BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年06月08日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

なんだか、椎名が離れたと思った瞬間だった。
さっきまでは優しい手と心で自分を包んでいたくれた、しかし、今は心が微妙にずれている気がしている。嫌いに成った訳じゃない、だけど何かが鴻山を冷めさせた。
腕からもがいて身体を離したいと思ったのはなぜだろうか。

「宗次さん?」
「ごめん、手を離してくれないか、シャワーを浴びて服を着たんだ」

ありきたりな言葉で逃げて離れようとしたが、聞き入れてもらえなかった。

「もう少し、話をさせて、今度は俺の事」

それは以前聞いた、一体、何を聞いて欲しいというのだろうか、隠している事がまだ有るというのだろうか。


「済まない、シャワーを浴びて服を着てからでいいだろうか、お前もその方が良いだろう」
「そうだね、気が利かなくてご免。。。」

心の奥を悟ったような、言い方、胸の奥がチクリとした。
そっと手が離され、自由に成った身体を起こす、立ち眩みのような感覚に襲われて倒れそうに成るのを支えられた。
ベッドに座って感覚が引くのを待ってから風呂場に向かった。
椎名は何も言わないでそれを待っていた、何時もならば煩いほど構って来る椎名が静かに水を持って来た。
黙って受け取って口を付けた。
飲み干す水の冷たさにほっと溜息をついてコップをテーブルに置いて風呂場に向かった。
立ち眩みは治まって普通に歩けている、さっきのはきっと急激な動きが齎したものだと思う。

「宗次さん。。。」

小さな声が鴻山を引き止めようと名前を呼んだ気がしたが、振り返る事は無くそのまま風呂場に姿を消した。

その間に思うのは鴻山の変化、さっきまでは泣きながら自分の過去を話していた、椎名の腕が拠り所で有ったはず、縋りついて涙を見せて居た彼の変わり方に椎名は不安を覚えた。
自分はもしかしたら触れてはいけない部分に触れてしまったのかと、もしかしたら、結城という名前が鴻山をそうさせたのではないかと、鴻山を待って居る間、膝を抱え、その上に頭を乗せた。

「椎名、椎名。。。」

揺さぶられる身体、さっきまで葉瑠と動いていた唇が椎名と動く、やはり触れてはいけないものに触れて鴻山を怒らせてしまったのかと、自分の考えの浅さに笑った。

「宗次さん。。。」

「え?寝てた?」

仕方ないなという顔が向けられた。

「ああ、凄く気持ち良さそうに、お前、寝不足なんじゃないの?」

昨日までは鴻山の方が死にそうな顔をしていた。
一日休んで、気力を取り戻したのか、今日はそれなりに良い顔をしている事に気付く、風呂上りでさっぱりとしている。

「お前も入って来い、昨日は。。。」

と言い掛けて止めるのは二人の行為を思い出して照れているから、顔がさっきよりも赤いのがその証拠だ。
椎名がクスクスと笑うのを睨みながら壁にもたれて腰を下ろした。
さっきまでの空気が和らいだのは鴻山の顔が緩んだからだろうか。

「お前も、風呂に入れ、話はそれからだ」
「だったら宗次さんも一緒にもう一回入ろうよ」
「バカ!」

立ち上がった椎名に向かって枕が投げつけられた。
以前は軽く躱したが、今日は顔面直撃だった。

「さっさと行け」

何かを追い払うように手を振る仕草の鴻山、拗ねてみせる椎名の顔が真っ赤になっていた。

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最終更新日  2010年06月08日 02時50分54秒
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