BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年11月20日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です、興味ない方嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

予定は何も無かった。
食器を洗い、洗濯をし、掃除をした。
綺麗になった部屋の中央に寝転がり天井を見詰め思うのは鴻山の事だった。
好きでもない男に抱かれる、椎名に取っては商売としとして割り切れる。
だが鴻山に取っては何もメリットが無い、欲求のはけ口、さっきテーブルの上に伏せて置いた紙片に目を通した。
鴻山の扇情的な姿が目に浮かんだが頭を振ってその光景を消す。
助けたいと単純に思った。
自分がこれほどまでに人に関わるのは今までに無いことだったと過去を振り返り思った。


手は止めない、止めてしまったら椎名の事、野瀬の事が頭に浮かんで来る。
側にいた女子社員が声を掛けて来たのも気付かないほど集中していた。
デスクをこんこんとノックされるように叩かれてやっと気が付いた。

「鴻山さん大丈夫ですか?」
「ごめん、気付かなかった、なに?」
「部長からお電話、1番です」

表情は何時も通り柔和な笑みを浮かべて礼を言った。
だが内心は彼女の言葉で氷付いていた。
背筋には冷たいものが流れた。
野瀬の予定を確認すると会議のはず、まだ会議の真っ只中のはず、電話をする余裕は無い、しかし、内線で電話とは一体、どうなっているのかと疑問に思いながらボタンを押して受話器を耳にした。

「出るのが遅い」


電話の向こうの気配を探る。
静かな室内、到底、会議が行われているとは思えない、勿論、電話を掛けられる状況と成ると
会議は終わった事に成る。
すると突然、誰かの呻くような声がする。
呻いているのでは無い、喘いでいる、悪趣味だと思って切ろうとした時だった。


「。。。」
「君はいい声で啼く、甘くて切ない声で私を強請る、厭らしい音もちゃんと取れているだろう、表情がそそる」

喘ぎ声と同じに聞こえる水音がリアルに耳に届いて来る。

「こちらでは大きなスクリーンに君の姿が流れている、見せて上げられないのが残念だ」

表情を変えず、受話器の向こうの自分の声を聞きながらホテルで撮影された日を思出だしていた。
三脚にセットされたカメラの前で脚を開かれ抱かれた。
そして同じにICレコーダーをセットされたのを憶えている。
何に使うのかと思っていたがこんな事に使われるとは思いもしなかったと言うのが素直な感想だった。
鴻山は心を閉ざしその音を聞いた。
野瀬がせせら笑うのが聞こえた。

「明日が楽しみだ、分かっているね」

返す言葉は無かった。
そして電話は切られた。
どっと疲れが出たのを感じながら受話器を置いた。
防音はされている会議室だから誰かに聞かれる心配は無かったが野瀬という男の悪趣味を笑うしかなかった。

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最終更新日  2009年11月22日 03時54分36秒
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