BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年07月01日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

椎名と過ごす怠惰な生活、そう思えるのはまだ自分が正気だからだと確認する。
人というものはそれほど柔ではなのだと実感した。いや、自分が鈍感なのだろうかとも思い、ベッドの中で寝返りを打った。
会社には気分が悪いと女子社員に託けを頼んだ、『酷い声』だと心配されたのが幸いした。
何度も抱き合った後のカサ付いた声が幸いした。そして、野瀬が席を外していたことにホッとした。
いま、椎名は留守をしていた。怠惰な生活を希望した鴻山の為に食事を買うのだと張り切って出て行った。
一時間ほどして帰るといったがこの間がなんだか持たない、本当は食事など忘れて一日抱き合っていたいと願ったのだが、人間そうも行かない事にお互い気付いた。
なんともいえない現実感、どうせならこんなリアルな生活を送らないで済むように縛り上げて監禁して、体内に何かを埋め込んで犯されたままにしてくれれば気が狂うだろうかと考えもする。
椎名は優しい、だからそれが出来ないのは知っている。

ガッチャりとドアが開いた。
椎名が顔を覗かせて微笑んだ。

「ただいま」
「ああ、お帰り」

大きな手提げ袋が二つ、一体、何を買ってきたのだろうかと思えるほど大量の買い物だった。
ドンとテーブルの上に置くと楽しそうに中身を冷蔵庫にしまうと出したままの幾つかのパックをトレーに載せて運んで来た。

「やっぱほら、だらしない生活を送るのはベッドの上だよね」

笑ってベッドに潜り込み、トレーの上のパックを開ける。
お持ち帰り弁当、なんだか色気が無いが現実はこんな物なのだろうと思う。

「やぁ、もっといいテイクアウト物が有るんだろうけど、時間がね、時間だから」

デパートが開くにはまだ早い、だから豪華なテイクアウトは望めないのは致し方がない、椎名とこうして並んで食事を取る、これが幸せだと感じるのだった。


「俺が壊れたらお前どうする?」

さっきの思いを尋ねてみる。
椎名の答えが聞きたいと思った。
なんと答えるだろうか、椎名は暫く考えてニヤリと笑って答えた。

「そうだな、折角、こうやって長い時間掛けて出逢えたのにアンタが壊れたら俺、どうしたら良いんだろうね、見捨てる気は無いよ、だからね、一緒に壊れようか」


それを見て椎名が慌てる。トレーを側のテーブルに置いて鴻山を抱きしめ、口付けて、指の腹で涙を拭った。

「ちょ、ちょっと。。。どうしちゃったの?」
「期待してなかった、捨てられると思った。。。狂いたいと思ったのに狂えなかったのはその言葉を聞きたかったのかも知れない」
「そう、狂わなくて良かっただろ」
「椎名。。。」

ホッとした声に縋りつくと、椎名の肩に涙が染みを作る。

「アンタが狂ったらアンタを殺して俺も死ぬ、だから覚悟して置いて」
「ああ、それがいい、独りで逝くのはいやだ」
「俺も嫌だよ、だからねそうする、だけど、アンタが狂わないのならそのままだよ、アンタが俺を嫌いになって捨てるまで一緒だよ」
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最終更新日  2010年07月01日 17時40分47秒
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