BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年09月14日
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BL小説です、興味の無い方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

愛着

肩を抱かれた、和樹さんの香りがする。
頭を預けて密着度を高めるとジャケットを通しても伝わって来る様で心地がいい、早く服を脱ぎ捨て裸で抱き合いと思った。
なんて言ったらはしたない人間だって思われるかな?
だけど抱きたいって言ったのは和樹さんだ。

「顕一くん」

後ろで声がした。
振り返ると佐伯先生の声だった、反射的に体を離した。
和樹さんはクスリと笑って佐伯先生は知っていると言いたげな顔だった。

「あら?二人でどこに行くのかしらぁ?」

怪しげな笑みを向けて先生は「顕一くんと少し話がしたいの」と言ったから僕は全の事なのだろうと思って頷いた。

「顕一、私はここで待っているよ」
「和樹ごめんね、これからお楽しみの所を」
「バカ言うな、さっさと行け」

手をしっしっと追い払うように振るとボーイからグラスを受け取ると目立たない場所の壁際の椅子に座った。
僕はその場から離れ難い思いでその様子を見ていると手を捉えれた。
僕の手よりも小さくてしなやかな指だった。
グイグイと引っ張る力は女性のものとは思えないほど逞しい感じがした。

「先生、そんなに引っ張らないで下さい、逃げたりしないから」

会場の隣の控え室に引っ張り込まれた。
普段は花嫁の控えの間なのだろうか大きな姿見が置かれて中央には小さなテーブルと椅子に二人掛けぐらいのソファー、壁際のカウンターの上には飲み物が備え付けられていた。

「そちらに掛けてね」

とソファーを勧められた。
緊張している、深呼吸して座ると置かれていたコーヒーメーカーからコーヒーを注いで僕の前に置いて進めてくれた。
先生自身も紅茶を入れて椅子に座って僕の顔を覗き込むとニカリと笑う。

「君を連れて来たのは不肖の息子の事よ、ごめんなさい、誤ります」
「いえ、少し驚きましたが。。。そのことを誰から?」

人は全以外居なかったはずだった、全が先生に話したってことなのだろうと思った。

「それは誰でもいいわ、貴方は分かってるはずだから。。。」
「和樹さんには黙っていてもらえますか?」
「その方が良さそうね、私の責任なのよ、忙しく何も出来なかったから人任せで私が謝ってはいけないのでしょうが今は逢わせない方がいいのでしょうから私が謝ります」

と言って頭を下げ、なぜ絢斗がああ成ったかと言う事を話始めた。
先生の親御さんは相当の資産家で先生しか跡取りの居なかった佐伯の家では絢斗を引き取り育て先生は大学まで行き、作家デビューしたそうだ。
僕が出逢ったのは先生が大学生の頃だったが子供が居るような素振りは無かったから言い寄る男性は多かった。
だけど靡く気配が無かったのは絢斗が居たからだろう。
そして絢斗はかなり甘やかされて育てられた、彼を嗜める人間は曽祖父が居たそうだがその曽祖父が亡くなってからは自由奔放に育ったという事だった。

「絢斗がなぜ、貴方を好きになったかは解らないけれど全の影響が強いかも」

全の名前が出てドキリとした。
僕が彼女から全を奪った形になった、僕はどう謝った良いのだろかと頭の中を過ぎった。
彼女はこの事実を知っているのだろうか?

「全の?」
「ええ、あの子は和樹よりも全なのよ」

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最終更新日  2009年09月16日 04時11分28秒
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