BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年06月26日
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カテゴリ: 二次創作
BLで、二次創作でおまけにロイエドパラレルです。
鋼?です。お好きな方のみお進み下さい。




そうだ、寺にいこ1

しとしと雨が降り、霧の立ち込める長い階段を登る。
両脇には紫陽花が色とりどりに咲き、その後ろには秋を待つ紅葉が青々と生い茂り、水滴が緑を一層、瑞々しく見せていた。
エドは長い階段を見上げて呟く『一体ここはどこなんだ。。。?アルは居ないし。。。』なぜ居ないのかは分からない、気付けば独りで歩いていた。
階段を登り切ったところには入母屋造りの建物が静かに佇んでいる。

「なんだこりゃ」

建物に近づき、靴を脱ぐと階段を上がる。


「誰も居ないのか?」

一応、声を掛けるが返事は無い、こんなだだっ広い処に独りで居るのは気が引ける。そのまま、踵を返すと濡縁に沿って歩く、寺の奥、渡り廊下を渡ると入母屋造りの建物とは別の建物が見える。
そこには明かりが燈され人の気配がした。
周りはいつの間にか日が落ち薄暗くなっていることにその明かりで気付いた。
明かりに誘われるまま歩くと部屋の前で止まって中の様子を伺ってそっと障子を開けるとそこにいは背筋を伸ばした黒の衣を纏った独りの男が文机に向かって何か、書き物をしている。
彼は人の訪れに気付かないのか、気付いていて知らない振りをしているのか、静かに筆を走らせていた。
エドがその静かさに引き込まれるように座ると僧侶が筆を擱き、そっと振り向いた。
その顔に驚く、髪を綺麗に剃り上げた形の良い頭に見知った顔、思わず吹きそうに成るのを俯き、耐える。

「どうかされましたか」

丁寧な言葉遣いが妙にこそばうゆい、同じ顔の筈なのにこの差は何なのだと思う、そして佇まいに違和感を覚え、あの男では無いのかとその顔を確かめる。
しかし、掛けられた言葉に別人である事を悟り、言葉が詰まった。


「そうですか。」

クスクス笑う顔が高貴に見える。

「なにか、飲み物でも持たせましょ、抹茶でよろしいか?」
「あ、はぁ、なんでも」

知らない飲み物の名前を言われて何でも良いと曖昧に答えて、もう一度、目の前の人物の顔をみた。

吹きそうになる。
不思議そうな顔が向けられて赤くなる。

「一休、居ますか」
「はい、和尚様」

呼ばれた一休という小坊主が隣の部屋から襖を開けて三つ指を突いて恭しく挨拶をすると顔を上げた。小坊主は利発そうな顔を向けて僧侶の言葉を注意深く聞く、それに対して速やかに出すお茶の種類、菓子の名前を告げた。エドに取ってはさっぱり分からない種類、なんでもいい、それよりもここが何処なのか、目の前の人物が誰なのかを知りたい。
小坊主は来た時と同じ動きで立ち去って行った。

「あの。。。ここはどこですか?」
「貴方はご存じなくここにおいでになったのですね」

爽やかに笑うと金色の瞳が見詰められた。
心臓が跳ねる、ロイとは違う意味で穏やかで居られない。

「まぁ、そんなとこです」

調子が狂う、ロイにならばこんなには緊張しない、しかし、目の前の彼は顔は似ているが別人でエドの全く知らない人物、だから悪態も付けないないし、どう接して好いのかが分からない。
沈黙が続く、何を話せば良いのか探っていえると襖がスッと明けられて、器に載せられた菓子と何か茶碗が二つ運ばれて来た。

「お待たせしました」
「済まないね、それをお出ししたら下がりなさい、一時ほどここには誰も近づかないように、一休、君もだよ、いいね」
「はい、和尚様、では、ごゆっくり」

一休は笑顔を向けると静かに部屋を後にした。
エドの目の前には器に入れられた濃い緑色の液体、もう一つの器には色も鮮やかで涼しげな水菓子が載せられていた。
手を伸ばしてお茶を飲む、苦くてなんだか美味しくない、吐き出しそうになるのを我慢して飲み込んだ。

「難しい事は言いませんが、先に菓子を口にするのですよ、そうすれば苦味が和らぎます」
「そ、それを先に言ってくれよ。。。」

膨れた顔が僧侶に向けられる。
それを楽しげに眺めて僧侶は茶を飲み干し、器を自分の脇に置いた。

「それよりも、アンタの名前を教えてくれないか?」
「そうですね、しかし、その前に貴方様もお名前を教えて頂けますか?」

涼やかな瞳がだった、なんだか吸い込まれるようで、身を構えてしまいそうになる。

「あ、ああ、そうだな」、悪い。。。俺はエドワード・エルリック」
「エドとお呼びして良いですか」

心臓が跳ねる、何倍も脈が上がったのかと思えるほどで、落ち着くために言われた通り菓子を頬張ってから茶を飲んだ。

「旨い!」

思わず声を上げたエドを嬉しそうな笑顔が向けられる。

「それは良かった、この寺で最高のお茶と菓子なのですがそれほど喜んで頂けるのならばお出ししたかいが有りました。」
「なぁ、教えてくれよ、アンタの名前」

もう一度、名前を問い質した。

「そうでした、貴方の名前を伺って措きながら申し訳ない、私は露衣(ロイ)と申します」

僧侶は居住まいを正して三つ指を突き頭を下げた。
解らない、自分の知っている人物と目の前の全くの別人は同じ名前なのだ。
なのになぜ?こんな偶然が有っていいのだろうか?

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最終更新日  2010年06月26日 14時54分48秒
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