮りながら倉本の母が言う。
「良いわねぇ~朔弥くんは本当、浴衣が似合うわねぇ~おばちゃん抱きしめたい!」
などと言いながら抱きしめる。
「かぁさん何遣ってるんだよ!可愛いって朔弥は女の子じゃないんだから!」
「そうそう、俺と瞬という子供が有りながら、隣の子供が可愛いなんて酷い!」
どこか拗ねた表情の舜一と旭が朔弥の腕を引っ張り自分の母親から引き離す。
「あぁ~らいいじゃない可愛いんだもの、朔弥くんに焼餅かしら?」
子供なりの焼餅だろうと大人達は笑い、舜一は頬を紅潮させながら朔弥の手を引き祭囃子の方へ、兵児帯をゆらしながら駆け出して行った。
兄の旭は友達と待ち合わせとかで別行動だと一人で自転車で出かけて行った。
祭り会場に着くと参道の両脇に光を放ち店を照らす電球が眩しく光、人通りもごった返していた。
「なぁ~さっくん、手、離すんじゃないぞ!」
「うん、分かった、なぁ~瞬ちゃんそれにしても人多いね?」
「とうさんが言ってた、この辺りじゃ一番大きな祭りなんだって、いろんなところから人が集まるし、もう少ししたら花火も上がるんだ、その前に買い物済ましちゃおうよ」
「うん」
頷く朔弥の顔を見、手を離さないように人の波を上手く縫って目当ての店へ進んで行く。
「ねぇ~瞬ちゃん幾ら貰った?」
「俺?1000円、お前は」
「僕も1000円」
祭りの日は普段の小遣いにプラスされ特別に小遣いを貰えるのが嬉しかったが屋台を見る度に1000円という金額は十分だと思えないと舜一は子供ながらの発想で露天を見渡していた。「さっくんまずは腹ごしらえするか?」
二人は焼きそばの屋台にならぶ、ソースの焦げる匂いとソバを炒めるコテノ音が妙に食欲を誘う、何時もはとっくに夕食を済ませている時刻だったが祭りという事で親に強請り、露店で食事をする許可を得たのだった。
順番が来ると露店の威勢の良い、ねじり鉢巻にTシャツ、エプロン姿のちょっと強面のお兄さんがニカリと目を細め笑い話し掛けて来た。
「おお~坊や、可愛い姉ちゃんといっしょじゃないかい?」
その声にむくれた顔の舜一、そしてそれを否定する朔弥
「ぼ。。。ぼく。。。男です。」
「おおそうかい、済まないね、あんまりあんたが浴衣が似合って可愛いもんだからよ、ゆるしとくれ、そっかじゃそのなんだぁ~侘びの代わりといっちゃなんだがこれもってきな」
とソバの上にのせる目玉焼きを一つずつおまけしてくれてた。
それを見た瞬間、むくれていた朔耶がありがとうといったのでねじり鉢巻のお兄さんは目を細めて微笑んだ。
「おお!じゃあな!」
二人で手を振ると焼きソバをもって神社の境内に歩いて向かった。
「瞬ちゃん?」
不意に声を掛けた朔弥の横顔を見ると先程の店のお兄さんの言葉が引っ掛かっているらしい事を舜一が悟る。
「僕って女の子みたい?」
やっぱりそうかと思いながら境内に設けてあるテントの中の椅子に腰を掛け、テーブルに先程買った焼きソバを広げる。
なんて答えようと舜一は考える、もちろん朔弥は女の子じゃないけれど、今の浴衣を着た朔弥は普段着を着てるよりも可愛らしいのは言うまでも無い、だから自分の母親や焼きソバのお兄さんが言うのも分かるし、何よりも自分以外の人間が可愛いと朔弥に面と向かって言うのに焼餅を焼いた。
けれどその事で朔弥が傷ついてるのは確かで、ここで否定をしたところでまた同じ事を言われる事は何と無く、子供の舜一にも分かっていた。
「女の子とは違うんじゃない?お前、細くて色は白いから浴衣似合うけれどお前はおまえだよ、気にすんなって!」
自分も言いたいと思う言葉を舜一は飲み込んだ、そしてその言葉を忘れるように無邪気に言葉を投げかけた。
「よし、くうぞ!そしたら金魚すくいしようぜ、さっくん何したい?」
「そうだなぁ~射的とヨーヨーとりんご飴と。。。」
「ちょ。。。ちょっと待て。。。それ全部?」
「うん!」
満面の笑みに白い歯を見せ微笑む顔に眩暈を覚えながらさっきの目玉焼きにかぶりつく朔弥が本当に可愛いと思う、そして自分も焼きそばにかぶりつた。
焼きソバを食べ終わって席を立つ、舜一の希望通り、金魚すくいに挑み、一匹もすくえず、露天のおじさんが二匹袋に入れてくれた。
