BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年04月09日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

野瀬に言われた通り後を付いていく、この日の始まりは恐怖でしかなかった。
しかし、喫茶店で過ごすことによって、彼の意外な一面を見てその思いは薄れつつ有った。
そしてこの寺で見た野瀬の表情に心が揺れた、鴻山は首を振り、自分を辱め、苦しめているのは彼なのだとそして愛しているのは椎名なのだともう一度、自分に言い聞かせる。

「どうした、乗らないか?」
「どこにいくのですか?」
「さっきも言ったはずだ付いて来ればいいのだと」

機嫌を害したのだろうかと俯き加減で様子を伺うとそこには困った顔をした男がいた。
信じられないと思った。


「さぁ、乗るんだ」
「はい」

すっかり日の落ちた道を車は進む、会話もなくなり静かで重苦しい空気を共に、人通りも、すれ違う車も街頭さえない山道を登る。
野瀬の顔を伺う。
何の表情も浮かんではいない。
気付かれないように溜息をついた。

「どうした、溜息などついて」
「いえ」
「私が無言なのが気に入らないか?」
「いえ」
「だったらなんだ?」

「だろうな、私たちの間に有るのは肉体関係だけだからな」

身体だけの関係だと言われて心がズキリと痛んだ、愛してはいないはずの男の言葉に動揺している自分に戸惑う。
野瀬自信は、どうなのだろうかと横顔を見ると相変わらず、無表情のままで考えは読むことが出来ない。

「なんだ、『愛してる』とでも言って欲しかったか?」

言葉の奥に笑い声が隠れているような気がした。

不安に成って思わず、尋ねる。

「ここは?」
「君はここが何処なのか知らないのか?だったら丁度良い、裸で縛って放置でもしてやろうか、他人(ひと)がいないようだしな」

残酷な声が隠されていた。
内心、怒らせてしまったかと言葉を失ってしまい、どのように反応したら良いのか戸惑い、俯いた時だった。
笑い声が車内に響いた。

「冗談だ、いくら私でもこの寒空に放置など出来ない」
「はっ、だったら寒空でなければするのですか?」
「君はされたいのか?」
「そ、そんなわけないでしょ、裸で縛られて放置されるなんてごめんだ」
「やっと、調子が戻ったか、借りてきた猫の様な君は面白くないからな、そうして居ればいい」

楽しげな声、表情はニコニコしている。
益々、困惑し、どのように接していいか分からない。
いっそ、何時ものように酷く扱われれば、少なくとも憎み、嫌うことが出来るのにと思う。

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最終更新日  2010年04月09日 10時55分23秒
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