BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年05月19日
XML
カテゴリ: 君がいるから
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

目を瞑り、瞑想しているかのような、藤堂の姿を見ながら横を二人で通り過ぎて行く、奥にある忌々しい部屋、栢山の侵入したサッシガラスが割れ、飛び散っている、その側のベッドの上、縛られていたロープは外され、シーツが被せられていた。
これをしていたから栢山の到着が遅れたのだと用意に分かった。
藤野に触れる手が震える。

「藤野」
「先輩」

スッと開かれる瞳に光は無い、震える体が痛々しい。

「倉本、栢山」

掠れる声で名前を呼ぶ、意識がしっかりしている事にお互い、胸を撫で下ろす。

車を使うにも、これでは警察沙汰になってしまう、歩くにしろ、体に負担を掛けてしまう。

「栢山、悪い、服を。。。」

起き上がる体に受けた痕、見たくも無い物を見た気がしたが、そこで目を背けてしまっては藤野をあからさまに傷つけてしまうと思う。
直視、しがたいが見るしかない。
心の奥で怒りがフツフツとぶり返す倉本だったが、あくまで機械的に作業を手伝う栢山の顔に怒りの瞳を見つけた。

「立てますか?」
「ああ、何とか」
「済まん、遅くなった」

着替えを済ませる藤野は普段と変わらない、態度で二人に接する。
青い顔が痛々しい。

「お前らならきっと来てくれると思った、倉本、肩貸して」


栢山は一体、どんな気持ちでこの言葉を受けたのだろうかと思うと共に、彼に対して苛立ちを抑えきらない。
なぜ、一発殴っただけで許してしまうのか、そしてどうしてこうも冷静で居られるのかが分からなかった。
そこに、先ほど目を瞑っていた藤堂がゆっくりと姿を現した。
怪訝そうに顔を背ける藤野を庇うように倉本が自分の後ろに立たせる、それを支える栢山の肩を借りて辛い体を支えた。

「帰るんだろ、だったら俺の車使えよ」


吐き捨てて言う倉本にニヤリと笑った藤堂が言う。

「贖罪なんて思っちゃいよ」

それだけ言って引き出しから車の鍵を投げてよこしたそれを倉本が上手く受けとった。

「だったら何だって言うんだ」

黙っていた栢山が言葉を挟んだ。

「そうだな、アンタの言葉で目が覚めたよ」

それだけ言って背を向け、今度は藤野に言う。

「藤野さん、済まなかった、写真は全て処分する、会社も辞める、もう、アンタには手を出さない安心しろ」

なぜ、彼からこのような言葉が出たのか、倉本には理解出来ないでいた、だが、彼の態度を見て、何かどこかでこの男を許してしまいそうな自身がいた。
倉本や藤野はどうもって藤堂の言葉を聞いたのか確かめたくなって後ろに視線を送った。

「藤堂、辞める必要は無い」
「先輩。。。」「藤野。。。」
「俺はアンタを。。。貶めたのだぞ」

藤野が小さな声で、藤堂に言う、栢山は、藤野がこの男を無条件で許そうとしている事を感じた。
なぜだと思う。
それを思ったのは倉本も同じだった。
なぜ、許せると思った、そして、なぜ、藤堂は意図も簡単に手を引いたのか、と思えた。

BL小説ブログランキング
感想を頂けると幸いです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年05月20日 10時24分26秒
コメントを書く
[君がいるから] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: