BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2009年11月28日
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カテゴリ: 君がいるから
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

「藤野、ちょっと来い」
「え?」

弁当箱を手に倉本が手を引き、梯子を登り給水タンクの裏に回り日当たりの良い場所に背を預けさせた。

「膝、貸せ」
「?」

倉本は寝転がり強引に頭を膝に預け、空を見上げると同じに藤野の顔を見る。
自分以外の誰かがこの風景を見ていると少し癪に障るのだったが今は自分が独占しているのだという、優越感に浸る。

「重い」

「勝手にしろ。。。」

などと言いながら嬉しそうに顔を覗きこむ、久しく見なかった友の顔、少しやつれて影を落としている。
自分の事で栢山が何か動いているのは気付いていたが、もしかするとその裏で倉本も動いて居るのではないかという、気もしていたと言うよりは、そう確信していた。
しばしの間、懐かしい寝顔を見詰めながら、折角の弁当を頂いた。
掛け替えのない二人に出会えた事に感謝すると同じに自分も過去から脱却しなければならないと思った。
そう、囚われていてはダメなのだ。
穏やかな時間はあっという間に終わりを告げた。
寝息を立てる倉本の頬をペシペシと手で軽く打った。

「なんだ?」
「時間だ、戻るぞ」
「さっくん、寝起きのキス」


起き上がった倉本のネクタイを引っ張っり口付けた。

「栢山にはいうなよ」

ぽかんと固まる倉本の横で埃を払い、さっさと来た道を戻る。

「さっくん、もう一回」
「そんなのは一回きりだ、先に行くぞ」



「藤野、残酷だよ。。。」



 午後からの仕事を終わらせ、会社を出た。
藤野が入社して以来、ずっと世話に成っている居酒屋へ集団で向かった。
気が進まない藤野は輪から外れて歩く、同僚達は楽しそうに笑っている。
栢山が居たなら背を押され、あの輪に入れられるだろうとなと思っている横に夏原が輪の中から抜けて来た。

「藤野係長、気分でも悪いんですか?」
「そうじゃないよ、君は良いのかい、女子は先に行ったようだけど」
「良いんです、彼女達に歓迎されていませんから」

その言葉に素直過ぎるのが原因だと悟ったが彼女は自覚しているように思え、それ以上、言うことは無いと思えた。
そんな彼女がなぜ、自分に関わって来るのかが分からず困惑していたが、もしかしたらアプローチではないかという思いが湧いた。

「係長、行きますよ」

背中を押された。
甘い香りが藤野の鼻腔を擽った。

「夏原君。。。」
「楽しみましょうよ」

居酒屋に入るとなぜか注目の的だった。
女子社員からは非難の声が、男子社員からは羨む声が上がった。
新入社員は今日ばかりは上座に座り、果長の音頭で乾杯の声が上がると賑やかに歓迎会が始まった。
無礼講という事が有りある程度、食事が済むと新人は酌をして回る。
藤野も周りの雰囲気に飲まれて酒を呷った。

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最終更新日  2009年11月28日 02時22分32秒
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