そしてヨーヨーつりをしてりんご飴を買った頃に軍資金は尽きそうだったがもうすぐ花火が始まる時刻になったので二人で昼間下見をしておいた場所に露天の横をすり抜け、向かおうとしたときだった。
なにかの弾みで舜一の足が取られ、前のめりに倒れた。
幸い、朔弥と手を繋いでいなくて巻き添えにしなくて済んだ。
「瞬ちゃん!」
駆け寄る朔弥、舜一の持っていた金魚は手を離れその場に落ち、わずかに残った水の跡の上でピチピチと跳ね、最後の足掻きをしていた。
「あははははは。。。やっちゃた」
起き上がった舜一の浴衣は無残にはだけ、膝を擦りむいていた。
これでは花火どころではない、立ち上がった舜一を近くの縁石の上に座らせ待っているように告げると朔弥はどこかで濡らしたハンカチで膝に付いた土を落とし、血を拭いた手が震えている。
それに気付いた舜一がおどけたように顔を作って覗き込む。
「やっちまったぜ!俺としたことが。。。さっくん?」
覗き込んだ朔弥の瞳から大粒の涙がこぼれそうになっていた。
「さっくんなんでお前が泣くんだよ?痛いのは俺なんだけど。。。泣くなって」
そっと抱き寄せるが朔弥の瞳からあふれ出た涙は止まること無く舜一の浴衣に滲みていった。
「さっくん。。。大丈夫だからなっ!」
それでも止まらない涙に困った舜一は咄嗟に朔弥の唇に口付た。
キスなんてものじゃない、ただ唇に触れるだけのものだったがそれは朔弥涙を止めるには十分でその瞳の雫を指で拭ってやる。
そのときだった誰かが近づいて来ていた。
「おお~さっきのあんちゃんたちじゃない、どうした、そんなとこに二人で腰掛けて花火なんてそんなとこからじゃ見れんのじゃないか?」
そういいながら二人の視線と同じ位置に立つと二人の頭を撫でて愛想の良い笑顔を向けて来た。
「おっどうした」
しゃがみこみ話しかけてくるお兄さんはニカリっと歯を見せ目を細め、舜一髪の毛をくしゃくしゃとしながら朔弥の顔を覗き込み「泣いたか?」と尋ね来た。
「で、こっちの兄ちゃんは派手にやらかしたな」
と言うと背中を舜一の方に向け、負ぶさるように言った。
「家、近くか?今、休憩中だからな送っていってやる」
そうゆうと背負った舜一を片手で支え、もう片方の手で朔弥の手を取り歩き出した。
丁度そのころ空には色とりどりの大輪の花が咲き始めていのを背中の舜一は複雑な気持ちで眺めていた。
「おお~始まったな、せっかくだ見てくか?」
という問いかけに頷く二人、背中の舜一を下ろし、浴衣を直して近くの高台まで連れて行ってくれのだった。
花火を見ながら三人で色々な話をし、花火が終わる頃には打解け、三人の笑い声が其処にあった。
二人を家まで送ると両家族がお礼をと言うのを丁寧に断り、子供達に手を振ると駆け足で祭り会場の方に走り去っていった。
それを見送りながら朔弥は思った、あの人はきっと正義の味方だと。。。
その後、舜一は両親にこっ酷く叱られ、朔弥は舜一の母親から被害者のように扱われた。
それを庇ったのは朔弥の両親で一人でも大人が付いていなかったことに反省をしていた。
不可抗力とはいえ、朔弥を泣かせたうえに両親に叱られた事は舜一に取っては面白く無かったがドサクサに紛れて朔弥にキスをしたことを思い出し、一人眠れない一夜を過ごしたことは言うまでも無かった。
そして、花火を見た事とお兄さんの登場で朔弥が忘れている事が幸いだったのか不幸だったのかは分からないが取り合えず、ファーストキスの相手が自分で有った事が舜一の喜びだった事は間違いない、だからこの思い出はそっと自分の胸に仕舞っておくことに決めたのだった。

真夏の懐かしい思い出で有ると朔耶はひとりこの日の写真を見ながら思い出に浸っていた。

「あれ?先輩、何を見ているんですか」
「アルバムだよ、夏祭りの写真だ」
「へぇ~見せて下さい、おお、可愛い!やっぱり先輩は可愛いですね」
「女みたいで。。。って言いたいんだろ」
「いえ、先輩は先輩、女となんて比べ物になりませんよ」
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最終更新日  2009年07月10日 01時03分18秒
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